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第一章
28話目 商業ギルドと買取
しおりを挟む翌日商業ギルドに行くと買取は2階ですと案内された。
受付のお姉さんに昨日見繕ったアイテムを見せるべく机の上に並べ始めたらストップかけられた。
「こっ個室を案内します!」
並んでいた人たちにもギョッとされた。
「…………」
「…………」
「不用心過ぎです」
「すみません…」
「戦闘経験は?」
「無いです」
「これだから渡り人は……」
「?」
「いえ…こっちのことです」
何故だかわからないが白髪で身なりの良いおじさんに説教された。
「それで買取希望のものは何ですか?」
「はい…これです」
「………取り寄せ系ですか?」
「分かるんですか!」
「素直過ぎる!!」
頭を抱えられた。
出した商品は一昨日飲んだ缶酎ハイ系とサワー系でまとめてみた。
買取れるだけ買い取ってもらおうかなと思ってる。
「そうかそうか。冒険者ギルドのガドラスが言ってたのはあなたの事か。分かった」
「何のことですか?」
「いや良い。……こほっ。こっちの事です。
………で買取希望はこれだけですか?他にはありますか?」
「一応これだけの予定です」
「分かりました。では貴女が取り寄せられる中で一番高価なお酒と女性向けの物を数点見せていただけますか?」
お酒と美容品?何があるかな?割って飲むお酒の方が高いけど割って飲む分安くなるのか?それだったら日本酒の方が高いのか?量もあるから値段が高い方がいいのか少量だけどいいお値段のにした方がいいのかどうなんだ?
「悩むようでしたら商業ギルド所属の渡り人を呼んでもよろしいでしょうか?」
「あ、お願いします」
そうして数分後扉をノックして現れたのは私よりも少し年上だと思われる女性だった。
眼鏡をかけて髪の毛をひとまとめにしてある美人である。
「ギルマス、お呼びでしょうか?」
「春子、今回来た同郷だ。見繕ってやってくれ」
「かしこまりました」
カツカツとヒールを鳴らし私の隣にくると
「購入した事がある物を取り寄せる魔法ね。お酒見せてくれる?」
綺麗に微笑みながら魔法を言い当てられた。
「あ、はい」
魔法を発動させタブレットを見せる。
「スクロールしてもらっていい?」
「分かりました」
言われるがまま下の方へスクロールしていく。
「ここからゆっくり」
「はい」
「アルフォート様の好みはブランデー…でもお店によく売ってるものしかないわね。ウィスキーも…そうね…時間経過させればいいわね。
美容系見せくれる?」
「はい」
タブをクリックしてスクロールする。
「ふむ………少ないね」
ぎくっ。化粧水とかずっと同じの使ってたからバリエーション少ないんだよ。
そう言って春子と呼ばれた女性は指を口に当て無言になる。
「女性向けのプレゼント…橋沼さん。趣味は?」
「趣味…ですか」
「そう趣味。何にお金使ってきた?」
「チョコです!」
「見せてもらえる?」
「喜んで!」
合点承知!食品のタブをクリックしてチョコレートを表示した。
「…凄いわね。王室御用達のメジャーどころ勢揃いね」
「催事場通いました」
「これならどれでも良さそう。オススメは?」
「これです!一箱魔力3500の物です!これの為に魔法を選びました」
それを見てふむっと頷き
「じゃあこれにしましょう。これとさっきのブランデーを出して貰える?」
「分かりました」
二つの商品を選択し取り出す。春子さんは自前のアイテムボックスから小さな箱を取り出しブランデーをその中に入れた。
「……それは?」
「時間経過の魔道具よ。こうすることによって安いものに価値を付けるわ」
魔道具のボタンを押し。ボタンが光ったかと思えば春子さんは箱を開けた。
箱から出てきたブランデーはラベルの色がくすんでいた。
「これで20年は経過させたわ。充分よね?」
「充分だ」
商業ギルドのギルドマスターが頷くと春子さんはチョコレートとブランデーをギルマスに手渡した。
「これは領主に献上しておく」
領主…に?
「で、買取額だが…この缶のアルコール飲料が30本で星金貨10枚に白金貨8枚、ブランデーが1本で星金貨2枚に白金貨1枚、チョコレートは……星金貨1枚にしておくか」
「かしこまりました。用意致します」
星金貨…全部買い取ってくれるんだ…。
合計で星金貨13枚に白金貨9枚………1390万……ひぇぇ…。
「貴女はこれからどうするつもりですか?昨日借りた賃貸の家具でも見にいく予定ですか?」
「はい。その予定です」
「なら魔道具屋にも行った方がいい。不用心すぎる。春子に付いてってもらって見繕ってもらった方がいい」
「いえ…そんな…大丈夫ですよ」
「見てもらった方がいい」
「わ…分かりました」
なんだかとても凄まれた。
その後お金を持ってきてくれた春子さんとともにまたしても商業ギルドの馬車で魔道具屋へ行くことになった。
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