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三章
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鎮めの儀式が行われるのは夏の間。それも四回。どうして四回も行うかというと、祈りを捧げる結界石が全部で四つあるからだ。山中に点在するそれら四つを回って、一回ずつ巫女様が祈祷を施す。そうすることで、霧の結界が弱くなっている時でも、封印が完全には解けてしまわないようになっていた。
ニナギは二回目の儀式も一回目と同様見学し、今はそれを終えて山を上がっている最中だ。
二個目の結界石は里から左回りに里をしばらく下ったところにあった。
巫女様の祈りは滞りなく捧げられ、儀式は成った。後はこれをそれぞれの場所で二回行うのみだ。その日取りは巫女様がまじないを行って決定することになるのだが、最近はそれがどうしてかなかなか決まらないと、朝食の場で父親がこぼしていた。
「山が静かなのは関係あるのかな」
山道を通って里の近くの道に出る。山道は歩くのに妨げになるような草を除けてあるだけで、たいして整えられてはいないのだが、里の近くまで来ると、人の手が入って傾斜も登りやすくなっている。
土を段の様に整え、段の端に木を組んで、石を置くことで、土が流れないようになっているのだ。古くなって木が朽ち始めると、里の誰かが気づいて補修しておく。ニナギとて、一番に気付けばちゃんと直しておくようにしている。
道の脇にある広葉樹の葉に少し力が無いように見えて、ニナギは思考を元に戻した。
山が静かなのは今に始まったことでは無い。霧開きの儀式をして、既に一つ月が過ぎようとしていたが、その前からずっと沈黙を守っていた。山は本来もっと生気があって鼓動が聞こえてくるような、生き物の息吹が感じられるような脈動を感じるものだ。
長年山を守ってきたニナギの一族には、個人差はあるが、それを感じ取れる能力があった。山に寄り添い、声を聞くことで、共に生きてきたのだ。巫女はその感覚を頼りに、儀式の日取りを決めたり、穀物の種をまく時期、収穫の時期を決めたりしていた。そうするほど、山の気配を感じると言うことは大切なことなのだ。
山が長いこと沈黙していては、それもままならない。だから巫女様が決めかねているのは巫女様自身の所為ではない。
あんまり長いこと沙汰が出ないようなら、そのための祈祷を行わないといけないかもしれないから、巫女に連なる者達はどうするかという話し合いで、今は大変だろう。
ニナギにはこの静けさがあまり良くは思えなかった。
「いつもの山に早く戻ってくれると良いんだけど」
そうつぶやいて歩みを進めると、木々が開け、里に着く。この辺から里の人の家も建っていて、畑も増えていく。青々と実った穀類や、支柱に巻き付いた蔓。大きく育った葉の下からは赤く色づいた実がちらりと見える。
しばらく行くと橋があって、下に降りるための階段がある。そこでナユタを拾ったのはもうひと月も前のことだと思うと感慨深い。橋を渡って里の中心の傾斜を上ると、巫女様の社に行き着く。
ニナギは橋を渡りながら、その下の川を覗いた。
人影が見えたような気がしたからだった。
欄干から身を乗り出すと、そこに居たのはナユタだった。水の流れを見ながらボーとしている姿は絵になるくらいだ。顔が良いからかなとひとりごちて、声をかけようとしたところでナユタの雰囲気がおかしいのに気がついた。
心ここにあらずという感じで、前髪の隙間から覗いている顔には表情の一切をそぎ落としてしまったかのように冷たい。よく見なければナユタの顔をした別人かと見紛うほどぱっと見た印象が違っていた。
初めて会った時も無表情の中にどこか人間らしい感情が見えていた。最近は笑うようにもなった。言葉もきちんと返すようになって、誰だと言うくらいに変わったのだ。
でもあれは、最初にあったナユタよりも人間から遠ざかってしまったようで、ニナギは身震いした。
「なんだよあれ」
ニナギは階段を駆け下りる。どうにかしてナユタをこちらに、自分の知っている彼にも戻さなければいけないと思った。
「ナユタ!」
名前を呼ぶ。届いてくれ。
足場が悪い中をまろびかけながら近付く。
力なく立っている肩に手をかける。思いっきり自分の方に引くと、抵抗なく体はニナギの方を向いて、温度のない目と視線が合った。
その目に恐ろしさを感じて体が凍るようだった。
「どうしたの。そんな顔されると怖いよ?」
語尾が震えたのを自ら黙殺して、両手で肩を持つ。痛いくらい握っているのに、ナユタはなんの反応も返してくれない。このまま握り続けたらあざになってしまうかもしれない。それは嫌だなと思った。
ニナギは覚悟を決めた。
ナユタをこっちに引き戻す方法。そんな方法ニナギにはわからない。しかし、何か大きな衝撃を与えれば起きるんじゃないか?
このままで良いはずがない。
ナユタの目はニナギをすり抜けて遠くを見ているようだ。
「こっち向けよ!」
掴んでいた肩をそのままに、ニナギは自分の頭を前後に大きく振った。
人気の無い沢に、ゴチンと大きな音が響く。
「いっ――たい!!」
「うあっ!」
目の前に星が飛んだような衝撃に、軽くめまいを覚えてしゃがみ込む。目の前のナユタはうめき声を上げて同時に同じくしゃがみ込んだようだった。両手で額を押さえて、声なき声でもがいているのがわかる。
「ニ、ナギ? ひどい」
「ナユタが、わ、るい」
意識はちゃんと戻ったようだ。
どうだ渾身の頭突きは。自分の方の痛手も酷いが、やったかいはあったというものだ。それで酷いと言われても、ニナギは意にも介さない。少しは痛がってもらわないと、いろいろと覚悟して臨んだニナギが馬鹿みたいではないか。
戻ってきてくれて良かった。ようやくそう思えたのは痛みが引いてめまいがなくなり、立ち上がれるようになった時だった。
「立てる?」
「まだ、無理」
そろそろ大丈夫かと手を差し伸べてみたけれど、立ち直るのにはもう少し掛かりそうだ。
「しょうがないなぁ」
ニナギはナユタが回復するのを根気よく待って、話をする。
「あのさ、話があるんだけど」
「どうしたの」
立てるようになったナユタは痛みを取り払おうと頭を軽く振るが、めまいが起こったらしく、微妙な顔をしている。
「最近ナユタどこか心ここにあらずだから、俺は心配だよ」
それを聞いたナユタは固まる。唇を結んで拳を握る。
話して欲しいと、ニナギはさらに続けた。
「何か、俺の知らないところで、悩んでるんじゃないの?」
「……」
「言ったよね、友達だって。その人が悩んでいると心配するのも友達だよ」
ナユタの表情は硬い。唇は色を無くして、紫色にも見える。
「なんでも、無いよ」
そう言った。
「ニナギが心配するようなことは何もない」
「そう」
そんなふうに思えないからこうやって話をしているのに、ナユタは頑なだった。話してくれないのだろうか。それほどナユタにとっての自分は信用ならないのだろうか。
それはとても悲しい。心が届いていないのではと不安になる。
不安を抱えている状況は嫌いだ。心はとても静かなのに、ざわざわと落ち着かない。落ち着かないと空回りする。努力でなんとかなることはできても、人の心はそう簡単にうまくいく、なんて事がない。従兄に口走ったようにこのニナギとナユタのもやもやした関係も勘でなんとかなるのだろうか。難しい。関係が壊れていないからなおさら修復のしようがない。
話して欲しい。ずかずかと踏み込んで嫌われてしまうのはもっと嫌だと、あと一歩がどうにもならなかった。
「帰ろうか」
頷いたナユタを見て、それでも一言だけは言っておきたくて、口にした。
「ナユタが話したい時に、話して。俺は待ってるから」
ニナギは二回目の儀式も一回目と同様見学し、今はそれを終えて山を上がっている最中だ。
二個目の結界石は里から左回りに里をしばらく下ったところにあった。
巫女様の祈りは滞りなく捧げられ、儀式は成った。後はこれをそれぞれの場所で二回行うのみだ。その日取りは巫女様がまじないを行って決定することになるのだが、最近はそれがどうしてかなかなか決まらないと、朝食の場で父親がこぼしていた。
「山が静かなのは関係あるのかな」
山道を通って里の近くの道に出る。山道は歩くのに妨げになるような草を除けてあるだけで、たいして整えられてはいないのだが、里の近くまで来ると、人の手が入って傾斜も登りやすくなっている。
土を段の様に整え、段の端に木を組んで、石を置くことで、土が流れないようになっているのだ。古くなって木が朽ち始めると、里の誰かが気づいて補修しておく。ニナギとて、一番に気付けばちゃんと直しておくようにしている。
道の脇にある広葉樹の葉に少し力が無いように見えて、ニナギは思考を元に戻した。
山が静かなのは今に始まったことでは無い。霧開きの儀式をして、既に一つ月が過ぎようとしていたが、その前からずっと沈黙を守っていた。山は本来もっと生気があって鼓動が聞こえてくるような、生き物の息吹が感じられるような脈動を感じるものだ。
長年山を守ってきたニナギの一族には、個人差はあるが、それを感じ取れる能力があった。山に寄り添い、声を聞くことで、共に生きてきたのだ。巫女はその感覚を頼りに、儀式の日取りを決めたり、穀物の種をまく時期、収穫の時期を決めたりしていた。そうするほど、山の気配を感じると言うことは大切なことなのだ。
山が長いこと沈黙していては、それもままならない。だから巫女様が決めかねているのは巫女様自身の所為ではない。
あんまり長いこと沙汰が出ないようなら、そのための祈祷を行わないといけないかもしれないから、巫女に連なる者達はどうするかという話し合いで、今は大変だろう。
ニナギにはこの静けさがあまり良くは思えなかった。
「いつもの山に早く戻ってくれると良いんだけど」
そうつぶやいて歩みを進めると、木々が開け、里に着く。この辺から里の人の家も建っていて、畑も増えていく。青々と実った穀類や、支柱に巻き付いた蔓。大きく育った葉の下からは赤く色づいた実がちらりと見える。
しばらく行くと橋があって、下に降りるための階段がある。そこでナユタを拾ったのはもうひと月も前のことだと思うと感慨深い。橋を渡って里の中心の傾斜を上ると、巫女様の社に行き着く。
ニナギは橋を渡りながら、その下の川を覗いた。
人影が見えたような気がしたからだった。
欄干から身を乗り出すと、そこに居たのはナユタだった。水の流れを見ながらボーとしている姿は絵になるくらいだ。顔が良いからかなとひとりごちて、声をかけようとしたところでナユタの雰囲気がおかしいのに気がついた。
心ここにあらずという感じで、前髪の隙間から覗いている顔には表情の一切をそぎ落としてしまったかのように冷たい。よく見なければナユタの顔をした別人かと見紛うほどぱっと見た印象が違っていた。
初めて会った時も無表情の中にどこか人間らしい感情が見えていた。最近は笑うようにもなった。言葉もきちんと返すようになって、誰だと言うくらいに変わったのだ。
でもあれは、最初にあったナユタよりも人間から遠ざかってしまったようで、ニナギは身震いした。
「なんだよあれ」
ニナギは階段を駆け下りる。どうにかしてナユタをこちらに、自分の知っている彼にも戻さなければいけないと思った。
「ナユタ!」
名前を呼ぶ。届いてくれ。
足場が悪い中をまろびかけながら近付く。
力なく立っている肩に手をかける。思いっきり自分の方に引くと、抵抗なく体はニナギの方を向いて、温度のない目と視線が合った。
その目に恐ろしさを感じて体が凍るようだった。
「どうしたの。そんな顔されると怖いよ?」
語尾が震えたのを自ら黙殺して、両手で肩を持つ。痛いくらい握っているのに、ナユタはなんの反応も返してくれない。このまま握り続けたらあざになってしまうかもしれない。それは嫌だなと思った。
ニナギは覚悟を決めた。
ナユタをこっちに引き戻す方法。そんな方法ニナギにはわからない。しかし、何か大きな衝撃を与えれば起きるんじゃないか?
このままで良いはずがない。
ナユタの目はニナギをすり抜けて遠くを見ているようだ。
「こっち向けよ!」
掴んでいた肩をそのままに、ニナギは自分の頭を前後に大きく振った。
人気の無い沢に、ゴチンと大きな音が響く。
「いっ――たい!!」
「うあっ!」
目の前に星が飛んだような衝撃に、軽くめまいを覚えてしゃがみ込む。目の前のナユタはうめき声を上げて同時に同じくしゃがみ込んだようだった。両手で額を押さえて、声なき声でもがいているのがわかる。
「ニ、ナギ? ひどい」
「ナユタが、わ、るい」
意識はちゃんと戻ったようだ。
どうだ渾身の頭突きは。自分の方の痛手も酷いが、やったかいはあったというものだ。それで酷いと言われても、ニナギは意にも介さない。少しは痛がってもらわないと、いろいろと覚悟して臨んだニナギが馬鹿みたいではないか。
戻ってきてくれて良かった。ようやくそう思えたのは痛みが引いてめまいがなくなり、立ち上がれるようになった時だった。
「立てる?」
「まだ、無理」
そろそろ大丈夫かと手を差し伸べてみたけれど、立ち直るのにはもう少し掛かりそうだ。
「しょうがないなぁ」
ニナギはナユタが回復するのを根気よく待って、話をする。
「あのさ、話があるんだけど」
「どうしたの」
立てるようになったナユタは痛みを取り払おうと頭を軽く振るが、めまいが起こったらしく、微妙な顔をしている。
「最近ナユタどこか心ここにあらずだから、俺は心配だよ」
それを聞いたナユタは固まる。唇を結んで拳を握る。
話して欲しいと、ニナギはさらに続けた。
「何か、俺の知らないところで、悩んでるんじゃないの?」
「……」
「言ったよね、友達だって。その人が悩んでいると心配するのも友達だよ」
ナユタの表情は硬い。唇は色を無くして、紫色にも見える。
「なんでも、無いよ」
そう言った。
「ニナギが心配するようなことは何もない」
「そう」
そんなふうに思えないからこうやって話をしているのに、ナユタは頑なだった。話してくれないのだろうか。それほどナユタにとっての自分は信用ならないのだろうか。
それはとても悲しい。心が届いていないのではと不安になる。
不安を抱えている状況は嫌いだ。心はとても静かなのに、ざわざわと落ち着かない。落ち着かないと空回りする。努力でなんとかなることはできても、人の心はそう簡単にうまくいく、なんて事がない。従兄に口走ったようにこのニナギとナユタのもやもやした関係も勘でなんとかなるのだろうか。難しい。関係が壊れていないからなおさら修復のしようがない。
話して欲しい。ずかずかと踏み込んで嫌われてしまうのはもっと嫌だと、あと一歩がどうにもならなかった。
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