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第5章 聖女として……
第四十六話 コールに似た若い騎士
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門は町の防衛の要でもあるため、辺境というわりにはしっかりしたものであった。
分厚い木の板の上に、柱のように太い丸太のような鉄の棒が交互にクロスされて頑丈だということがひと目でわかる。
町の周りは外壁がぐるりと一周しており、その外壁も石造りだ。
物見櫓のようなものまである。
流石に魔物が定期的に発生する地域だからであろうか。その警戒のしようは厳重であった。
「ほぇ~………………」
結菜はそびえ立つ石壁を見上げ、感嘆した。
足元でお座りしているロンと一緒になってぽけ~としてしまう。
騎士団の建物からは一部しか見えなかったが、石造りの外壁も頑丈そうな門扉も現代の日本では滅多にお目にかからないような代物であった。
人間、でっかくて凄そうな物を見ると感嘆するのはいつでもどこでも同じなのだ。
たぶん、初めてピラミッドとか見たら誰でもそうなる。
「「「「聖女様、こちらでございます‼」」」」
案内役をかってくれた騎士達が結菜を門の近く張ってある簡易テントのような建物の中に案内してくれた。
もはやウェルカムムードで結菜に接する騎士達。あの団長をぶっ飛ばしたからであろう。感謝が重すぎるくらいの歓迎のしようであった。
気恥ずかしくてちょっと照れている結菜に、副団長が苦笑した。
「あまり気にしないでやって下さい。これでもいい奴らなので」
「う~、はい…………」
たぶん騎士達のこのウェルカムムードはなかなか収まらないだろうなと半ば諦め始める結菜。
そんな結菜を見て、副団長はさらに苦笑を浮かべた。天幕の入り口の布を持ち上げてくれる。ありがたい。
「さて、どうぞ。中ヘ」
中に入ると、一見穏やかであった外とは違って、テントの中には物々しい雰囲気が漂っていた。
包帯を巻いていたりしている者もいる。瘴気の汚染によって青白い顔をしている者がほとんどであった。中には横になっている者もいた。
風の耳であまり大きな被害はないように思っていたのだが…………。
「ッ‼…………ひどい」
思わず息を飲む。
「ここにいる者達は皆症状が重い者達ですね。軽い者は外壁の外で魔物が来ないか待機させてあります。すぐにでも回復次第任務に戻りたかったのですが……。こればかりは仕方がないので…………。」
「治療が必要な人はここにいるので全員?」
「はい」
治療が必要なくらい重症である騎士達がこのテントに集められていた。
怪我人も多いが、瘴気汚染を受けてふらついている人も大勢いる。
瘴気の汚染を受け過ぎると、命にも関わるのだ。身体の中に溜まった瘴気は量が多いと内部に溜まり塊を作る。そして、その塊がある箇所は最悪壊死してしまうのである。……何気に瘴気汚染は恐ろしい。
瘴気汚染を受けたら、放置せずにすぐに浄化を施すのがベストな対応なのだ。
「勇者様と賢者様のおかげで助かった騎士達も多いのですが、やはり全員が無傷でいられることは………………」
顔を曇らせながら、横たわっている騎士達を副団長は眺めた。
普段共にいる彼らは家族のように大切な存在なのだと副団長はこぼした。
あの団長が駄目駄目な人間だったので、彼が実質的に隊長であった。そのためか部下である騎士達に知らず知らずに愛着が湧いてしまったのだそう。
そんな彼らが苦しそうにしている姿に、副団長は自らの心を痛めていた。
「すいません……。つい愚痴をこぼしてしまって…………」
参ったな、と頭をかく副団長。
「大丈夫ですよ‼副団長‼」
「そうそう‼俺らはそんなやわな人間じゃないですって‼」
そんな彼の肩を叩きながら、顔を曇らせている彼を励ます騎士達。
皆で支え合ってこの辺境をずっと守り続けていたのだ。彼らの顔には誇りさえ浮かんでいた。
本当にいい騎士団だな、と思う。
その微笑ましい光景に、結菜はくすりと笑った。
ちょこちょこと結菜の隣を歩きながら、ロンがあふっと大きな欠伸をした。
「……………‼」
「…………………………、…………‼」
っと突然、テントの端の方から何やら叫び声が上がった。どうやら誰かの容態が悪化したらしい。
結菜達はすぐに騎士達が集まっているその場所へ向かった。
「おい、クルト⁉しっかりしろ‼」
「くそっ‼医者だ、医者はまだなのか⁉」
「ヤバい…………。呼吸が弱くなっている」
「誰か回復ポーションを持って来い‼」
「クルトさん‼返事をしてください‼クルトさん‼」
それは一人の若い騎士であった。
結菜は彼の気配から風の耳が存在を偶に拾っていた騎士だとわかった。風の耳もそうだと教えてくれる。
そう、魔物が復活し死にかけた所を勇者が《世界の言葉》を用いて助けた、あの若い騎士である。
……結菜は一応知らないのだが、彼は初めに魔物の発生を感知し、騎士団にすぐに報告しに駆けつけたあの若い騎士でもあった。
あの魔物の攻撃の後、すぐに勇者が魔物を倒しに行ったので彼の存在はすぐにフェードアウトしてしまったのだが、結菜はどこか気になっていた。
それが、こんな所にいただなんて…………。
若い騎士は胸の部分を大怪我していた。血が留めなく溢れていたらしい。今は包帯できつく巻いているため血は出ていないが、真っ白な包帯には大量の血が滲んでいた。
「……副団長‼回復ポーションの使用許可は団長出してくれましたか⁉」
「いや、残念だが……。しかし、聖女様が聖魔法を使えるらしい。今お連れした」
副団長と騎士達が話をしているが、その間、結菜は大怪我をして横たわっている若い騎士の姿ににある強い既視感を抱いていた。
そっと近寄ると、コッと自分の靴音がなる。
近寄ってやっと気づく。
(あぁ、そっか………………。この人コールさんに似てるんだ…………)
初めてアル達に出会った時に、コールとは出会っていた。そう、あの罠大好き人間、シーフのコールである。
若い騎士は茶色の髪をしたまだ子供っぽいあどけなさが残っていた。今は固く閉じられている彼の優しげな目元はあのコールにどこか似ていた。
………とても他人事とは思えない。
結菜はそっと騎士の側にしゃがんだ。
「………………ひどい怪我。瘴気汚染まで受けちゃって……」
だらんとしている彼の手にそっと自分の手を重ねた。
(……助けたい。ううん、絶対に助ける。そうだよ。私のスキルは凄いんだから……………‼)
「鑑定さん……お願い………………‼」
ぐっと手を握る。パァァァと薄暗いテントに温かい光が広がっていった。
分厚い木の板の上に、柱のように太い丸太のような鉄の棒が交互にクロスされて頑丈だということがひと目でわかる。
町の周りは外壁がぐるりと一周しており、その外壁も石造りだ。
物見櫓のようなものまである。
流石に魔物が定期的に発生する地域だからであろうか。その警戒のしようは厳重であった。
「ほぇ~………………」
結菜はそびえ立つ石壁を見上げ、感嘆した。
足元でお座りしているロンと一緒になってぽけ~としてしまう。
騎士団の建物からは一部しか見えなかったが、石造りの外壁も頑丈そうな門扉も現代の日本では滅多にお目にかからないような代物であった。
人間、でっかくて凄そうな物を見ると感嘆するのはいつでもどこでも同じなのだ。
たぶん、初めてピラミッドとか見たら誰でもそうなる。
「「「「聖女様、こちらでございます‼」」」」
案内役をかってくれた騎士達が結菜を門の近く張ってある簡易テントのような建物の中に案内してくれた。
もはやウェルカムムードで結菜に接する騎士達。あの団長をぶっ飛ばしたからであろう。感謝が重すぎるくらいの歓迎のしようであった。
気恥ずかしくてちょっと照れている結菜に、副団長が苦笑した。
「あまり気にしないでやって下さい。これでもいい奴らなので」
「う~、はい…………」
たぶん騎士達のこのウェルカムムードはなかなか収まらないだろうなと半ば諦め始める結菜。
そんな結菜を見て、副団長はさらに苦笑を浮かべた。天幕の入り口の布を持ち上げてくれる。ありがたい。
「さて、どうぞ。中ヘ」
中に入ると、一見穏やかであった外とは違って、テントの中には物々しい雰囲気が漂っていた。
包帯を巻いていたりしている者もいる。瘴気の汚染によって青白い顔をしている者がほとんどであった。中には横になっている者もいた。
風の耳であまり大きな被害はないように思っていたのだが…………。
「ッ‼…………ひどい」
思わず息を飲む。
「ここにいる者達は皆症状が重い者達ですね。軽い者は外壁の外で魔物が来ないか待機させてあります。すぐにでも回復次第任務に戻りたかったのですが……。こればかりは仕方がないので…………。」
「治療が必要な人はここにいるので全員?」
「はい」
治療が必要なくらい重症である騎士達がこのテントに集められていた。
怪我人も多いが、瘴気汚染を受けてふらついている人も大勢いる。
瘴気の汚染を受け過ぎると、命にも関わるのだ。身体の中に溜まった瘴気は量が多いと内部に溜まり塊を作る。そして、その塊がある箇所は最悪壊死してしまうのである。……何気に瘴気汚染は恐ろしい。
瘴気汚染を受けたら、放置せずにすぐに浄化を施すのがベストな対応なのだ。
「勇者様と賢者様のおかげで助かった騎士達も多いのですが、やはり全員が無傷でいられることは………………」
顔を曇らせながら、横たわっている騎士達を副団長は眺めた。
普段共にいる彼らは家族のように大切な存在なのだと副団長はこぼした。
あの団長が駄目駄目な人間だったので、彼が実質的に隊長であった。そのためか部下である騎士達に知らず知らずに愛着が湧いてしまったのだそう。
そんな彼らが苦しそうにしている姿に、副団長は自らの心を痛めていた。
「すいません……。つい愚痴をこぼしてしまって…………」
参ったな、と頭をかく副団長。
「大丈夫ですよ‼副団長‼」
「そうそう‼俺らはそんなやわな人間じゃないですって‼」
そんな彼の肩を叩きながら、顔を曇らせている彼を励ます騎士達。
皆で支え合ってこの辺境をずっと守り続けていたのだ。彼らの顔には誇りさえ浮かんでいた。
本当にいい騎士団だな、と思う。
その微笑ましい光景に、結菜はくすりと笑った。
ちょこちょこと結菜の隣を歩きながら、ロンがあふっと大きな欠伸をした。
「……………‼」
「…………………………、…………‼」
っと突然、テントの端の方から何やら叫び声が上がった。どうやら誰かの容態が悪化したらしい。
結菜達はすぐに騎士達が集まっているその場所へ向かった。
「おい、クルト⁉しっかりしろ‼」
「くそっ‼医者だ、医者はまだなのか⁉」
「ヤバい…………。呼吸が弱くなっている」
「誰か回復ポーションを持って来い‼」
「クルトさん‼返事をしてください‼クルトさん‼」
それは一人の若い騎士であった。
結菜は彼の気配から風の耳が存在を偶に拾っていた騎士だとわかった。風の耳もそうだと教えてくれる。
そう、魔物が復活し死にかけた所を勇者が《世界の言葉》を用いて助けた、あの若い騎士である。
……結菜は一応知らないのだが、彼は初めに魔物の発生を感知し、騎士団にすぐに報告しに駆けつけたあの若い騎士でもあった。
あの魔物の攻撃の後、すぐに勇者が魔物を倒しに行ったので彼の存在はすぐにフェードアウトしてしまったのだが、結菜はどこか気になっていた。
それが、こんな所にいただなんて…………。
若い騎士は胸の部分を大怪我していた。血が留めなく溢れていたらしい。今は包帯できつく巻いているため血は出ていないが、真っ白な包帯には大量の血が滲んでいた。
「……副団長‼回復ポーションの使用許可は団長出してくれましたか⁉」
「いや、残念だが……。しかし、聖女様が聖魔法を使えるらしい。今お連れした」
副団長と騎士達が話をしているが、その間、結菜は大怪我をして横たわっている若い騎士の姿ににある強い既視感を抱いていた。
そっと近寄ると、コッと自分の靴音がなる。
近寄ってやっと気づく。
(あぁ、そっか………………。この人コールさんに似てるんだ…………)
初めてアル達に出会った時に、コールとは出会っていた。そう、あの罠大好き人間、シーフのコールである。
若い騎士は茶色の髪をしたまだ子供っぽいあどけなさが残っていた。今は固く閉じられている彼の優しげな目元はあのコールにどこか似ていた。
………とても他人事とは思えない。
結菜はそっと騎士の側にしゃがんだ。
「………………ひどい怪我。瘴気汚染まで受けちゃって……」
だらんとしている彼の手にそっと自分の手を重ねた。
(……助けたい。ううん、絶対に助ける。そうだよ。私のスキルは凄いんだから……………‼)
「鑑定さん……お願い………………‼」
ぐっと手を握る。パァァァと薄暗いテントに温かい光が広がっていった。
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