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第二章
93話目 スタンピード2
「ネーアの街が大変らしい」
通信の魔道具を作った日、相良さんをマッヘンさん達の所に残し宿に戻るとそんな事をハンスさんに言われた。
「大変ってなんですか?」
「今度来た渡り人の事? 見つかったの?」
「暇すぎて大変?」
「そうじゃない!」
クイナさんとイリスさんと一緒にハンスさんに問うと違うと一蹴された。
「スタンピートが発生したらしい」
その言葉に各々顔を見合わせる。
「いつもの事じゃんかー」
何を今更と言った感じで笑うイリスさん。
その様子に真顔になるハンスさんとユリウスさん。
「……なんかあったの?」
二人の様子に流石にただ事ではないと居住まいを正した。
「今日冒険者ギルドに行ったら……」
とハンスさんが話し始めた内容を聞いて皆言葉を無くした。
フォレストウルフやゴブリンの集落が出来て殲滅するまでは順調だった。
その数だけでも通常のスタンピートの何倍もの量だったらしい。
殲滅が完了した段階でスタンピートは終わったものだと結論付けられた。
問題はその後、ゴブリンの死骸を片づけている間に発生した。
死骸を片づけている冒険者が異変を察知し見上げるとヒポグリフの群れが空を飛んでたらしい。
空を飛べる魔獣は総じてCランク以上ヒポグリフに至ってはBランク。
その場にいる冒険者では太刀打ちできずに街へ撤退したらしい。
街の壁からヒポグリフに対応している間に森から魔獣が溢れ今ではネーアの街は少なくとも数千の魔獣に囲まれているとの話だ。
今も森の奥からじわじわとその数を増やしているらしい。
「……うそ」
「今までそんな話聞いたことないよ……」
「本当の話だ」
その後は皆黙ってしまった。
王都に来る間魔獣なんて見たことなかったのでいまいちピンと来ない。
「……あの、道中倒したレッドボアでランクはどれなんですか?」
「レッドボアでランクDだ」
ハンスさんが答えてくれた。
D……。
あれでDランクなんだ……。
「今取り囲んでる魔獣のランクはどれくらいなんですか?」
「分からない。 キラーアントの目撃情報もあるからAランクの魔獣も出現してる可能性はある」
Aランク……。
「……どうすんの?」
イリスさんが声を上げた。
「ネーアの街大丈夫なの? なんで街に魔獣が来てるの? 魔道具設置されてるんでしょ? 大体そんな襲来耐えられるの?」
「イリス……大丈夫よ、きっと。 だってネーアの街だって冒険者の数かなり居るのよ? 悔しいけどシリウスのパーティーだって居るし……きっと大丈夫よ」
「傷は神官だって居る。 重傷者は灯里が治せる」
クイナさんもユリウスさんも自分に言い聞かせるようにそう言った。
「今から行って役に立つか分からないがネーアの街に行こうと思う。 今から足りない馬を調達してくる。 依頼を受けている最中なのは重々承知だが……悪いが幌馬車なんてひかせてる余裕は無いから馬に乗れない桜は相良さんとこのまま王都に残っててくれ。 皆いいな」
「「「分かった」」」
「……うん」
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