異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ

文字の大きさ
175 / 274
第三章

175話目

しおりを挟む

「情報料? 通信費だけですよ」

「通信費?」

「情報の伝達料金です」

「今フルーツビールの作り方を検索? しましたが、その作り方を見たら開発者に料金が支払われるのですか?」

「これの開発者ではなく、この端末の回線の運営会社に支払われます」

「回線の運営会社?」

「はい。 回線会社じゃなく通信会社ですね、言葉を間違えました。 失礼致しました」

「それはどちらでも……仕組みがいまいち理解できません。 通信と回線は違うんですか?」

「えーっとですね……」

私もそこらへん良く分からないよ、だって通信料でお金払ってるんだもん。

「私も仕組みを理解してません、申し訳ありません」

「ふむ……製作者の秘密なんですね」

なんかイーノス様都合よく解釈してくれた?
あ、あっちでいう魔道具のレシピとかそういうのと混同して考えてくれたのかな? もしかして。
もういいや、そう言う事にしておこう。

「お役に立てず申し訳ありません」

「分かりました、ありがとうございます」

私とイーノス様の問答が落ち着いたら今度はオリヴィア様から続きの質問が来た。

「フルーツビールの作り方見てもいいかしら」

「はい、良いですよ」

オリヴィア様に見せたページには作り方が載っている。
私も良く知らなかったので一緒に学んでいった。

まずは種類、ビールの発酵後に果汁を入れて作る物とビールの発酵前に果実を入れる物がある。
前者はビールを果汁で割る感じで、カクテルとかサワーとかそんな感じなのかな? あ、ビアカクテルって書いてあった。
後者はビールのベース麦汁に果物を加える。
後者の説明を見るとなんだか美味しくなさそう……。 後者だとホップの苦みと加えた果物の苦みが足され、麦汁の糖度と果物の糖分が足され、そんでもって果物の酸味が足されるみたい。
ナニコレ、なんだかドリンクバーの全部混ぜみたい……。
その分美味しいものが出来た時の感動はひとしおだとか。 あっちの世界には時間経過の魔道具があるし、こっちの世界にない果物があるし、時間があるとき試してみても楽しそうかも。

それは置いておいて、オリヴィア様には前者の方が良いかもしれないなと思った。

「エールの作り方はこうなっているんですね。 私存じ上げません、とても勉強になりますね」

一緒に画面を覗き込んでいたオリヴィア様からそう感想が漏れた。

「……この知識の中にはウィスキーもあるのか?」

「ありますよ」

「……なるほどな」

アルフォート様からそう質問されたので返しておいた。 ウィスキーって確かオーフェンさんが作るって言ってたやつだよね。 やっぱり興味惹かれてたんだね。

そこから先はまたイーノス様からの怒涛の質問攻めにあい、それは深夜にまで及んだ。


しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...