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第一章 始まり
24話目 スライム祭り
しおりを挟む「緊急特番? え? 何があったの?」
慌ててスマホの電源を入れる。
アルバイト中邪魔なので電源を切っていたからだ。
「うわぁ、何この不在着信」
スマホの画面には不在着信57件と言う文字が映っていた。
「メッセージも来てる。 ……え?」
そこには安否確認の学校からのメッセージと母からのメッセージ、すーちゃんやあーちゃん、姉からも届いていた。
「安否確認? ……なんで? 地震とかなかったよね、雨も降ってなかったし、台風だって来てないし?」
意味が分からず首を傾げた。
そして姉からのメッセージで事態を把握した。
「……スライム祭り発生中? 」
姉からのメッセージは以下の通りであった。
『スライム祭り発生中。 スライム祭り発生中。 これは訓練ではない。 足元には注意されたし』
「……」
バッと顔を上げニュースの生中継をよく見た。
そこにはあの動画にあった透明なスライム状の物が写り込んでいた。
「スライム祭り発生中!!!!」
発生してる!! めっちゃ居る!! 凄い!!
「ぽよんぽよんしてる!! 可愛い!!」
ひゃーとテンションが一気に上がった。
そして我に返って学校、母、友達のメッセージに安否連絡をした。
すかさず姉に電話した。
数コールで姉につながる。
「お姉ちゃん、スライム祭り……」
「発生中!!!!」
元気な姉の声が響いた。
「お姉ちゃん大丈夫そうだね」
「私は今大学。 近くで発生したっぽい、優奈そっちは大丈夫?!」
「大丈夫だよ。 アルバイトだったけどお客さん少なくて今さっき帰ってきたところ。 帰り道も遭遇しなか……もしかして踏んでたのかな?」
「可能性は無くはない」
「どうしよう、アイテム確保に行きたい!!」
「待って、アイテム確保は私がする。 それよりもお母さんは? 帰って来た?」
「今安否の返信したところ。 お母さんはまだ帰ってきてない」
「そっか。 もしかしたら今日遅くなるかもね、線路にも迷い込んでるみたい」
「そうなの?! 明日学校行けるかな?」
学校に行くには電車で行かなきゃいけない。 徒歩だと何時間かかるかやったことが無いから分からないもん。 ……走って行けばいいのか? それならなんとかなる……か?
「その心配?! まぁなるようにしかならないんじゃない?」
「そうだね……そうだ。 お姉ちゃん」
「ん? 何?」
「スライムどう? 強「弱い!!」」
「そ、そうなの?」
「だけどいっぱいいるから経験値が美味しい。 スライム倒してたらレベルが3つ上がったよ」
「そうなの?! 凄いね」
「そんで踏み心地が……癖になる」
「駄目じゃないそれ?!」
姉が何かいけない方向に行きそうだ。
妹として止めなければいけないのかもしれない。
だが電話では止められない。 なんて無力なんだろう。 そう心の中で思った。
「……優奈、今なんか失礼な事思わなかった?」
「ナニモオモッテナイヨ」
「ならいいけど。 私スライム祭り続行中だからそろそろ切るね。 優奈も気をつけてね」
「うん、お姉ちゃんも気を付けて、またね」
そして電話が切れた。
姉は果たして道を逸れずに済むのだろうか。 私はそれだけが気がかりだった。
「まあお姉ちゃんは置いておいて、これどこで発生なんだろう。 県内? 全国? 世界各地?」
SNSを検索する。
どうやら回線は生きている。
当たり前か。 回線が死んでいたらそもそもメッセージは来ないし電話も出来ない。
「電気も無事……だけど一応スマホ充電しておこうかな」
それからいつ電気が落ちるか分からないから懐中電灯と断水に備えてお風呂に水もためておいた。
乾電池どこに仕舞ってたっけかな? と家の中をウロウロする。 何とか見つけてリビングのテーブルの上にまとめておく。
そして空のペットボトルを洗いそちらにも水を入れておいた。 水大事!!
自室から充電器を持ってきてリビングで充電しながらテレビを見た。
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