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第3章 ダンジョン脱出から約二週間、早朝に誘拐されました‼
第十九話 無理難題なお願い①
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「えっと、もう謝らなくてもいいので、とりあえず帰ってもいいですか?」
「だめです」
はい。凄くいい笑顔でお仲間さんが答えました。あまりの潔さに結菜は呆然とする。
「まぁ、落ち着いてください。ほんのお詫びです。そろそろこの食事処が開店するので何か注文してください。お金はこちらが払うので」
怪しい。怪しいことこの上ない。そもそも自分は誘拐されて来たのだ。そんな中すぐ簡単に、はいそうですかと信じることができるはずもないのである。
それに旨い話には裏がある。何か結菜は嫌な予感がしたのだ。それに、小学校時代に知らない人にはついて行かない、話さない、物を受け取らないという言葉を何度聞かされたことか。
このままではフルコンボ達成してしまう。小学生でもできることを自分ができないはずがないのだ。……すでに二つはもう達成してしまっているのだが。
なんとか逃げ出せないだろうかと結菜が模索しているうちに、人が近づいてくる気配がした。
「あら、ご来店ありがとうございます。何をご注文で?」
看板娘っぽい女の人が話しかけてきた。どうやら、もう気配を消していないらしい。
「こちらの方に何か美味しいものを」
お仲間さんが言うと、女の人はくすくす笑うとすぐに調理場にはけていった。……気まずい沈黙が流れる。結菜がその沈黙に耐えられなくなった頃、お仲間さんが話題を切り出した。
「さて、連れがこんなことをしたのは私にも責任があります。でも訳があるんです」
何か猛烈に嫌な予感がして仕方がない結菜。とりあえずこの場から全力ダッシュで逃げたくなる。
結菜はイヤイヤと無意識に首を振った。しかし、当然のことではあるのだが、その無言の要求は受理されない。
「彼は勇者です」
そうなんだととりあえず頷く結菜。「へぇ、ゆうしゃなんだ。ゆうしゃ……ユウシャ……?」っと言いようもない強烈な違和感に結菜は首を傾げた。
「って勇者ぁぁぁーーーーーー⁉」
誘拐犯は勇者だった。嘘ん⁉本日まさかの二度目のお口ぱっかーんの発生である。ばっと勇者を見ると彫刻のように無表情であった。
気配を消すのをやめたからか、やっと顔をはっきり認識できた。じっと結菜が眺めていたからか勇者が少しこちらを向いた。
夜の闇夜を溶かし込んだような限りなく漆黒に近い蒼の髪。何処か影を落とすような光を放つ、夜空のような深い青の瞳。生きているかわからないほどの無表情で突っ立っている彼はフード付きの目立たない色のローブを身につけていた。……イケメンである。ただ、無表情であるが……。
「それと、私は賢者です」
続けてお仲間さんが爆弾発言を投下する。結菜はまた叫びそうになるのを必死に堪えた。耐えました‼頑張りました‼
なぜかと言うと、賢者がにっこりと笑いかけていたからである。それも目が笑ってない状態で……。黙れ。賢者の心の声が聞こえきた瞬間であった。目が。目がヤバい。
頭が外れるくらいぶんぶんと首を振って了解を伝える。もう必死だ……。
ちなみにこちらの賢者は夜明けの空のような青い髪と金の目をした美人さんであった。
その美人さんが、えい‼もういっちょ‼とばかりにさらなる追加爆弾発言を投下してくる。
「簡単に言うと、私達と一緒に来てほしいんです」
無理なお願いだと思い、結菜は遠い目をした。なんで私?と結菜が思ったのも無理も無い。
ぼんやりしている結菜に、さっきの女の人がホットミルクを出してくれた。今朝搾ったばかりの新鮮なミルクを使用しているらしい。こっちの世界に戻ってきた結菜はホットミルクを有り難くいただきながら、賢者に質問した。
「だめです」
はい。凄くいい笑顔でお仲間さんが答えました。あまりの潔さに結菜は呆然とする。
「まぁ、落ち着いてください。ほんのお詫びです。そろそろこの食事処が開店するので何か注文してください。お金はこちらが払うので」
怪しい。怪しいことこの上ない。そもそも自分は誘拐されて来たのだ。そんな中すぐ簡単に、はいそうですかと信じることができるはずもないのである。
それに旨い話には裏がある。何か結菜は嫌な予感がしたのだ。それに、小学校時代に知らない人にはついて行かない、話さない、物を受け取らないという言葉を何度聞かされたことか。
このままではフルコンボ達成してしまう。小学生でもできることを自分ができないはずがないのだ。……すでに二つはもう達成してしまっているのだが。
なんとか逃げ出せないだろうかと結菜が模索しているうちに、人が近づいてくる気配がした。
「あら、ご来店ありがとうございます。何をご注文で?」
看板娘っぽい女の人が話しかけてきた。どうやら、もう気配を消していないらしい。
「こちらの方に何か美味しいものを」
お仲間さんが言うと、女の人はくすくす笑うとすぐに調理場にはけていった。……気まずい沈黙が流れる。結菜がその沈黙に耐えられなくなった頃、お仲間さんが話題を切り出した。
「さて、連れがこんなことをしたのは私にも責任があります。でも訳があるんです」
何か猛烈に嫌な予感がして仕方がない結菜。とりあえずこの場から全力ダッシュで逃げたくなる。
結菜はイヤイヤと無意識に首を振った。しかし、当然のことではあるのだが、その無言の要求は受理されない。
「彼は勇者です」
そうなんだととりあえず頷く結菜。「へぇ、ゆうしゃなんだ。ゆうしゃ……ユウシャ……?」っと言いようもない強烈な違和感に結菜は首を傾げた。
「って勇者ぁぁぁーーーーーー⁉」
誘拐犯は勇者だった。嘘ん⁉本日まさかの二度目のお口ぱっかーんの発生である。ばっと勇者を見ると彫刻のように無表情であった。
気配を消すのをやめたからか、やっと顔をはっきり認識できた。じっと結菜が眺めていたからか勇者が少しこちらを向いた。
夜の闇夜を溶かし込んだような限りなく漆黒に近い蒼の髪。何処か影を落とすような光を放つ、夜空のような深い青の瞳。生きているかわからないほどの無表情で突っ立っている彼はフード付きの目立たない色のローブを身につけていた。……イケメンである。ただ、無表情であるが……。
「それと、私は賢者です」
続けてお仲間さんが爆弾発言を投下する。結菜はまた叫びそうになるのを必死に堪えた。耐えました‼頑張りました‼
なぜかと言うと、賢者がにっこりと笑いかけていたからである。それも目が笑ってない状態で……。黙れ。賢者の心の声が聞こえきた瞬間であった。目が。目がヤバい。
頭が外れるくらいぶんぶんと首を振って了解を伝える。もう必死だ……。
ちなみにこちらの賢者は夜明けの空のような青い髪と金の目をした美人さんであった。
その美人さんが、えい‼もういっちょ‼とばかりにさらなる追加爆弾発言を投下してくる。
「簡単に言うと、私達と一緒に来てほしいんです」
無理なお願いだと思い、結菜は遠い目をした。なんで私?と結菜が思ったのも無理も無い。
ぼんやりしている結菜に、さっきの女の人がホットミルクを出してくれた。今朝搾ったばかりの新鮮なミルクを使用しているらしい。こっちの世界に戻ってきた結菜はホットミルクを有り難くいただきながら、賢者に質問した。
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