高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。

マーチ・メイ

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第一章 始まり

12話目 トレンド

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「……お姉ちゃん」

「……みなまで言うな」

草はそれぞれの個性を持って成長していった。 背丈が伸び、葉が増え、花が咲き、実を付け、そして枯れた。

「お姉ちゃん」

「……ごめんって」

「褒め言葉を撤回します」

「なんで?!」

「……なんちゃって。 撤回なんて嘘だよー。 ありがとうねお姉ちゃん」

いつも自信に溢れてる姉の慌てる様子が可笑しくて思わずからかってしまう。

別に枯れたぐらいなんてことない。
だって枯れた植物からは、植えた時の倍以上の種が採れた。
なのでこれはこれで良しだ。

「ごめんね、私も把握し切れてなかった」

「それで、どう? 何か分かった?」

「なにかって? ……あぁ、やっぱりこっちの土だと成長しないっぽいね。 選択肢に表示されなかったよ」

「そうなの?! それだけ分かれば十分だよ、ありがとう!!」

これで種を無駄にしないで済むもんね。

「なんでだろうね? まぁ在来種に影響無さそうで良いんだけどさ。 不思議だね」

「在来種……!! ソウダネ、エイキョウナサソウデヨカッタネ」

「……優奈? あんたまさか考えずにやってたの?」

「……うん」


「……はぁ、これから気を付けてよね。 ただでさえわけわからない事だらけなんだから」

「……分かった」

じと目でこちらを見てくる姉。 盛大な溜息を吐くと両手で柏手を打った。

「反省したら切り替えね。 今採れた種植えてみようか。 優奈のスキルまだ検証できてないのあるんでしょ? さあやるよ」

「あ、ありがとう」

姉のスキルの練習がてらお昼まで二人で検証した。


「じゃあ、バイト行ってくる」

「うん、いってらっしゃい」

午後になり姉がバイトに行く時間になった。
シロを抱え玄関でお見送りを済ませる。
閉じるドアを見て考える。

午後から私は何をしようかな。
結局お姉ちゃんに手伝ってもらっても抽出できるくらいの草は用意できなかった。

というか用意できなかったのか、それともその草には抽出する物が無かったのかは不明のままだ。

そして私もMPが尽きた。

「……そうだお昼寝をすればいいんだ」

MPが無いなら回復すればいい。
丁度暇になったしドアの鍵を閉めてアラームをセットしてお昼寝をすることにした。


アラームが鳴り寝ぼけ眼で目覚ましを止める。

「よく寝た。 あ、シロも起こしちゃった? ごめんね」

ベッドの傍らでじと目でこちらを見るシロに謝る。
そしてステータスを見て回復しているのを確認した。

「んー……よし。 花壇の土を変えるか」

ベッドの上から起き上がるとジャージに着替えて庭に出た。
姉が手伝ってくれたお陰で普通の土を残しておく必要がなくなった。
ならば全部変えちゃおう。

「『適応』」

花壇の土をディトルグ国の物に変える。

……そう言えば下の土ってどこまで変わってるんだろう?

興味が湧いてきて、暇だしやってみるかと物置からスコップを持ってきて色の境目に突き立てた。
元の土の方を掬い別な場所へ置く。

10cm、20cm……。

「そこまで深くは変わってないのか」

色が変わってたのは大体靴一個分くらいだ。
私の靴のサイズが23cmだから約25cmってとこかな?

草だから影響ないのかな? これが木だったら育たなくなるのかな?
ふむ、と考えるが答えは出ない。

「そん時考えればいいか」

取りあえず草だからこれくらいの深さで十分だよね。
花壇全体をディトルグ国の物に変えていった。

「そろそろ夕飯の支度しようかな?」

服に着いた土を払い、スコップを物置に戻し、母と姉が帰ってくる前に準備準備とキッチンに向かった。


夕飯の準備が終わりソファーでくつろぎSNSを見るとトレンド入りしているワードに目が釘付けになった。

……『ダンジョン』 ?

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