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第二章
78話目 花純さんと樹くん
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あの後も果樹園内を散策し更に驚いた。
主に元の世界の果物の充実っぷりに。
なんなら蜜柑なら蜜柑! だけじゃなく品種ごとに植えられていた。
蜜柑だけで20種類は有ったんじゃなかろうか? しかも丁寧に日本語で品種名が書かれていた。
唖然として看板を見ていたら、
「あ、渡り人!」
と花純さんに言われた。
気づくの遅い!!
そしてお近づきの印にとこちらで取れた蜜柑の食べ比べをさせてくれた。 20種類も……。
イリスさんは喜んでた。
クイナさんも途中までは喜んでいた。
私は途中からアイテムボックスに仕舞った。
「渡り人は久しぶりだよー! どう? 楽しんでる? 私は楽しんでるよー! へーい!」
蜜柑を両手に持ち万歳をした花純さん。
なんだかすごく楽しそうだ。
「この村も可愛いですね。 花純さんが果物植えたんですか?」
「違うよ!」
「「違うんかい!!」」
イリスさんとクイナさんがツッコミを入れた。
「花純さんの魔法じゃないんですか?」
「違うよ!」
へへんと何故か胸を張る花純さん。
「私の魔法は植物を元気にする魔法だよ! どんなに落ち込んでる植物もほほいと元気さ!」
「植物を……」
「ほほいと……?」
「元気に……?」
私とイリスさんとクイナさんは揃って首を傾げた。
「ほほいとって何ー?」
「ほほいはほほいさー!」
何かニュアンスかな? 途端にとかたちまちとかそんな感じ?
ふむ、とそんな考察をした。
植物を元気にする魔法かそれでこんなに雑多に育てられてるのかな?
「でも種ってどこから持ってきたんですか?」
「それは樹くんが出してくれたよー!」
樹くん?
花純さんがそう言うとイリスさんとクイナさんが辺りを見渡した。
「そう言えば今日は見ないねー!」
「いつも花純と一緒に居るのに」
「今はあっちの畑で薬草育ててるよー!」
果樹園の奥の方を指差してそう言う花純さん。
「樹くんはね凄いんだよ! 植物の種出してくれるの。 お陰でこんなに立派になりました!」
ジャーンと果樹園を両手で指し示した。
もう一人渡り人居るんだ。
植物の種を出せる渡り人に植物を元気にする渡り人か。 そりゃこんな果樹園出来るね。
ふむふむと一人納得していた。
「じゃあ次の場所行くよー!」
そう言って次に案内されたのはこちらの世界の果物の果樹園。
木になってるの初めて見た。
「ザロクとザクロ? アロナとアロエ? ブブの実と葡萄?」
名前が似てるのを集めた? と言うかブブの実と葡萄の棚……こっちも種類多いな!
「ここの葡萄? ブブの実の亜種? 美味しいんだよね」
花が咲いている葡萄の木を見て涎を飲み込むイリスさん。
大粒の物に小粒の物、マスカットや巨峰それぞれ数種類づつある。
「食べる? あるよ!」
自前のアイテムボックスからすかさず取り出そうとする花純さん。
「食べ「「大丈夫です」」」
喜んで貰おうとするイリスさんを私とクイナさんで封殺する。 みかんの二の舞は勘弁だ。
「そっかー食べたくなったら言ってね!」
そして果樹園をみんなで周り樹くんとやらが居る薬草園にたどり着いた。
「樹くーん! お客様だよー!」
「客?」
しゃがんで畑で土を弄っていたらしい。
花純さんの声で振り向く少年。
中学生? それとも高校生くらい?
サラッサラの黒髪の可愛らしい男の子が居た。
「樹ー久しぶりー!」
「見学しにきたよ」
「食いしん坊パーティーか。また果物か?」
軍手に着いた土を払い立ち上がる。私よりも背が低い。
「そうだよー!この間の全部なくなっちゃった」
イリスさんが明るく言う。 ……それってもしかしなくても私が巻き上げたやつ?
「ずいぶん量あったけど食い過ぎじゃないか……? まあ良いけど。 今日は何が良いんだ?」
「そうだねー、ベリー系は欲しいなーザロクも! あ、後今日はブブの実の亜種貰える?」
「葡萄な。 これはまだダメだ」
「まだダメなんだ」
イリスさんとクイナさんは残念そうに肩を落とした。
「んで、そっちのは何が欲しいんだ?」
樹さんとやらがこっちを見た。
「私にも売ってくれるの?!」
「いいよー!」
「単価教えて!いっぱい買う!!」
そう言ってキロあたりの単価を教えてもらった。
1キロ銀貨1枚だ。 果物だからかな? ちょっと割高な気がする。
図らずもハンスさん達から買い取った金額と同じ単価だった。
「そうだ!果物狩りしていく? この籠分で銀貨1枚だよ」
花純さんに網籠を見せられ尋ねられた。
「果物狩り? 楽しそう。 採るのはなんでも良いの」
「良いよー実ってるやつならなんでも!」
「葡萄も?」
「今ならデラウェアなら取れるよー!」
「いいの!?」
「おい!」
花純さんの言葉に慌てて止めようとする樹さん。
「良いよー!」
「「「やる!」」」
葡萄の許可も貰ったので樹くんが止めに入る前に三人で果物狩りをした。
その後で今ある在庫を教えてもらって果物も購入した。
アイテムボックス持ちなだけあって新鮮で量もかなりあった。
購入量を見た樹さんはドン引きだった。
主に元の世界の果物の充実っぷりに。
なんなら蜜柑なら蜜柑! だけじゃなく品種ごとに植えられていた。
蜜柑だけで20種類は有ったんじゃなかろうか? しかも丁寧に日本語で品種名が書かれていた。
唖然として看板を見ていたら、
「あ、渡り人!」
と花純さんに言われた。
気づくの遅い!!
そしてお近づきの印にとこちらで取れた蜜柑の食べ比べをさせてくれた。 20種類も……。
イリスさんは喜んでた。
クイナさんも途中までは喜んでいた。
私は途中からアイテムボックスに仕舞った。
「渡り人は久しぶりだよー! どう? 楽しんでる? 私は楽しんでるよー! へーい!」
蜜柑を両手に持ち万歳をした花純さん。
なんだかすごく楽しそうだ。
「この村も可愛いですね。 花純さんが果物植えたんですか?」
「違うよ!」
「「違うんかい!!」」
イリスさんとクイナさんがツッコミを入れた。
「花純さんの魔法じゃないんですか?」
「違うよ!」
へへんと何故か胸を張る花純さん。
「私の魔法は植物を元気にする魔法だよ! どんなに落ち込んでる植物もほほいと元気さ!」
「植物を……」
「ほほいと……?」
「元気に……?」
私とイリスさんとクイナさんは揃って首を傾げた。
「ほほいとって何ー?」
「ほほいはほほいさー!」
何かニュアンスかな? 途端にとかたちまちとかそんな感じ?
ふむ、とそんな考察をした。
植物を元気にする魔法かそれでこんなに雑多に育てられてるのかな?
「でも種ってどこから持ってきたんですか?」
「それは樹くんが出してくれたよー!」
樹くん?
花純さんがそう言うとイリスさんとクイナさんが辺りを見渡した。
「そう言えば今日は見ないねー!」
「いつも花純と一緒に居るのに」
「今はあっちの畑で薬草育ててるよー!」
果樹園の奥の方を指差してそう言う花純さん。
「樹くんはね凄いんだよ! 植物の種出してくれるの。 お陰でこんなに立派になりました!」
ジャーンと果樹園を両手で指し示した。
もう一人渡り人居るんだ。
植物の種を出せる渡り人に植物を元気にする渡り人か。 そりゃこんな果樹園出来るね。
ふむふむと一人納得していた。
「じゃあ次の場所行くよー!」
そう言って次に案内されたのはこちらの世界の果物の果樹園。
木になってるの初めて見た。
「ザロクとザクロ? アロナとアロエ? ブブの実と葡萄?」
名前が似てるのを集めた? と言うかブブの実と葡萄の棚……こっちも種類多いな!
「ここの葡萄? ブブの実の亜種? 美味しいんだよね」
花が咲いている葡萄の木を見て涎を飲み込むイリスさん。
大粒の物に小粒の物、マスカットや巨峰それぞれ数種類づつある。
「食べる? あるよ!」
自前のアイテムボックスからすかさず取り出そうとする花純さん。
「食べ「「大丈夫です」」」
喜んで貰おうとするイリスさんを私とクイナさんで封殺する。 みかんの二の舞は勘弁だ。
「そっかー食べたくなったら言ってね!」
そして果樹園をみんなで周り樹くんとやらが居る薬草園にたどり着いた。
「樹くーん! お客様だよー!」
「客?」
しゃがんで畑で土を弄っていたらしい。
花純さんの声で振り向く少年。
中学生? それとも高校生くらい?
サラッサラの黒髪の可愛らしい男の子が居た。
「樹ー久しぶりー!」
「見学しにきたよ」
「食いしん坊パーティーか。また果物か?」
軍手に着いた土を払い立ち上がる。私よりも背が低い。
「そうだよー!この間の全部なくなっちゃった」
イリスさんが明るく言う。 ……それってもしかしなくても私が巻き上げたやつ?
「ずいぶん量あったけど食い過ぎじゃないか……? まあ良いけど。 今日は何が良いんだ?」
「そうだねー、ベリー系は欲しいなーザロクも! あ、後今日はブブの実の亜種貰える?」
「葡萄な。 これはまだダメだ」
「まだダメなんだ」
イリスさんとクイナさんは残念そうに肩を落とした。
「んで、そっちのは何が欲しいんだ?」
樹さんとやらがこっちを見た。
「私にも売ってくれるの?!」
「いいよー!」
「単価教えて!いっぱい買う!!」
そう言ってキロあたりの単価を教えてもらった。
1キロ銀貨1枚だ。 果物だからかな? ちょっと割高な気がする。
図らずもハンスさん達から買い取った金額と同じ単価だった。
「そうだ!果物狩りしていく? この籠分で銀貨1枚だよ」
花純さんに網籠を見せられ尋ねられた。
「果物狩り? 楽しそう。 採るのはなんでも良いの」
「良いよー実ってるやつならなんでも!」
「葡萄も?」
「今ならデラウェアなら取れるよー!」
「いいの!?」
「おい!」
花純さんの言葉に慌てて止めようとする樹さん。
「良いよー!」
「「「やる!」」」
葡萄の許可も貰ったので樹くんが止めに入る前に三人で果物狩りをした。
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