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第1章 ダンジョン内に放置されたようです……
第五話 人がいました‼ダンジョン脱出の手がかりです‼
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「あっ、人発見!」
回廊を迷うことなくスキップしながら進むこと約十分、ようやく広そうな所に出られそうだった。
この回廊の向こう側の広間には何人か人がいるのも確認できる。結菜はそのままその人達の方へと近づいていった。
「うわぉ、すごい所……‼」
見上げるほど高い天井に何本も天井に向かってそびえ立つ柱。柱はまるで何百年もの巨木のように雄大だった。所々結晶化しキラキラ光っているところがまた幻想的だ。
天井もすべて結晶化し、ダンジョンの中なのに、外にいるかのように明るかった。あの薄暗い回廊とは大違いである。
今までの回廊が狭く飾り気がなかったのもあり、結菜は思わず見とれてしまった。
ドゴォォ……………‼
……………あっという間に崩れ去る柱。もったいない‼あんなに綺麗なのに‼内心ツッコミを入れる結菜。
ふと見てみると、柱を壊したのはダンジョンマスターだった。毛並みのいい大きな腕が振り下ろされている。
「ほぇ~………………………」
感嘆する結菜。まるで映画のワンシーンみたいな光景であった。
そんな無防備に突っ立っている結菜を見つけたのか、誰かが結菜の元に駆け足で走って来た。
「おい、お前‼何でこんな所にいる‼」
赤髪の体格のいい男の人がなかば叫ぶようにして近づいてくる。
その男の人は結菜を引っ掴んで広間の岩陰のような所に連れて行った。安全を考慮してのことであろう。うん。いい人だ。
どうやらダンジョンマスターと戦っている人達の仲間の人らしい。誰だろ?冒険者だよね?
ふと疑問に思ったことをぽそりと呟く。
《鑑定。個体識別名 アル。冒険者育成クラン-炎樹の森-のリーダー。《双剣》の異名をもつAランク冒険者です》
…………何勝手に調べてるの⁉結菜は心の中でツッコミを入れた。個人情報の漏洩である。
結菜は心の中でアルという男性にそっと頭を下げた。
そんな結菜の姿には全く気づかず、アルは口早に捲し立てた。もちろん、スモールヴォイスである。
「早くここから離れろ‼っていうかダンジョンから出ろ‼」
「はぇ?」
離れろと言われても困る。自分はダンジョンから出るためにここに来たのだ。それに離れる方が危険度が高いのだ。
結菜は外に出るためにウロウロした結果、さらに迷子にはなりたくはなかった。
ここは素直に無理だと伝えることにする結菜。
「えっと、無理です」
「何でだよ」
「ダンジョンの出口がわからないので」
「マジかよ……」
アルは呆れ返ったような目で自分を見た。本当にすいません‼でも本当にわからないんです‼嘘じゃないですよ?心の中で土下座する結菜。
恐る恐る結菜はアルを見た。怒ってないよね?怒ってないよね?
小さくなっている結菜をちらりと見ると、アルは気まずそうに頭をガシガシかいて、絶対に自分から離れるなと忠告してくれた。案外いい人そうである。
アルはすぐにキラキラした目で自分を見てくる結菜にため息をついた。
「はぁ……。何でこんな所に子供がいるんだよ。おい、後で事情聞くからな?」
そう言ってアルはダンジョンマスターからかばうように結菜の前で自身の武器を構えた。本当にいい人だ。
ギィィン……ドゴォォ………………‼
今もなおずっと暴れ続けるダンジョンマスターをクリード達が倒そうとするも、やはり避けられている。燃えるように紅く光った瞳がクリード達をとらえている。ダンジョンマスターが反撃に繰り出した攻撃をクリード達はいなす。両者の実力は均衡していた。
ダンジョンマスターはクリード達の攻撃を音で拾い避けているため実力が互角になっている。それだけではない。とても速いうえ、攻撃の威力も半端なかった。
ほぼ互角とはいえ、少しづつクリード達の方が押され始める。
「あの子、速いね。あの人達の攻撃、全部避けてる」
「あぁ、あのモンスターは俺らの攻撃の時に出る音を拾ってるんだ」
「音?地面を蹴る音とか風切り音とか?」
「あぁ、そうだ」
アルが顔をしかめながら答えた。苦戦しているみたいだ。
確かに自身が繰り出す攻撃を先回りで読まれているのでなかなか攻撃が当たらないのだろう。
(……あれ?私のスキル使ったら問題解決なんじゃ?)
思い立ったらすぐ行動‼結菜はアルに頼んだ。
「ねぇアルさん‼私をあの子の近くに連れて行って‼」
「はぁ⁉あの子ってあのモンスターにか⁉」
「うん」
「自殺行為だ」
「策があるの。上手く行けばクリードさん達あの子を倒せるよ?」
「……本当か?」
結菜はこくりとうなずいた。結菜の真剣な顔を見てアルは覚悟を決めた。どうせこのままだと自分達の方が負けてしまう。それならば、かけに乗ろうと。
アルは結菜を抱えた。
岩陰から出る。
「おい、落ちないように気をつけろよ」
声をかけると少女がこくりとうなずくのを感じた。
アルはダンジョンマスターの方へと駆け出し、グングン加速した。風切り音が聞こえる。戦っている仲間の方へと結菜を抱えながらアルは全速力で向かっていった。
回廊を迷うことなくスキップしながら進むこと約十分、ようやく広そうな所に出られそうだった。
この回廊の向こう側の広間には何人か人がいるのも確認できる。結菜はそのままその人達の方へと近づいていった。
「うわぉ、すごい所……‼」
見上げるほど高い天井に何本も天井に向かってそびえ立つ柱。柱はまるで何百年もの巨木のように雄大だった。所々結晶化しキラキラ光っているところがまた幻想的だ。
天井もすべて結晶化し、ダンジョンの中なのに、外にいるかのように明るかった。あの薄暗い回廊とは大違いである。
今までの回廊が狭く飾り気がなかったのもあり、結菜は思わず見とれてしまった。
ドゴォォ……………‼
……………あっという間に崩れ去る柱。もったいない‼あんなに綺麗なのに‼内心ツッコミを入れる結菜。
ふと見てみると、柱を壊したのはダンジョンマスターだった。毛並みのいい大きな腕が振り下ろされている。
「ほぇ~………………………」
感嘆する結菜。まるで映画のワンシーンみたいな光景であった。
そんな無防備に突っ立っている結菜を見つけたのか、誰かが結菜の元に駆け足で走って来た。
「おい、お前‼何でこんな所にいる‼」
赤髪の体格のいい男の人がなかば叫ぶようにして近づいてくる。
その男の人は結菜を引っ掴んで広間の岩陰のような所に連れて行った。安全を考慮してのことであろう。うん。いい人だ。
どうやらダンジョンマスターと戦っている人達の仲間の人らしい。誰だろ?冒険者だよね?
ふと疑問に思ったことをぽそりと呟く。
《鑑定。個体識別名 アル。冒険者育成クラン-炎樹の森-のリーダー。《双剣》の異名をもつAランク冒険者です》
…………何勝手に調べてるの⁉結菜は心の中でツッコミを入れた。個人情報の漏洩である。
結菜は心の中でアルという男性にそっと頭を下げた。
そんな結菜の姿には全く気づかず、アルは口早に捲し立てた。もちろん、スモールヴォイスである。
「早くここから離れろ‼っていうかダンジョンから出ろ‼」
「はぇ?」
離れろと言われても困る。自分はダンジョンから出るためにここに来たのだ。それに離れる方が危険度が高いのだ。
結菜は外に出るためにウロウロした結果、さらに迷子にはなりたくはなかった。
ここは素直に無理だと伝えることにする結菜。
「えっと、無理です」
「何でだよ」
「ダンジョンの出口がわからないので」
「マジかよ……」
アルは呆れ返ったような目で自分を見た。本当にすいません‼でも本当にわからないんです‼嘘じゃないですよ?心の中で土下座する結菜。
恐る恐る結菜はアルを見た。怒ってないよね?怒ってないよね?
小さくなっている結菜をちらりと見ると、アルは気まずそうに頭をガシガシかいて、絶対に自分から離れるなと忠告してくれた。案外いい人そうである。
アルはすぐにキラキラした目で自分を見てくる結菜にため息をついた。
「はぁ……。何でこんな所に子供がいるんだよ。おい、後で事情聞くからな?」
そう言ってアルはダンジョンマスターからかばうように結菜の前で自身の武器を構えた。本当にいい人だ。
ギィィン……ドゴォォ………………‼
今もなおずっと暴れ続けるダンジョンマスターをクリード達が倒そうとするも、やはり避けられている。燃えるように紅く光った瞳がクリード達をとらえている。ダンジョンマスターが反撃に繰り出した攻撃をクリード達はいなす。両者の実力は均衡していた。
ダンジョンマスターはクリード達の攻撃を音で拾い避けているため実力が互角になっている。それだけではない。とても速いうえ、攻撃の威力も半端なかった。
ほぼ互角とはいえ、少しづつクリード達の方が押され始める。
「あの子、速いね。あの人達の攻撃、全部避けてる」
「あぁ、あのモンスターは俺らの攻撃の時に出る音を拾ってるんだ」
「音?地面を蹴る音とか風切り音とか?」
「あぁ、そうだ」
アルが顔をしかめながら答えた。苦戦しているみたいだ。
確かに自身が繰り出す攻撃を先回りで読まれているのでなかなか攻撃が当たらないのだろう。
(……あれ?私のスキル使ったら問題解決なんじゃ?)
思い立ったらすぐ行動‼結菜はアルに頼んだ。
「ねぇアルさん‼私をあの子の近くに連れて行って‼」
「はぁ⁉あの子ってあのモンスターにか⁉」
「うん」
「自殺行為だ」
「策があるの。上手く行けばクリードさん達あの子を倒せるよ?」
「……本当か?」
結菜はこくりとうなずいた。結菜の真剣な顔を見てアルは覚悟を決めた。どうせこのままだと自分達の方が負けてしまう。それならば、かけに乗ろうと。
アルは結菜を抱えた。
岩陰から出る。
「おい、落ちないように気をつけろよ」
声をかけると少女がこくりとうなずくのを感じた。
アルはダンジョンマスターの方へと駆け出し、グングン加速した。風切り音が聞こえる。戦っている仲間の方へと結菜を抱えながらアルは全速力で向かっていった。
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