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第1章 ダンジョン内に放置されたようです……
第一話 気がついたらダンジョンでした!!
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わけがわからないといった表情で少女は首をかしげた。きょろきょろとあたりを見渡してみた
が、いつもの見知った風景は少しの面影もない。
どうしてこうなった‼というか、ここどこ⁉とでも言いたそうな表情で少女、合田結菜は愕然としている。
「待て待て。とりあえず状況の確認だよね」
落ち着くために深呼吸を一つ。
その空間は、よく見ると床や壁は石で整備されていて、水が湧き出し、よくわからない木が生えていた。木には果物(見たことがない種類)がいくつかなっている。
「……あぁ、これアウトなやつかも………」
確かゲームとかで出てきそうな、いわゆる一般的なダンジョンにそこはとても似ていた。
そういえば、自分がこの前買ったゲームはRPGだった。しょっぱなからモンスターが強すぎてクリアするのは難しかったけど、手に入れたモンスターが何気に可愛かった。
スライムだったのだが、ホイップちゃんと名付けた。プルプルもちもちの感触がしそうな超絶かわいい系スライムちゃんだ。
…………うん、わかってるよ。名付けセンスがちっともないくらい…………。
ちなみに、ゲームの名前は『夢キラ♢モンスター!~皆で楽しいRPG~第二弾』であった。……いわゆる現実逃避である。
「…………でも、ここってダンジョンだよね……」
結菜は立ち上がりながら、きょろきょろともう一度周りを見渡した。
現状確認のためである。
ゲームやアニメに伊達に没頭していた女子高生ではない。一瞬現実逃避したものの、すぐに状況を受け入れることができた。……本当は受け入れたくはなかったが…………。
よく耳をすますと、よくわからない動物たちのほえる声や不気味な鳴き声が聞こえてくる。
だが、結菜がいる空間の近くには近づいてきそうな様子もない。どうやらセーフティゾーンにいるらしい。
よし、考えるか‼すぐさま脳内結菜総会議が開始される。
「では、ただいまより、第一回脳内結菜総会議を開催いたします!!議長結菜様、よろしくお願いします!!」
「はい。この度議長を務めさせて頂きます。結菜です。議題はこのダンジョン内でこれからどうするかについてです。何か意見はありますか?」
「はい!!議長!!」
「どうぞ、結菜さん」
「はい‼このセーフティゾーンに残るべきだと思います!!」
「うん、それが一番安全かもね」
「あ~、確かに……」
脳内の小さな結菜達が同意する。しかし……
「はい。議長。」
「どうぞ、結菜さん」
「食べ物はどうするんですか。」
「「「「「あっ…………」」」」」
発言した結菜以外の小さな脳内結菜が全員固まる。
「そういえば……」
「確かに……言われて見れば……」
脳内結菜は沈黙してしまった。
「……どうしますか?議長…………」
「…………仕方ありません。結菜本体の決断を信じてみませんか?」
「名案です!!議長!!」
「えぇ。流石です。」
「うん、議長天才だよ!」
脳内に沸き起こる歓声。響く議長コール。
「えぇ、ゴホン。ということで第一回脳内結菜総会議を終わります。皆様ありがとうございました。」
脳内は拍手喝采に包まれたのであった。
………あまり意味はなかったようである。
「……ダンジョンって魔物出るよねぇ…………」
その通り。この発言は間違っていないはずだ。事実、相変わらず不気味な鳴き声は聞こえてくるのだから。
「帰れるのかな、私」
結菜の小さな呟きがセーフティゾーンに静かに響く。だが、ずっとこのままグズグズしているわけにはいかない。この場所に居ても仕方ないのである。結菜はため息をつき、このセーフティゾーンから出ることを決心した。ひとまず、元の世界に帰られるかは周囲の状況が落ち着くまでおいておくことにしよう。
自分の周りを見渡してみると、学校用に使っているマイリュックと傘が転がっている。
所持アイテムの確認、これ必須だよね。ダンジョンの中にいるのに、自分の持っている物を把握できてなかったらヤバイよね。
リュックをあさると結構たくさんのアイテ……じゃなかった、持ち物があることが分かった。
まずは傘。それとペンケース、ノート、財布、いつもなぜかリュックの中に入ってる世界史の教科書、スマホ、あと自分の大好きなゲーム機(タブレットとゲームの融合型でオンライン仕様のハイテクバージョンだよ☆)などなどまぁまぁな数のアイテムがあった。
そして、もう一つ確認しておかなければならないものがある。………食料だ。
今持っている物の中で武器になりそうなものはハサミとカッターと傘だけ。
それだけでモンスターを倒し、食料を得られるだろうか。否‼断じて否‼
例えば、モンスターと鉢合わせて、自前のしょぼいこれらの武器で戦おうとする。どうなると思う?
答えは簡単。モンスターと対等なレベルで戦うどころか、一瞬で天使が迎えにくることは確実だ。
しかも、自分にはそこそこの体力しかないのだ。
しょぼい×そこそこなことから、そこそこしょぼいことがわかる。………いや違う。なんか違う。しょぼいにそこそこをつけてみたら、ちょっと強く聞こえてしまった。
ここではっきり言っておこう‼断じて自分は強くないと‼全くもって強くないと‼
つまり、しょぼいの二乗、強調なのである‼
まだゲームの初期装備でダンジョンマスターと戦うほうがマシだ。
ましてや、モンスターを倒して食料を手に入れるなんて夢のまた夢。だからこそ食料の確認はしなくてはならないのだ。
ゲームでは満腹度が気がついたらなくなっていて街に強制送還されたことがある。高レベルのドロップアイテムを手に入れた直後で、まだデータをセーブしきれていなかった時のことだった。まさに『後悔先にたたず』の案件であった。
あれからアイテムボックスに食料がちゃんと入ってるかどうか確認する癖がついたのだ。
話をもとに戻そう。現在所持している食料は、あめ玉が3個、チョコレートが5つ、学校帰りにコンビニで買った菓子パン。……どう考えても足りない。困った……。実に困った……。
結菜は何とかしようと長考した。食料となるものか……。
(……はっ‼確かそこの木には木の実がなっていたはず‼)
はっとこのセーフティゾーンに木が生えていたのを思い出す。
振り返って見てみると、確かに木の実がなっていた。
結菜は立ち上がり木の実を手にとった。
が、いつもの見知った風景は少しの面影もない。
どうしてこうなった‼というか、ここどこ⁉とでも言いたそうな表情で少女、合田結菜は愕然としている。
「待て待て。とりあえず状況の確認だよね」
落ち着くために深呼吸を一つ。
その空間は、よく見ると床や壁は石で整備されていて、水が湧き出し、よくわからない木が生えていた。木には果物(見たことがない種類)がいくつかなっている。
「……あぁ、これアウトなやつかも………」
確かゲームとかで出てきそうな、いわゆる一般的なダンジョンにそこはとても似ていた。
そういえば、自分がこの前買ったゲームはRPGだった。しょっぱなからモンスターが強すぎてクリアするのは難しかったけど、手に入れたモンスターが何気に可愛かった。
スライムだったのだが、ホイップちゃんと名付けた。プルプルもちもちの感触がしそうな超絶かわいい系スライムちゃんだ。
…………うん、わかってるよ。名付けセンスがちっともないくらい…………。
ちなみに、ゲームの名前は『夢キラ♢モンスター!~皆で楽しいRPG~第二弾』であった。……いわゆる現実逃避である。
「…………でも、ここってダンジョンだよね……」
結菜は立ち上がりながら、きょろきょろともう一度周りを見渡した。
現状確認のためである。
ゲームやアニメに伊達に没頭していた女子高生ではない。一瞬現実逃避したものの、すぐに状況を受け入れることができた。……本当は受け入れたくはなかったが…………。
よく耳をすますと、よくわからない動物たちのほえる声や不気味な鳴き声が聞こえてくる。
だが、結菜がいる空間の近くには近づいてきそうな様子もない。どうやらセーフティゾーンにいるらしい。
よし、考えるか‼すぐさま脳内結菜総会議が開始される。
「では、ただいまより、第一回脳内結菜総会議を開催いたします!!議長結菜様、よろしくお願いします!!」
「はい。この度議長を務めさせて頂きます。結菜です。議題はこのダンジョン内でこれからどうするかについてです。何か意見はありますか?」
「はい!!議長!!」
「どうぞ、結菜さん」
「はい‼このセーフティゾーンに残るべきだと思います!!」
「うん、それが一番安全かもね」
「あ~、確かに……」
脳内の小さな結菜達が同意する。しかし……
「はい。議長。」
「どうぞ、結菜さん」
「食べ物はどうするんですか。」
「「「「「あっ…………」」」」」
発言した結菜以外の小さな脳内結菜が全員固まる。
「そういえば……」
「確かに……言われて見れば……」
脳内結菜は沈黙してしまった。
「……どうしますか?議長…………」
「…………仕方ありません。結菜本体の決断を信じてみませんか?」
「名案です!!議長!!」
「えぇ。流石です。」
「うん、議長天才だよ!」
脳内に沸き起こる歓声。響く議長コール。
「えぇ、ゴホン。ということで第一回脳内結菜総会議を終わります。皆様ありがとうございました。」
脳内は拍手喝采に包まれたのであった。
………あまり意味はなかったようである。
「……ダンジョンって魔物出るよねぇ…………」
その通り。この発言は間違っていないはずだ。事実、相変わらず不気味な鳴き声は聞こえてくるのだから。
「帰れるのかな、私」
結菜の小さな呟きがセーフティゾーンに静かに響く。だが、ずっとこのままグズグズしているわけにはいかない。この場所に居ても仕方ないのである。結菜はため息をつき、このセーフティゾーンから出ることを決心した。ひとまず、元の世界に帰られるかは周囲の状況が落ち着くまでおいておくことにしよう。
自分の周りを見渡してみると、学校用に使っているマイリュックと傘が転がっている。
所持アイテムの確認、これ必須だよね。ダンジョンの中にいるのに、自分の持っている物を把握できてなかったらヤバイよね。
リュックをあさると結構たくさんのアイテ……じゃなかった、持ち物があることが分かった。
まずは傘。それとペンケース、ノート、財布、いつもなぜかリュックの中に入ってる世界史の教科書、スマホ、あと自分の大好きなゲーム機(タブレットとゲームの融合型でオンライン仕様のハイテクバージョンだよ☆)などなどまぁまぁな数のアイテムがあった。
そして、もう一つ確認しておかなければならないものがある。………食料だ。
今持っている物の中で武器になりそうなものはハサミとカッターと傘だけ。
それだけでモンスターを倒し、食料を得られるだろうか。否‼断じて否‼
例えば、モンスターと鉢合わせて、自前のしょぼいこれらの武器で戦おうとする。どうなると思う?
答えは簡単。モンスターと対等なレベルで戦うどころか、一瞬で天使が迎えにくることは確実だ。
しかも、自分にはそこそこの体力しかないのだ。
しょぼい×そこそこなことから、そこそこしょぼいことがわかる。………いや違う。なんか違う。しょぼいにそこそこをつけてみたら、ちょっと強く聞こえてしまった。
ここではっきり言っておこう‼断じて自分は強くないと‼全くもって強くないと‼
つまり、しょぼいの二乗、強調なのである‼
まだゲームの初期装備でダンジョンマスターと戦うほうがマシだ。
ましてや、モンスターを倒して食料を手に入れるなんて夢のまた夢。だからこそ食料の確認はしなくてはならないのだ。
ゲームでは満腹度が気がついたらなくなっていて街に強制送還されたことがある。高レベルのドロップアイテムを手に入れた直後で、まだデータをセーブしきれていなかった時のことだった。まさに『後悔先にたたず』の案件であった。
あれからアイテムボックスに食料がちゃんと入ってるかどうか確認する癖がついたのだ。
話をもとに戻そう。現在所持している食料は、あめ玉が3個、チョコレートが5つ、学校帰りにコンビニで買った菓子パン。……どう考えても足りない。困った……。実に困った……。
結菜は何とかしようと長考した。食料となるものか……。
(……はっ‼確かそこの木には木の実がなっていたはず‼)
はっとこのセーフティゾーンに木が生えていたのを思い出す。
振り返って見てみると、確かに木の実がなっていた。
結菜は立ち上がり木の実を手にとった。
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