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第三章

125話目

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「幌馬車の改装?」

相良さんのお店に行き作業場でマッヘンさん達と打ち合わせだ。

当の本人はお店に出ているので今居るのは私含め4人だ。

「はい。 カタログギフトがネーアの街で使用してはダメとなったので人がいない場所に行く必要が出たじゃ無いですか。 だから持ち運びできる家というかそんなのを作りたいなって思ったんです」

「なるほどな」

領主からの提案は領主監視下でのカタログギフトの使用。

別な場所に移動するって案もあった。ただそのために移動や調査、使用後のスタンピートの調査、帰還日数を考えると最低でも1ヶ月はかかる。

そしてスタンピートに備えるだけの人数も必要だ。 それに伴う資材も必要だ。 とてもじゃないが現実的では無い。

この街で使用するならスタンピート前の調査も使用後の調査もしやすい。

という訳で領主の仕事が落ち着き次第連絡が来て行うことになった。

……それはそれとして、私達が勝手に使う場合は街では使用できない。

魔獣は相良さんがなんとかできるとして、他の人に迷惑がかからない場所に行かなくてはならない。

良さそうな場所として野営場所を教えてもらった。

その場所はこの街から馬車で一週間ほど行ったところにある。

この間行ったヴェルジュの村の先にある分かれ道の右側を突き進んだ先だ。

ちなみにその分かれ道の左がこの間王都に行った道になる。

行ってからカタログギフトを使用してスタンピート発生までタイムラグがあるからその間ずっと野営場所にいなくてはならない。

ならば出来るだけ快適に過ごしたい。

そのためには持ち運びできる家が欲しい。 なんなら作ってしまえば今後野営はずっと楽になるもの。

「まずは移動用のにサスペンションをつけるか。 クッションがあってもあの振動は辛い」

「サスペンション? 鋼が馬車の中で作っとったやつか」

移動の際酔ったのか苦い表情を浮かべる倉敷さん。

「ああ」

馬車の中でサスペンション作り? あんなところで加工できるの?

「楽しそうだね。 移動用はみんなで作って、就寝用のは各自コンテナハウスみたいなの作るの? 家具は桜さん出してくれる?」

「コンテナハウス良いですね! 家具はもちろん出しますよ!」

「ワシも作って良いのか?」

「もちろんですよ! あ、幌馬車どうしましょう? 自分用のはこの間買ったのであるんですが……」

「古いのは一つはあるが人数分はないのう……」

何せ借りたぐらいだしのと困ったように話すマッヘンさん。

「爺さん桜に売れば良いだろ」

「そりゃそうじゃな」

倉敷さんの話にとたんに元気になった。

複製するならば改良してからじゃいと言いマッヘンさんは張り切って外へ行ってしまった。
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