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第一章 始まり

7話目 モニュメントと疑惑

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「さて、ステータスの確認しようかな」

リビングでテレビをつけて流し見しつつステータスを開いた。

「称号のことは置いておいて、ステータスがアンロックされましたって聞こえたけどなんだったんだろう? アンロックされたからステータスが表示されたのかな? レベル表記されてるけど……ってもうレベル12になってる。 MPもずいぶん増えたね60くらい増えたのかな? って事は1つ上がることにMPが5増えるって事か」

ふむふむとあまり理解してないが理解した風にして頷く。

「ステータスポイントって何だろう? あ、振り分けられる。 MPには直接振り分けられないみたい。 って事はMPを上げるなら魔力に振るの?」

ステータスポイントと呟いたら『どこに振り分けますか?』 と声が聞こえた。
MPと呟くと返答がなかった。
魔力と呟くと『いくつ振り分けますか』 と声が聞こえた。
試しに一つ振り分けたらMPが5増えた。

「残り11ポイントか。 ……なんだかもったいないから取っておこう……かな?レベル上がらないともらえないんだよねきっと」

残りの11ポイントは必要に迫られていないので置いておくことにした。

「にしてもMPが増えたから一杯使えるね!! これは適応が捗るな」

庭の草むしりはこの一カ月小まめに抜いたせいで雑草が無くなってしまった。
最近では早朝、日の出が早くなってきたので近くの公園に草むしり遠征に行っている。

おかげで犬の散歩をしている人と顔見知りになったりした。
近所の柴犬コジロウが一番のお気に入りだ。 私を見かけると一生懸命こちらに来ようとする姿がとてもかわいい。 相思相愛だね、とても嬉しいよ。 飼い主の女性も優しそうな人で会話するようになったし。

でも悲しきかな……公園の草むしりももうちょっとで終わってしまう……。

次の遠征先を見つけねば。 いつも行っている公園の少し先に大きめの公園があったよね、次はそこに行こうかな。

そんなことを考えているとふいにニュースが気になった。

今日の注目ニュースが流れ、話題は昼間の霧についてだった。

「一瞬だけ真っ白になった霧? あれなんだったんだろう」

ステータス画面を一度閉じてニュースに目を向けた。

「……学校周辺だけじゃなかったんだ。 え? 全国でなの?」

ニュースにはツブヤイッターの呟きもまとめられていた。
それによると私が住んでいる県だけでなく、全国で同一時刻で同じ現象が見られたと報じられていた。

「全国一斉ってテストかなんかかな? って違う違う」

それと同時に私も知らないことが報じられた。

『関連は不明ですが同様のモニュメントが見られるように……』

「モニュメント?」

食い入るようにテレビを見つめる。
テレビ画面には駅前に現れた門のようなモニュメントが映し出されていた。

『こちらのモニュメント、大きさは私の背丈よりも高く、おおよそ3m程の高さでしょうか? 横幅は2m程の大きさで両開きの扉のようになっており……』

「えっ? なにこれ」

『現場からの中継は以上です』

『現場の加藤アナありがとうございました。 こちらのモニュメントのような物は全国各地から目撃情報があり……』

と続いた。

興味を惹かれてスマホを手に取りSNSを検索した。

「モニュメント、モニュメント……と。 あった。 本当だ、沢山出てる!!」

トレンドには霧、モニュメント、門、駅前、ダンジョン、異世界来た。 等モニュメント関連と思わしきワードが軒並み上がっていた。

「ノックしてみた、入れなかった、並んで写真撮ってみた、異世界なう……なにこれ楽しそう」

全国各地に現れた門のようなモニュメントの周りには人が溢れ、SNSはバズリにバズっていた。

「異世界っぽい!! 近くにあるかな? 見てみたい!!」

既にモニュメントの目撃情報をまとめたサイトも出来つつありそれを眺めていた。
そしたらスマホが鳴った。

「あ、お姉ちゃんだ」

通話ボタンを押した。


「もしもし、優奈?」

「はーい、もう分かったの?」

「ごめん、本籍地じゃなきゃ取れなかった。 住民票は子としか書かれてなかったんだ。 だから今からそっちに行く。 母さんに直接聞いてみようと思う」

「直球で聞くの?!」

「モヤモヤするの嫌だし、父さん電話に出ないし、付き合わせて悪いけど優奈も一緒に聞こう」

もしかしたら私達養子かもしれないのか……。
でもお姉ちゃんにも出たって事は私とお姉ちゃんは姉妹で変わりないよね。

あれ? ラヴァルザードの孫だから……お父さんもしくはお母さんが養子の可能性もあるのか?

パターンとしては父か母のどちらかが養子だったら私たちはお父さんお母さんの子供。

私達姉妹が養子の場合は別にラヴァルザードって人の子供の父と母がおり私とお姉ちゃんがその人の子供と言う二つの可能性があるのか。

祖父母のどちらかがラヴァルザードさんと結婚してて、離婚せて連れ子で再婚の可能性もあるのかな?

……いっぱい可能性があるなぁ。

「うーん……。 分かった。 一緒に聞く、お姉ちゃん何時ごろになるの?」

「もうちょっとでそっちに着くよ」

「はやっ!! お姉ちゃんいっつも行動早いね」

「考えてる時間がもったいないの、あ、着いた」

「え?! もう?!」

そう会話すると玄関からガチャッと音が聞こえスマホと外と音声が二重で聞こえるようになった。

スマホの通話ボタンを切り玄関に向かう。

そこには久しぶりに会った姉の姿があった。
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