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一緒に壊しましょう

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マルクは、どこからか牢の鍵を取って来ていたらしく、リアとキースを牢から出した。


「大丈夫ですか?それにその格好どうしたんですか?」
「背中の部分を破かれちゃって、」

と言いかけた所で、マルクがキースに手のひら程度の光弾を撃った。
キースはヒョイとかわし、光弾は壁にドンと勢いよくあたった。

「マルク!違うの!キースじゃなくてこれはレイドール侯爵がやったの!」
「レイドール侯爵が?」

リアは慌ててマルクを止めた。

「マルク、当たったらどうするんだ。」

(怒鳴ってないけどキース怒ってる?)

「当たらなかったからいいじゃないですか?」

マルクは淡々と言った。

「大体、少しスキが多いですよ。レイドール侯爵に服を破かれるは、キースと抱き合うは、なんて、クライスが見たら怒りで屋敷一つ壊しますよ。」

リアはごめんなさいと小さくなった。

「リアと俺を二人きりにしたレイドールが悪い。」

キースは悪気なくキッパリ言った。

「そんな事より!マルク、私とキースの背中を見てください!キースも服を脱いで!」  
 
リアは無理やり話を変えた。

マルクは二人の背中をじっと見た後、心当たりがあったようだった。

「植樹のシードです。少し色が違う気もしますが、樹を魔力で促進させて育てるシードです。人に埋め込めるなんて…」

マルクは驚いていた。

「樹を魔力で育てる?」
「そのままほっとけば樹が大きくなりますね。リアとキースから樹が生えるようになります。」

リアは呆然とし、キースはやられたと思うもマルクの言い方に呆れていた。

「マルク、リヒトはどうした?」

「キースの水柱が見えたので、潜入したらリヒト様を見つけました。リヒト様と来た護衛の騎士達も助けだし、彼らにリヒト様をお任せし屋敷から脱出しているはずです。」

リアはさすがマルクと思った。

「なら、俺達の話にのれ。」
「話?」
「おもいっきりこの屋敷を壊そうと思うの。」
「その話、乗りましょう。」

マルクはあっさり承諾した。

「レイドールは今地下のもう一つの部屋で実験か何かの準備をしてます。どうせろくでもないことでしょう。さっさと壊しましょう。」
「実験?」
「レイドール侯爵はシードの研究者です。」
「…私に準備が済むまでって言っていたわ…」

三人はリアに何かするつもりだと確信した。

「何をするつもりかは捕らえた後尋問すればいいです。」

「なら、決まりだな。やるか!」
「やるわ!」
「やりましょう!」

三人はおもいっきり暴れることに決定した。

レイドールは三人の様子に気付かず、実験の準備を着々としていた。
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