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第三章 進路とダンジョン攻略
74話目 情報
しおりを挟む姉の帰宅から数日後今日は学祭もオープンキャンパスもないお休みの日だ。
姉も今日は休みらしくお昼近くまで爆睡している。
私は日課の草むしりをしひとっぷろ浴びて朝食を済ませた。
リビングでテレビを掛けながらスマホを弄ってゴロゴロしているとテレビからダンジョンに関するニュースが流れた。
最初は意味が分からずぼーっと眺めていたがそれが、実際の映像だと理解するとガバッとソファーから飛び起きた。
そして姉の部屋へと階段を駆け上がる。
「ダンジョンボス!! お姉ちゃんお姉ちゃんダンジョンボス出たの!?」
それは大きな二足歩行の牛っぽい見た目の魔物だった。
巨大なハンマーを両手で持ち振り回していた。
「ふがっ?! 敵襲?!」
姉の部屋の扉を勢い良く開けて姉に詰め寄る。
声をかけて起きた姉は何が何だか理解が追い付いていないようだ。
「ここ……家? あれ? 優奈? おは……よ……んー……おやすみ」
「寝ないでよお姉ちゃん!!」
一度開いた姉の目が再び閉じる。
そのまま寝させてたまるかと姉の両肩に手をやり勢いよく揺さぶった。
「うえっ……うっ……優……ストッ……うぇぇぇぇえっぷ」
姉の顔色は青くなっていた。
「吐くかと思ったわ」
リビングに移動し、姉にソファーに座ってもらう。
「はい、お水」
「ありがとう」
水が入ったコップを手渡すと姉はそれを一気飲みした。
「――っぷはぁ」
「それでそれでダンジョンボスって何?!」
姉からコップを受け取り流しに置くと姉の隣に腰を下ろした。
「ダンジョンボス? ……あぁアレか」
私の問いに首をかしげる姉だったが、テレビから流れているニュース映像を見て納得した様子を見せた。
「あれはダンジョンボスじゃないよ。 階層ボスって感じかな? ……ニュースになってるって事は話してもいいのか? ちょっと待ってね」
姉は自身のスマホを弄り検索を掛けた。
「……どうやら10階までの情報が公開されたようだね。 ならいいか……あれの名前は分からないけど10階に居た階層ボスって感じかな。 1階から9階までは迷路のような造りになってたんだけど、10階は扉が付いた一部屋だけだったの。 そこに居たのがアレだね」
「ぉおお!!」
ってことは10階ごとにボスがいるのかな?
強さはどの程度? お姉ちゃんが無事って事はそんなに強くなかったのかな?
「最初に見た時はビックリしたけど……まぁ……なんやかんや無事に倒せました」
「はぐらかし方っ!!」
テレビに流れていたのが姿だけだったので戦い方法やどうやって倒したのかは濁されてしまった。
気になるよ!!
それから姉はお昼ご飯を食べてスマホを弄りのんびり過ごしていた。
私も私でスマホを弄りつつのんびりしていた。
そう言えば海外のダンジョンはネットで調べた方が良いって言ってたな。
そう思って、「海外、ダンジョン、出現」と検索ワードを入力し調べてみた。
そして出てきた検索結果に眉を顰めた。
「お姉ちゃん」
「んー」
「海外のダンジョンの検索した?」
「してないよー優奈検索したの? どうだったー?」
「んー……何にも出てこない」
「何にも出てこないの?」
「うん、いや、出てくるのは出てくるんだけど……」
「ん? 出てくるの? 出てこないの? どっち?」
姉はスマホに集中していた顔を上げて視線をこちらに寄越した。
「なんかさー……結果というか報告動画が無いんだよね」
「報告動画?」
「うん、今からダンジョンに潜るぞーとか、これが新しく出てきたダンジョンだーって動画はあるんだけど中の様子を映したものや行ってきたよっていう報告動画が無いの」
「報告ってそういう?」
「うん」
こんなに話題になっているダンジョンだ。
それこそ新しく出てきたダンジョンの内部動画なんてものは再生回数がかなり見込まれるはず。
それなのに数週間音沙汰無しっていうのはどういう訳なんだろう。
「日本には「2」のダンジョンってあったっけ?」
「出てないはず。 少なくともニュースは見てないよ」
「難易度が上がった?」
「なのかな? じゃあ中に入った人たちは?」
「出てこられなくなったのか、出られなくなったのか……」
「……」
ランクがどれだけ先まであるのか分からない。
少なくともそれより下だと思われる現在日本にあるダンジョン。
それでもスタンピードらしきものは発生した。
なら「2」のダンジョンでも発生する確率はある。
戻らない人々そこから繰り出されるスタンピードでは何が出るのか……。
一抹の不安がよぎった。
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