高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。

マーチ・メイ

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第二章 変わりゆく日常

29話目 鑑定の検証

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「見えた……」

「本当に?」




ことの発端は政府による職持ち一網打尽の話からだ。

あの後寝る前に二人でベッドの上でゴロゴロしながら話し合った。


「どうやって見分けたか、だよね」

「そしてどこまで、見えるのか」

私が鑑定した時はこっちの物は鑑定できなかった。 こっそり母を鑑定しても同様だった。
とすると鑑定士みたいな職業があるのかもしれない。

「自衛隊がダンジョンに先行しているから、そこから出たアイテムかもしれないわね」

「不思議アイテム? 気になる!!」

「優奈の鑑定は人は出来なかったんだよね」

「うん、お母さんを鑑定しようとしたら出来なかった」

「私は?」

「え?」

姉がにこりと微笑む。

「優奈の鑑定って、適応した物の鑑定が出来たんだよね」

「そうだよ」

「なら私は?」

「え?」

「ほら、鑑定」

「う、うん『鑑定』」

すると姉の上に名前とレベルが出てきた。

「出た!!」

「うそ?!」

「本当だよ、名前とレベルが出てる!!」

「レベルも?」

「お姉ちゃんレベル21になってる。 いつの間に!?」

「頑張ったの。 姉の威厳を保つために頑張ったの!!」

「……でも職業は分からないや、ステータスも」

「そうなの? それはそれで助かるね」

それからスマホので現在配信中の動画を片っ端から見て鑑定をかけてみた。
動画だから駄目なのか、単なる職持ちではないのか分からないが、鑑定することはできなかった。



翌日日課の草むしりを行い種の確保に勤しむ。
夏の朝は早い、春先に見かけなかったランニングする人達を最近見かけるようになった。
夏だからかな。 ダイエットかな。 頑張るねと鑑定を掛けつつ温かい目で見守った。

ちなみに頑張って集めた砂鉄は適応で屑鉄になった。 そっからの変化はまだまだだ。

朝の9時。
母はとっくに出勤していった。
姉はまだ起きてこない。 よほど昨日の特訓が大変だったんだろう。

「おはよう」

「お姉ちゃんおはよう」

「今日は私午後からアルバイト行ってくるね」

「はーい、私はお昼からアルバイトだった」

姉が遅い朝食を食べるなか、草むしり中の鑑定結果を話して聞かせた。

「一人も居なかった……?」

「うん、居なかった」

姉が大きな口を開けてトーストを齧ろうとしていた姿のままこちらを見返してくる。
そうだ。 草むしり中鑑定出来る人が居なかった。

「えっと……つまり……たまたま居ないのか、めっちゃ少ないのか、距離なのか、接触なのかどうなんだろうね」

「意外と条件沢山出てきたね」

「考えながら喋ってたら思いのほか出てきた」

あははと笑いながら、姉がトーストを咀嚼し飲み込む。

「よし、優奈、まずは私で実験だ。 私はここでトーストを食べる。 優奈は離れて私を鑑定だ。 触って鑑定したり色々と考えて検証みてちょうだい」

頬にトースト屑をつけたまま、いい笑顔で姉はそう言った。

「わか……ん? う、うん? 分かった。 お姉ちゃんは?」

「私は、ここで、トースト、食べる」

丸投げされた……だと?

呆気に取られ、頬を掻く。
暇してたし……いいかと、腑に落ちないながらも姉から言われたように検証し始めた。






「つまり、顔が認識出来たら鑑定は出来たのね」

「うん」

検証の結果、触って鑑定したら職業も見れた。 非接触の場合、鏡越しでも窓越しでも鑑定は出来た。 出てきたのは名前とレベルだけ。
動画に撮って再生した物は鑑定できなかった。 ビデオ電話も同様だ。

「てことは今日すれ違った人たちは職持ちではないってことか」

「それなりに見たんだけどね」

どうやら職持ちは少ない様だ。

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