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第3章 ダンジョン脱出から約二週間、早朝に誘拐されました‼
第二十話 無理難題なお願い②
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「えっと、何で私なんでしょうか?別に私じゃなくても……」
「いえ、あなたしか無理です」
……即座に却下されました。はい。もう何かこう、スッパーンと切り捨てられたのである。結菜は何故……と思った。逃げ道が着々と潰されてゆくのを感じる。
「世界を一緒に助けましょう‼」
……言い切りやがった。言い切りやがりました‼結菜が一番聞きたくなかったことを笑顔で‼賢者の笑顔がキラッキラッしている。テカっているわけではないよ?そのくらい、いい笑顔だったのだ。目が‼目がぁぁぁ‼と言いたくなるくらいに……。
それにしても、ふと結菜は考えてみた。ゆっくり今さっきの言葉を理解してゆく。
(一緒に行く……?
世界を助ける……?
この人達と一緒に……?
……ムリ‼
ムリムリムリムリムリ‼)
この際首が外れても構わないとばかりに全力で脳が否定する。
そもそも自分が行ったところでお荷物確定である。攻撃力がしょぼすぎるのだ。普通にゲームでの初期装備の方がまだお買い得品である。思わずぱっかーんと口を開けてしまった。本日三度目のお口ぱっかーん到来である。結菜は本気で顎が外れないか心配になってきた。
「ムリ‼絶対にムリです‼」
全力で拒否させていただきたい所である。自分の安寧のためにも、世界の安寧のためにも。
「私にはムリです‼完全にお荷物になる自信があります‼しょぼいんです私は‼魔法攻撃力が2ですよ⁉2‼試しに攻撃魔法を使ってみたら、効果全くなしです。本当ですよ⁉ファイアボール出してみたら水がぬるま湯になりました。普通なら蒸発するはずなのに‼何度も出してやっと蒸発しました。私でも信じられません。えぇ本当に!まだゲームの初期装備の方が安心して魔物も倒せますよ‼もっといい人材が王都とかならいるでしょ⁉そっちを頼ってください‼」
マシンガントークでゼイゼイ言いながら一気に言い切った。何か自分で言っておいて結菜は猛烈に悲しくなってきた。自分の言葉がザックザック胸に突き刺さる。
「……げーむ?……しょきそうび?……」
賢者が頭の上にハテナマークをいっぱい浮かべている。もしかして今が逃走のチャンスなのではと思う結菜。
「そんなことはお前に期待してない」
「まぁ、そうですね。そういう意味では全く」
ガーンとなる結菜。もうちょいオブラートに包んで言ってほしかった。結菜はコトバコワイと半泣きでぽつりと呟いた。……ご愁傷様である。
「戦闘はしなくていい。付いてきてくれれば十分だ」
「えぇ。それは私達だけでもできるので安心してください。賢者の名に誓ってあなたを守りますから」
そう言って賢者が賢者の証を差し出してきた。言い方が告白じみていているのでやめていただきたいのだが…………。
ちなみに、賢者の証とは、聖銀のみでできている鍵のことである。
聖銀はいつもは銀色に光っているけど暗闇にすると透明になり、夜空の星のようにキラキラ光るんだそう。アル達が常識と一緒に叩き込んでくれた知識である。皆グッジョブ‼
《鑑定。正真正銘賢者の証です。二人のステータスを開示しますか?―Yes · No》
(えっ、いいのかな?でも偽物だったらそれはそれで私が危ないし……)
鑑定さんが結菜の心の不安を汲み取って提案してきたようである。
しかし、結菜は見ようか見ないか迷っていた。いくらなんでも勝手に許可なく他人のステータスを見るのは気が引けたのである。
《……確認しました。彼等は勇者と賢者です。》
鑑定さんが気を利かせて教えてくれた。本当に便利ないい鑑定さんである。
しかしながら、本当に彼らがそうならば考え方を変えなくてはならないと結菜は思った。
「…………もし仮に私がついて行かなかったらどうなるんですか?」
結菜は思い切って質問してみた。……嫌な予感しかしないけど‼
「そうですね。単刀直入に言うと世界が滅びますね」
賢者がにっこりと笑って答えてくれた。まさかのヘビーすぎる回答である……。
「いえ、あなたしか無理です」
……即座に却下されました。はい。もう何かこう、スッパーンと切り捨てられたのである。結菜は何故……と思った。逃げ道が着々と潰されてゆくのを感じる。
「世界を一緒に助けましょう‼」
……言い切りやがった。言い切りやがりました‼結菜が一番聞きたくなかったことを笑顔で‼賢者の笑顔がキラッキラッしている。テカっているわけではないよ?そのくらい、いい笑顔だったのだ。目が‼目がぁぁぁ‼と言いたくなるくらいに……。
それにしても、ふと結菜は考えてみた。ゆっくり今さっきの言葉を理解してゆく。
(一緒に行く……?
世界を助ける……?
この人達と一緒に……?
……ムリ‼
ムリムリムリムリムリ‼)
この際首が外れても構わないとばかりに全力で脳が否定する。
そもそも自分が行ったところでお荷物確定である。攻撃力がしょぼすぎるのだ。普通にゲームでの初期装備の方がまだお買い得品である。思わずぱっかーんと口を開けてしまった。本日三度目のお口ぱっかーん到来である。結菜は本気で顎が外れないか心配になってきた。
「ムリ‼絶対にムリです‼」
全力で拒否させていただきたい所である。自分の安寧のためにも、世界の安寧のためにも。
「私にはムリです‼完全にお荷物になる自信があります‼しょぼいんです私は‼魔法攻撃力が2ですよ⁉2‼試しに攻撃魔法を使ってみたら、効果全くなしです。本当ですよ⁉ファイアボール出してみたら水がぬるま湯になりました。普通なら蒸発するはずなのに‼何度も出してやっと蒸発しました。私でも信じられません。えぇ本当に!まだゲームの初期装備の方が安心して魔物も倒せますよ‼もっといい人材が王都とかならいるでしょ⁉そっちを頼ってください‼」
マシンガントークでゼイゼイ言いながら一気に言い切った。何か自分で言っておいて結菜は猛烈に悲しくなってきた。自分の言葉がザックザック胸に突き刺さる。
「……げーむ?……しょきそうび?……」
賢者が頭の上にハテナマークをいっぱい浮かべている。もしかして今が逃走のチャンスなのではと思う結菜。
「そんなことはお前に期待してない」
「まぁ、そうですね。そういう意味では全く」
ガーンとなる結菜。もうちょいオブラートに包んで言ってほしかった。結菜はコトバコワイと半泣きでぽつりと呟いた。……ご愁傷様である。
「戦闘はしなくていい。付いてきてくれれば十分だ」
「えぇ。それは私達だけでもできるので安心してください。賢者の名に誓ってあなたを守りますから」
そう言って賢者が賢者の証を差し出してきた。言い方が告白じみていているのでやめていただきたいのだが…………。
ちなみに、賢者の証とは、聖銀のみでできている鍵のことである。
聖銀はいつもは銀色に光っているけど暗闇にすると透明になり、夜空の星のようにキラキラ光るんだそう。アル達が常識と一緒に叩き込んでくれた知識である。皆グッジョブ‼
《鑑定。正真正銘賢者の証です。二人のステータスを開示しますか?―Yes · No》
(えっ、いいのかな?でも偽物だったらそれはそれで私が危ないし……)
鑑定さんが結菜の心の不安を汲み取って提案してきたようである。
しかし、結菜は見ようか見ないか迷っていた。いくらなんでも勝手に許可なく他人のステータスを見るのは気が引けたのである。
《……確認しました。彼等は勇者と賢者です。》
鑑定さんが気を利かせて教えてくれた。本当に便利ないい鑑定さんである。
しかしながら、本当に彼らがそうならば考え方を変えなくてはならないと結菜は思った。
「…………もし仮に私がついて行かなかったらどうなるんですか?」
結菜は思い切って質問してみた。……嫌な予感しかしないけど‼
「そうですね。単刀直入に言うと世界が滅びますね」
賢者がにっこりと笑って答えてくれた。まさかのヘビーすぎる回答である……。
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