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第5章 聖女として……
第四十八話 いざ、勇者と賢者のもとへ
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そもそも怪我の回復には二つの手段がある。一つ目は回復ポーションによるもの。もう一つは回復魔法、つまりヒールによるものである。
もともと昔、怪我の治療にはヒールが使われてきた。当時は回復ポーションなどは存在しておらず、医療機関のような、いわゆる診療所などが存在していたのである。
しかし、その診療所。実は王都などの人口の多い大きな都市にやっと一つ設置されている程度で、実際はあまり知られていなかった。せいぜいあったとしても、一カ国に一つくらいだと思ってくれて構わない。
えっ?なぜそんなに少なかったのかって?それには深刻かつ切実な現実があったのだ。
回復魔法を使うには、聖魔法を使えることができなければ話にならない。回復魔法は聖属性である。聖属性持ちの者でないと逆にヒールは全く使えない。
聖属性持ちはとても珍しい上、ヒール一つ起こすのにも莫大な魔力を必要とするため非常に使い勝手が悪かった。
聖属性は聖女に付与されるユニークスキルの一つである。聖属性に目覚める者は、たいていが大昔の聖女の血を引く子孫なのであった。
しかも魔法を使えるのは主に貴族や王族。それでは一般に普及するはずもない。まぁ、時たま心優しい者が集まって民間に幅広く治癒を施していたのだが…………。
その者達が治療をしていたのがまさに診療所なのである。
しかし、彼らは貴族社会でよく非難されることが多かった。貴族階級なのに何故庶民に治療をわざわざ施すのか疑問を持つ者も少なかったのである。
よって診療所は少ない上、回復魔法を使える者も少なかったのだ。
しかもここ二百年、聖属性を持つという者は生まれていない。血が薄れてしまったのが原因と考えられている。ここで回復の手段は途絶えたかのように思えた。
しかし、近年になりようやく回復ポーションという活気的アイテムが生まれた。
そう、これがもう一つの怪我の回復の手段である。
回復ポーションは特殊な製法が必要なものの、診療所よりは普及しやすかった。今では町の騎士団に一定量配布されており、騎士団にとっても町の住人にとっても重宝されている。
ちなみに、町の住人には各騎士団が配布しているらしい。
しかし、回復ポーションにもある難点が……………。
それは全快できるヒールとは違い、回復ポーションではあまりの大怪我だと傷跡が残ってしまうことである。
そのヒールも発動者の魔力量や技術にも作用してしまうため、重症患者は全快するのが難しいのも事実。
これが一般的な常識である。
しかし、結菜はそのヒールを完全に物にしており、その上複数人にかけまくっている。大怪我だろうが無傷にしてしまう。
…………そう、あの魔力消費量がとんでもないヒールを使いこなしているのだ。
通常ならば、その魔力消費量は魔力の多い宮廷魔術師でも一回使えば魔力不足で倒れるほどの量なのである。
ヒールの無限ループなどとんでもないことであった。
結菜の凄ワザに騎士達が呆気にとられるのも無理もない。
しかし、その一方で結菜は…………
「さぁて、あと十人♪あと十人♪」
……………鼻歌交じりでヒールをかけまくっていた。
彼女からしてみれば、魔力∞&鑑定さんの完璧なサポートがあるので、そんなことなど全く気にも止めていなかった。というより、むしろ治癒をするたびに直した人が笑顔になってくれるのが嬉しくてヒールしまくっている。
その顔には魔力不足になる様子など欠片もなかった。
それも後ろから結菜を見ていた騎士達にとっては、驚愕の要素の一つとして加担していたのだが……………。
怪我をした騎士もあと残り一人となり、ふと結菜は口を開いた。
「あの、あと患者さん残り一人なので‼終わったら戻れますよ‼」
結菜はくるりと振り向いて、副団長に笑いかける。
「任務も続行できますね‼」
「はい。……さぁ、お前ら‼もう一度勇者様達の所へ行けるように準備しろ‼外壁の外で待機している騎士にも伝達しておけ‼」
「「「「はっ‼」」」」
無邪気に笑う彼女に苦笑しながら、副団長は周りの騎士達に命令を下した。
すぐに騎士達が動き出す。テントから出て行き、命令通りに行動を始めた。
結菜のヒールループも終盤に差し掛かっている。
「よし‼あなたで終わり‼」
(鑑定さん、お願いね‼)
何度目かの温かい光がテント内に広がる。
《了解。回復魔法開始。効率化を図ります。現在消費魔力総量136532。続行します。…………39%…………73%………………完了しました。終了します。》
徐々に光が収まる。光の粒がホタルの灯りのようにふわりと結菜の周り、くるくると舞って消えていく。
結菜はよいしょと立ち上がった。パンパンと膝についた土埃を払う。
「終わりました」
「ありがとうございます。今から魔物の所に行って来ます」
お礼を言う副団長に、結菜は頼み込んだ。
「あの、私も一緒にそこへ連れて行って」
「しかし、あそこは、」
渋る副団長。彼としては恩人を危険に晒したくはない。
しかし、結菜もここで引き下がるわけには行かなかった。
「わかってるよ。危険だってことくらい。でも私行かないと、……ううん、行かなきゃならないの」
やっぱり勇者と賢者のことが気になる。彼らはこの間も戦っているのだ。
これだけの人数が瘴気汚染を受けて町に帰って来た。勇者達が瘴気汚染の影響を受けているかはわからないが、決して無事なままだというわけではないだろう。きっと怪我もしているはず………。
しかし、懸念はそれだけではなかった。
自分の大切な役割は浄化。魔物が倒されても倒されても復活するほどの量の瘴気があの一帯には立ち込めているだろう。
その中に、回復したばかりの騎士達をそのまま行かせたくなかった。対策もないまま行けば、また瘴気汚染を受けてしまう。
「私も行く。行ってあの一帯を聖属性魔法使って浄化する」
結菜の決意は固かった。じっと副団長の目を見つめる結菜。そこだけはゆずれなかった。
しばらくしてため息をつきながら、副団長が苦笑して折れた。結菜のウィンである。
「……わかりました。行きましょう。でも、我々から離れないでくださいね?」
いたずらっ子みたいに指で内緒ですよ?とポーズしながら、くすりと笑って許可をくれる副団長。………いい人‼ほんとめっちゃいい人‼
「さぁ、そろそろ騎士達も準備できたでしょうし…………」
テントの入り口の布を捲りながら、副団長が結菜の方を振り返る。
結菜は薄暗い中に差し込んでくる陽光に目を細めた。
「…………さぁ、聖女様」
副団長の誘導に従って、結菜はテントの外に出た。サクッと土を踏みしめる音がする。
テントから出ると、整列した多くの騎士達が。皆一様に結菜と副団長の方を向き、真剣な光を目に灯していた。
副団長が息を吸い込み、騎士達に喝を入れた。
「さぁ、お前達‼…………行くぞ‼」
「「「おぉぉぉぉぉぉおおお‼」」」
沸き起こる騎士達の歓声。皆気合は十分であった。
決意を新たに、門の外へと皆歩みを進める。
(………勇者さん、賢者さん待ってて。今行くからさ……………)
結菜は門の外遥か先に見える、勇者達がいるはずの黒い瘴気の渦の塊を見やった。
太陽がさんさんと日光を降り注ぐ中、魔物のいる所周辺だけが闇夜のように黒い霧に包まれ、不気味に蠢きながら範囲を拡大していく。
瘴気によって、青々と生えていた草原の草もカラカラに干乾びていた。
あそこ一帯は、瘴気が濃いらしい。瘴気が集まり、渦を巻いている。
今こそ賢者と勇者のもとへ。一同の心は皆一致していた。
副団長率いる騎士達は聖女である結菜を連れて、勇者と賢者の元へと向かって行った。
もともと昔、怪我の治療にはヒールが使われてきた。当時は回復ポーションなどは存在しておらず、医療機関のような、いわゆる診療所などが存在していたのである。
しかし、その診療所。実は王都などの人口の多い大きな都市にやっと一つ設置されている程度で、実際はあまり知られていなかった。せいぜいあったとしても、一カ国に一つくらいだと思ってくれて構わない。
えっ?なぜそんなに少なかったのかって?それには深刻かつ切実な現実があったのだ。
回復魔法を使うには、聖魔法を使えることができなければ話にならない。回復魔法は聖属性である。聖属性持ちの者でないと逆にヒールは全く使えない。
聖属性持ちはとても珍しい上、ヒール一つ起こすのにも莫大な魔力を必要とするため非常に使い勝手が悪かった。
聖属性は聖女に付与されるユニークスキルの一つである。聖属性に目覚める者は、たいていが大昔の聖女の血を引く子孫なのであった。
しかも魔法を使えるのは主に貴族や王族。それでは一般に普及するはずもない。まぁ、時たま心優しい者が集まって民間に幅広く治癒を施していたのだが…………。
その者達が治療をしていたのがまさに診療所なのである。
しかし、彼らは貴族社会でよく非難されることが多かった。貴族階級なのに何故庶民に治療をわざわざ施すのか疑問を持つ者も少なかったのである。
よって診療所は少ない上、回復魔法を使える者も少なかったのだ。
しかもここ二百年、聖属性を持つという者は生まれていない。血が薄れてしまったのが原因と考えられている。ここで回復の手段は途絶えたかのように思えた。
しかし、近年になりようやく回復ポーションという活気的アイテムが生まれた。
そう、これがもう一つの怪我の回復の手段である。
回復ポーションは特殊な製法が必要なものの、診療所よりは普及しやすかった。今では町の騎士団に一定量配布されており、騎士団にとっても町の住人にとっても重宝されている。
ちなみに、町の住人には各騎士団が配布しているらしい。
しかし、回復ポーションにもある難点が……………。
それは全快できるヒールとは違い、回復ポーションではあまりの大怪我だと傷跡が残ってしまうことである。
そのヒールも発動者の魔力量や技術にも作用してしまうため、重症患者は全快するのが難しいのも事実。
これが一般的な常識である。
しかし、結菜はそのヒールを完全に物にしており、その上複数人にかけまくっている。大怪我だろうが無傷にしてしまう。
…………そう、あの魔力消費量がとんでもないヒールを使いこなしているのだ。
通常ならば、その魔力消費量は魔力の多い宮廷魔術師でも一回使えば魔力不足で倒れるほどの量なのである。
ヒールの無限ループなどとんでもないことであった。
結菜の凄ワザに騎士達が呆気にとられるのも無理もない。
しかし、その一方で結菜は…………
「さぁて、あと十人♪あと十人♪」
……………鼻歌交じりでヒールをかけまくっていた。
彼女からしてみれば、魔力∞&鑑定さんの完璧なサポートがあるので、そんなことなど全く気にも止めていなかった。というより、むしろ治癒をするたびに直した人が笑顔になってくれるのが嬉しくてヒールしまくっている。
その顔には魔力不足になる様子など欠片もなかった。
それも後ろから結菜を見ていた騎士達にとっては、驚愕の要素の一つとして加担していたのだが……………。
怪我をした騎士もあと残り一人となり、ふと結菜は口を開いた。
「あの、あと患者さん残り一人なので‼終わったら戻れますよ‼」
結菜はくるりと振り向いて、副団長に笑いかける。
「任務も続行できますね‼」
「はい。……さぁ、お前ら‼もう一度勇者様達の所へ行けるように準備しろ‼外壁の外で待機している騎士にも伝達しておけ‼」
「「「「はっ‼」」」」
無邪気に笑う彼女に苦笑しながら、副団長は周りの騎士達に命令を下した。
すぐに騎士達が動き出す。テントから出て行き、命令通りに行動を始めた。
結菜のヒールループも終盤に差し掛かっている。
「よし‼あなたで終わり‼」
(鑑定さん、お願いね‼)
何度目かの温かい光がテント内に広がる。
《了解。回復魔法開始。効率化を図ります。現在消費魔力総量136532。続行します。…………39%…………73%………………完了しました。終了します。》
徐々に光が収まる。光の粒がホタルの灯りのようにふわりと結菜の周り、くるくると舞って消えていく。
結菜はよいしょと立ち上がった。パンパンと膝についた土埃を払う。
「終わりました」
「ありがとうございます。今から魔物の所に行って来ます」
お礼を言う副団長に、結菜は頼み込んだ。
「あの、私も一緒にそこへ連れて行って」
「しかし、あそこは、」
渋る副団長。彼としては恩人を危険に晒したくはない。
しかし、結菜もここで引き下がるわけには行かなかった。
「わかってるよ。危険だってことくらい。でも私行かないと、……ううん、行かなきゃならないの」
やっぱり勇者と賢者のことが気になる。彼らはこの間も戦っているのだ。
これだけの人数が瘴気汚染を受けて町に帰って来た。勇者達が瘴気汚染の影響を受けているかはわからないが、決して無事なままだというわけではないだろう。きっと怪我もしているはず………。
しかし、懸念はそれだけではなかった。
自分の大切な役割は浄化。魔物が倒されても倒されても復活するほどの量の瘴気があの一帯には立ち込めているだろう。
その中に、回復したばかりの騎士達をそのまま行かせたくなかった。対策もないまま行けば、また瘴気汚染を受けてしまう。
「私も行く。行ってあの一帯を聖属性魔法使って浄化する」
結菜の決意は固かった。じっと副団長の目を見つめる結菜。そこだけはゆずれなかった。
しばらくしてため息をつきながら、副団長が苦笑して折れた。結菜のウィンである。
「……わかりました。行きましょう。でも、我々から離れないでくださいね?」
いたずらっ子みたいに指で内緒ですよ?とポーズしながら、くすりと笑って許可をくれる副団長。………いい人‼ほんとめっちゃいい人‼
「さぁ、そろそろ騎士達も準備できたでしょうし…………」
テントの入り口の布を捲りながら、副団長が結菜の方を振り返る。
結菜は薄暗い中に差し込んでくる陽光に目を細めた。
「…………さぁ、聖女様」
副団長の誘導に従って、結菜はテントの外に出た。サクッと土を踏みしめる音がする。
テントから出ると、整列した多くの騎士達が。皆一様に結菜と副団長の方を向き、真剣な光を目に灯していた。
副団長が息を吸い込み、騎士達に喝を入れた。
「さぁ、お前達‼…………行くぞ‼」
「「「おぉぉぉぉぉぉおおお‼」」」
沸き起こる騎士達の歓声。皆気合は十分であった。
決意を新たに、門の外へと皆歩みを進める。
(………勇者さん、賢者さん待ってて。今行くからさ……………)
結菜は門の外遥か先に見える、勇者達がいるはずの黒い瘴気の渦の塊を見やった。
太陽がさんさんと日光を降り注ぐ中、魔物のいる所周辺だけが闇夜のように黒い霧に包まれ、不気味に蠢きながら範囲を拡大していく。
瘴気によって、青々と生えていた草原の草もカラカラに干乾びていた。
あそこ一帯は、瘴気が濃いらしい。瘴気が集まり、渦を巻いている。
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