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モノクロ

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 ひまりは唯が歌ってくれたいくつかの歌を聴いていた、すると唯から電話がかかって来た

「もしもし、ひまり?今平気?」
ひまりは
「うん、大丈夫」と答えた
唯は、電話越しに
「この歌聴いて?」と
それは、さっきまでひまりが聞いていた歌で、ひまりは
「この歌さっきまで聴いてたよ」と伝えた
2人で小さな声で歌を口ずさみ

【see you again僕は言えるから】と唯はハッキリ歌って泣いた

ひまりも泣いた、美里ちゃんの気持ちも考えず、

唯は
「ひまり、色がなくなるんだ
白黒にしか見えない、ひまりがいた世界は色があってひまりを無くして俺は色を無くしたよ」と
そして、
「でも、さよならひまり」と
ひまりも
「さよなら、唯」と言って電話を切った、ひまりはまた同じ歌を聴きながら泣いて寝た、

 学校へ行くと美里ちゃんが学校を辞めた理由と唯が辞めた理由の噂でいっぱいだった、ひまりは何事もなかったように、過ごした、唯のいた机と美里ちゃんの机は片付けられ、席替えする事になった、ひまりは窓際の日当たりのいい席になった、ひまりはどのくらい引きずるんだろう?そんな事を考えてすごした、普通に学校へ行き普通に帰る
1人駅の改札口を出た瞬間、電話が鳴った、唯からだった、もう
電話はして来ないはずなのに、
ひまりは不思議に思いながら電話に出ると、泣き叫ぶ大きな声で

「泥棒ネコー」と言われた
私は実際泥棒ネコと言われるとは
と、一瞬ポカンとした、電話の相手は美里ちゃんで、

「唯と遊んでたんでしょ?
私がどれだけ唯を好きなのか知っててよく唯と遊べたよね?」
それから美里ちゃんは
たくさんひまりの悪口を泣きながら言って、だけど何だかひまりの頭の中に美里ちゃんの言葉は入ってこなかった、美里ちゃんは、

「私、唯の家で見つけたの血の付いたシーツとあんたの気持ち悪い手紙」と、
ひまりはその言葉で、あーなるほどだから、ばれたんだと、思った、そして唯は美里ちゃんとこれから付き合って行くんだ
ひまりはもう唯と会う事はないんだからと思い、美里ちゃんに話した

「あのね、私が唯を誘ったの、唯は私に無理やり誘われただけ」
そうゆうと美里ちゃんは
「そりゃそうにきまってるじゃん
私が聞きたいのは唯の事本気なの?って事、どんなに本気でも
唯は私の物だから無駄だから」と

ひまりは
「本気じゃない、ただ、恋愛ゲームをしただけ、唯にゲームをしよつと誘っただけ、だからなんでもない」と言った

美里ちゃんは
「何なの?それムカつく唯で遊んだの?私を傷つけて、本気ならよかったのに、本気でも唯は私の物だからまだ許せたのに、ゲーム?
ふざけないで」と電話を切られた

電話を持っていたひまりの腕は震えていて、胃がキリキリ痛かった

ひまりが悪者で終わればそれでいい
だって、唯と美里ちゃんはこれから2人で過ごす学校も来ないのだから、これでいい、全て終わったのだ

翌日学年主任の先生にひまりは呼びだされた、

「ひまり、何で唯だったんだ?」

ひまりは、
「え?」と言う

先生は
「知ってたんだ、唯とひまりの関係、先生って案外よくみてるんだぞ」と

そして
「ひまりは、年上の彼氏を選ぶと思ってた、なんで唯だったんだ」
と、
ひまりは
「分からない」と答えた
先生はひまりに

「で、唯はどんな奴だった?」
と聞いたのだ

ひまりは

「唯は、寂しがり」と答えた

先生は
「よく分かってたんだな?」と言った

続けて先生は
「それでひまりは?先生はひまりは、だいぶ年上じゃないと、ひまりと釣り合わないとおもうぞ」と
言った

ひまりは
「年上?」

先生は、
「ひまりの家庭の事情は分かってる、ひまりを守れるヤツじゃないと、唯とひまりは似ていたからな
でも唯は弱いから」と

ひまりは
何も言えなかった
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