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2章 活動の第一歩

同期コラボ④

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:やっぱりかw
:薄々わかってたけどえげつない
:これが冒険者の最上位か....
:エグ
:すごいな(笑)
:月収でこれかyw
:海上保安庁の予算の2倍超えてないか?w
:バケモンだろw
:すごいな笑
:やばすぎるw
:wwww

ーーー最高月収6420億。
それがソラが言った金額だった。1億以下の金額を切り捨てし、売却していないアイテムの資産価値は収入としてこの金額には含めていないのだ。
 資産価値は主観的な比重が価値を決める芸術品と似たようなものだ。収入とは言い難いのだ。

 コラボ配信のクライマックスには最適に下世話な金の話であったが効果は抜群だった。

 「...........」

  コラボ相手だったリンカはすでに消沈していた。
すでに資産運用だけで一生食っていけるにも関わらず冒険者を続けていることには誰も突っ込もうとはしなかった。

 「その分、税金は払ってますので収入の半分も手元には残りませんw」
 実際は税金や社会保険料によって引かれた金額よりも手元に残る金額は低い。
 それには、強者が弱者を支えるという冒険者社会の体質に起因する大きワケがある。
 冒険者専門の生命保険は冒険者ならば、誰もが利用している保険だ。初心者から上級者までもが等しく安い掛け金で加入できる。誰もが手頃な掛け金で補償を受けられるのだ。
 

 それに加えて、冒険者専門の生命は治療保険や怪我による休職保険、死亡保険なども兼ね合わせている。

 故に、赤字体質から抜け出せないという現象に陥ってしまっていた。

 そこに手を差し伸べる為に作られたトップ冒険者が結成した基金。この基金へ多額の寄付を行っているのだ。これこそが竹野青空という冒険者の強者としての勤めであった。

 クライマックスになりそうな最高月収の話題を最後に持ってきたため、すでにコラボで話す内容は終わってしまった。

:稼げば稼ぐ程、税金はやばい
つつみハナ(カートンズ1期生):後輩くんが圧倒的すぎる><
:さっきからリンカちゃん固まってない?
:税金乙
:www
:ハナちゃん降臨してて草
:ハナちゃんおるw

 ーーーどうやら【カートンズ】の大先輩がいらしていたようだ。

 「ハナ先輩ご視聴いただきありがとうございます!リンカさんハナ先輩がご視聴されているので早く現実に戻ってきてくれ」
 
 ようやくリンカの声が配信に戻ってきた。

 「えっと.....ハナ先輩、来てくれてありがとです。ちょっと驚きすぎて意識が遠のいていました」
 「驚き過ぎですよ~」
 「誰が聞いても驚くって!」

つつみハナ(カートンズ1期生):リンカちゃんに同意!

 コメント欄はハナ先輩の登場ですっかり盛り上がってしまった。
 アンチは嫉妬する意欲すら持てなくなっている様子だ。完全に別次元の人間として認識してくれたようだ。なにもせずとも勝手にアンチが消えて言ってくれるのはありがたい限りだ。

 「「それでは、今回のコラボ配信を終わろうと思います!これからもカートンズ第11期生の自分たちの応援をお願いします!」」

こうして、岩本リンカと宮野ソラの初のコラボ配信は終わったのだった。

___________

???視点

花園に紛れ込むことをバッシングすることは、すでに諦めていた。
あの男、宮野ソラは一流の冒険者だ。それは嘘偽りない真実なのだ。
あの男は投稿した動画によって、カートンズ内での居場所を外部に見せつけたのだ。

百歩譲って所属は認めよう。そう考えていた時、新たな爆弾が落とされた。
流石にコラボは許せない!
男は推しに男が近づく事が、言語化出来ないくらいの忌避感を感じた。

頭が指示を出すままに、コラボ反対のコメントを連打した。

そして突きつけられた。
ーー圧倒的な財力の差というものを。

もう、あいつは同じ次元の人間ではない。
もう .......

こうして一人のアンチが脱落更生させられていくのだった。
___________

作者です。第2章はここまでです。
第3章は“箱内コラボ”となります。ちなみに、リスナー側から見れば原○のようなMMORPGをプレイ画面の端でLIVE2DのVTuberが表示されているという形です。

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