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彼女の心境……
第18話早すぎる夏休み……
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無事にテストも終わった……。
「じゃあ明日から夏休みだが、ハメを外しすぎないように!」
ついに来た!
待望の夏休み。
もはや俺は、この夏休みという幸福を味わうために学校に来ているといっても過言ではない!
さぁて……、今年の夏休みはどうやって過ごそうかな……。
明日から始まる夏休みに、俺はにやけずにはいられなかった。
「顔が汚いですよ、矢須君」
「いや、明日からくる夏休みのことを考えると、どうしても頬《ほほ》が緩んじまってな」
俺は矢木澤の何気ない罵倒も気にならないほどに、気分がよかった……。
「じゃあ次に会うのは一か月後だが、皆怪我などないように! では解散」
担任が帰りのあいさつをした瞬間、俺は走って教室を出る。
そして走って駅まで行き、電車に乗って、自転車で家に帰ろうとした。
「おおっと優太選手、今までで一番早いスピードだー! これはベストタイムが期待できます!」
自分でも意味不明なナレーションをして、すぐさま家に向かう。
「ただいま我が家、そしてさようなら学校」
「あ、お兄ちゃんお帰り! 今日から夏休みだよね?」
家に入って迎えてくれたのは、妹の万葉だった。
「ああ、お兄ちゃんこれから忙しいから部屋には来るなよ」
そういって俺は、自分の部屋に行った。
「よし、まずは見てないアニメを消化して、まだクリアしてないゲームをやって……、やることがたくさんだ!」
早速俺は自分の部屋に引き籠って、今まで時間がなくてできなかったことをやり始める……。
そんな生活を毎日送っていたら……。
「いち、にい、さん、よん……。いや、もう一度……」
「お兄ちゃん、さっきからずっとカレンダーとにらめっこして、何やってんの?」
「万葉、今日って何日?」
「えーと、八月二十八日だよ」
「うーん……」
「お兄ちゃんどうしたの?」
「俺の夏休みが、後二十日ほど足りない気がするんだけど……。万葉、お兄ちゃんの夏休み盗んだ?」
「なーにわけわかんないこと言ってんの? そりゃずっと自分の部屋に引き籠って、ゲームばっかしてたからでしょ? 現実を受け止めなよ!」
「嫌だ! こんな残酷な現実を受け止めるなんて、俺には無理だ! よし、これは夢だな……。お兄ちゃん部屋で寝てくるから」
俺はこの残り四日しかない夏休みを受け入れられず、現実逃避をすることに決めた……。
俺が部屋に行こうとすると……。
「プルルルル、プルルルル」
「お兄ちゃん電話鳴ってるよ? お母さんかな?」
「おい万葉、もしかしたらお兄ちゃんのお友達かもしれないだろ?」
「そんな可能性は0パーセントもないよ! もしもし」
0パーセントもないってどういうことだよ!
大体なんでこの子は人の電話に勝手に出ちゃうんですかね?
「え!? 花ちゃん! 久しぶり、元気にしてたー?」
花?
あぁ、矢木澤からの電話だったのか。
あいつが俺に電話とか珍しいな……。
何か用でもあるのかな……。
「あ、お兄ちゃん? 今代わるね。はいお兄ちゃん」
そういって妹から、俺の携帯を渡された。
「あーもしもし? 何か用か?」
「えぇ、ちょっと話したいことが出来たから、この後海崎駅に来てくれないかしら?」
え、話……?
なんか怖いから、正直行きたくないんだけど……。
「どうなの? 来れるの?」
「いやでも……。なんか用事があったようななかったような……」
「なに引き籠りの癖に、用事なんて言ってるの? 私がこの電話を掛けた時点で、あなたが来ることは決定してるのよ?」
「べ、別に引き籠りじゃねーし! ちゃんと学校行ってるし!」
学校行ってれば引き籠りじゃないよね?
確かにこの夏休み、家から出た記憶ないけど……。
「まあいいわ、それじゃあ一時に海崎駅集合ね。それじゃ」
そういって矢木澤は電話を切ってしまった……。
まあ別に暇だし行くか……。
俺は重い腰を上げて、外に出る支度をする。
「じゃあ明日から夏休みだが、ハメを外しすぎないように!」
ついに来た!
待望の夏休み。
もはや俺は、この夏休みという幸福を味わうために学校に来ているといっても過言ではない!
さぁて……、今年の夏休みはどうやって過ごそうかな……。
明日から始まる夏休みに、俺はにやけずにはいられなかった。
「顔が汚いですよ、矢須君」
「いや、明日からくる夏休みのことを考えると、どうしても頬《ほほ》が緩んじまってな」
俺は矢木澤の何気ない罵倒も気にならないほどに、気分がよかった……。
「じゃあ次に会うのは一か月後だが、皆怪我などないように! では解散」
担任が帰りのあいさつをした瞬間、俺は走って教室を出る。
そして走って駅まで行き、電車に乗って、自転車で家に帰ろうとした。
「おおっと優太選手、今までで一番早いスピードだー! これはベストタイムが期待できます!」
自分でも意味不明なナレーションをして、すぐさま家に向かう。
「ただいま我が家、そしてさようなら学校」
「あ、お兄ちゃんお帰り! 今日から夏休みだよね?」
家に入って迎えてくれたのは、妹の万葉だった。
「ああ、お兄ちゃんこれから忙しいから部屋には来るなよ」
そういって俺は、自分の部屋に行った。
「よし、まずは見てないアニメを消化して、まだクリアしてないゲームをやって……、やることがたくさんだ!」
早速俺は自分の部屋に引き籠って、今まで時間がなくてできなかったことをやり始める……。
そんな生活を毎日送っていたら……。
「いち、にい、さん、よん……。いや、もう一度……」
「お兄ちゃん、さっきからずっとカレンダーとにらめっこして、何やってんの?」
「万葉、今日って何日?」
「えーと、八月二十八日だよ」
「うーん……」
「お兄ちゃんどうしたの?」
「俺の夏休みが、後二十日ほど足りない気がするんだけど……。万葉、お兄ちゃんの夏休み盗んだ?」
「なーにわけわかんないこと言ってんの? そりゃずっと自分の部屋に引き籠って、ゲームばっかしてたからでしょ? 現実を受け止めなよ!」
「嫌だ! こんな残酷な現実を受け止めるなんて、俺には無理だ! よし、これは夢だな……。お兄ちゃん部屋で寝てくるから」
俺はこの残り四日しかない夏休みを受け入れられず、現実逃避をすることに決めた……。
俺が部屋に行こうとすると……。
「プルルルル、プルルルル」
「お兄ちゃん電話鳴ってるよ? お母さんかな?」
「おい万葉、もしかしたらお兄ちゃんのお友達かもしれないだろ?」
「そんな可能性は0パーセントもないよ! もしもし」
0パーセントもないってどういうことだよ!
大体なんでこの子は人の電話に勝手に出ちゃうんですかね?
「え!? 花ちゃん! 久しぶり、元気にしてたー?」
花?
あぁ、矢木澤からの電話だったのか。
あいつが俺に電話とか珍しいな……。
何か用でもあるのかな……。
「あ、お兄ちゃん? 今代わるね。はいお兄ちゃん」
そういって妹から、俺の携帯を渡された。
「あーもしもし? 何か用か?」
「えぇ、ちょっと話したいことが出来たから、この後海崎駅に来てくれないかしら?」
え、話……?
なんか怖いから、正直行きたくないんだけど……。
「どうなの? 来れるの?」
「いやでも……。なんか用事があったようななかったような……」
「なに引き籠りの癖に、用事なんて言ってるの? 私がこの電話を掛けた時点で、あなたが来ることは決定してるのよ?」
「べ、別に引き籠りじゃねーし! ちゃんと学校行ってるし!」
学校行ってれば引き籠りじゃないよね?
確かにこの夏休み、家から出た記憶ないけど……。
「まあいいわ、それじゃあ一時に海崎駅集合ね。それじゃ」
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俺は重い腰を上げて、外に出る支度をする。
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