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 美里ちゃんも、唯も学校にこなかった。
唯からLINEが来た

「美里が別れるなら死ぬと言い出して、俺はゴメン別れてくれと頼んだら、本当に自殺しようとした
美里の親に別れないでくれと言われ美里を見ていてほしいと、美里の家に泊まっている」と

 学校でも話題になっていた。
美里の両親は学校にも連絡した
先生と、美里の両親と唯で話し合った、美里は唯と別れるなら死ぬと言い続け、美里の両親が別れないでくれとたのんだ、
唯は、母親もいないし、しばらく美里の家に住んで欲しいと、
唯は、
「わかりました」
と言うしかなかった

 その噂はすぐに広がりひまりの所にも届いた、唯はひまりの名前を出さなかった、
唯と連絡は取れなくなった、
唯は学校に来なかった、
美里ちゃんは学校を辞めた
唯にも辞めて欲しいと頼んでいた


 1週間ほどたって唯だけ学校に来た。
事情を聞かされたひまりは、唯に
「学校を辞めたらダメだよ、唯は学校をちゃんと卒業しなくちゃ」

唯は少し泣いた

まだ、17歳だ恋愛の最終決断が大人にあるのだ、唯は学校を辞めたくはないんだと

だけど、美里のそばに今は居て欲しいから、金銭の面倒みるから、
美里のそばを離れないで欲しい
それが、美里の両親の頼みだった

唯は
「説得して別れてちゃんとするから、ひまり待っててほしい」

ひまりは頷くことしか出来なかった、

唯に手紙を書いては捨てた。

ひまりは毎日泣いた

唯が辛そうだったこと

唯に会いたかったこと

17歳のひまりが心の整理をつけられることじゃなかった

ただ、好きなだけ

ただ、好きになってくれただけ

何かの歌の歌詞に
【誰かを傷つけないと恋ができない】と

レイだけが知っていた
レイが一緒に泣いてくれた

先の事など考えてない
ただ、好きだった、それだけだった、

でも、大きな出来事になってしまった。

美里は唯と結婚したいとたのんだ
美里の周りもたのんだ、
そうしないと、美里は死ぬと言うからだ、

唯は、1人断り頭を下げていた
ひまりは噂を聞いて、唯を待つしかなかった

こんなに苦しい思いをするのかと思っていたけど、そんな簡単な事じゃなかった、

【恋は盲目】

好きな人を手に入れる為ならなんでもする、相手に他に好きな人がいてもかまわない
囲って逃さなければいいなんて
ひまりには想像出来なかった

それが、恋なのか?愛なのか?
執着なのか?

唯から電話が来た

「美里が妊娠してるって、産むって、俺、俺は
頼むから下ろしてくださいと言った、最低だけど、俺の人生は?」

唯は泣いていて、こっそり電話して来たようで、すぐに切った

ひまりにも抱えきれない話しだった

ただ、唯が、愕然としていたのはよくわかった

お腹の子に罪はない

でも、唯もまだ子供だ
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