『妹』ってすごい…!

ツノノコ

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第一話 プロローグ

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「平和」っていいですね~

木漏れ日が綺麗な学校の中庭
目を閉じて耳を澄ませば鳥のさえずりが聞こえるほど穏やかな日。  5時間目。

いや、違うんだ。別にサボろうとして、サボった訳ではない。昼休みにいいところがあったんでそこに横になっていたら寝てしまっただけなんだ。うん。よくあることさ!

ところで聞きたいんだけど…なんで誰も起こしてくれなかったんだろう。あれ?俺嫌われてんのかなぁ…?

「…ん。お兄ちゃん…」

「…ん。こうにぃ…」
理由がわかった。この子達のせいだ。いや、せいと言うのは良くないな!この子達のおかげだ。自分で言うのもなんだが、この景色を見てそれを壊そうだなんて考える奴は多分この世界にはいないだろう。多分…

今の状態は、右手に妹。左手にも妹。の状態である。
右手の妹は、双子の姉の華凛《カリン》 中学二年生だ。左手の妹は、双子の妹の花蓮《カレン》 同じく、中学二年生だ。
あ、そうそう。なんで学年の違う俺達が同じとこにいるかというと、それはこの学校『神宮学園』が中高一貫校であることが原因である。

まぁ、それはいいとして…そろそろ授業に行かないとダメな気がしてきた。
二人も起こさなくては…
今二人は、俺の横で俺を挟むようにまるまって寝ている。全くこの二人はなぜこんなにも穢れなき姿で寝られるのだろう…やってることは多分穢れきっているのに…

「お~い、華凛、花蓮。そろそろ授業に行かないと先生が来るぞ~」

「ん…?ふぁ~お兄ちゃんおはよ~」

「あぁ、おはよう華凛。そろそろ授業行かないとな。お~い、花蓮。起きろ~。」

「んん…?ふぁぁ~こうにぃ?…うるさい…ふぁ~おやすみ…」

「え~ちょ、おい。起きろ~花蓮~。」

俺は、力の入りすぎないように考慮して、花蓮のほっぺを掴む。そして、ぐねぐねする。

「ふぇ…?ちょ、こうにぃ~やめてぇ~起きる、起きるからゃ~」

…………

「もう!こうにぃのバカ!」

目の前の起きた二人を俺は正面から見る。

「お前ら…本当に似てるな。」

(あれ?俺は何を言っているんだ)

「何言ってるの?お兄ちゃん…当たり前でしょ?双子なんだから」

「そうだよこうにぃ、何言ってんの?」

(本当だよ。何言ってんだ俺は)

「あ~いや。ごめん、なんでもない。あははっ!さぁ!早く授業に戻らないと怒られるぞ~」

「とかいって、ここから一番遠いのこうにぃの校舎でしょ!早く行かなくていいの?」

(あ、そうじゃん…やばい!)

「やばい!じゃ、また後でな!放課後、校門前で!」

「は~い!またね~お兄ちゃん!」

「わかったよ、早く行きなさい!こうにぃ!」

その言葉を背に俺は、俺の校舎に向かって走る。空は、蒼く。雲は、散り散りに。太陽はいつものように僕らを照らす。

校舎に入り、階段を登り二階。

俺は、この日常が好きだ。
俺は、この平和が好きだ。
この何気ない雰囲気が好きだ。

なのに、なんでかなぁ…

俺は、階段を駆け上り二年B組のクラスの戸を開ける…

「すいません!中庭で寝てて遅れました!」

なんでかなぁ…

クラスからの返事は、無かった。
返事の代わりにとてつもない量の血の匂い。

クラスの中は、血で染められていた。
その中に、一人。ポツンとたっている。

(明らかにこいつは、おかしい…!)

そう、わかっているのに…今は、目の前の生きている命に助けを求めてしまう…

「あの…すいま  せん  これはどういう…」

その一人が振り向く。それで気づいた。
いや、気づいていたけど確信が無かった。
その確信を持ちたくなかった。

でも、持ってしまった。
だって、その一人が手に持っていたのが『生首』だったから。

「ふぐっ!うっ…アァァァァァ!!!」


なんでかなぁ…

なんでそう簡単壊れてしまうんだろう…


俺は、あの日常が好きだったのに…






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