56 / 75
第5章 聖女として……
第五十四話 浄化タイム
しおりを挟む
風切り音が耳元で鳴る。
「ロン‼気づかれないようにね‼」
『わかっておる。視界に入らないように回り込めばいいのだろう?』
「よくわかってんじゃんっ」
軽口を叩いてしまうのはご愛嬌。
正面特攻を仕掛けていたロンが、グイッと方向転換し、魔物の背後側へと進んだ。
凄いスピードであった。
「わっ⁉」
急な方向転換に体勢が崩れそうになる。
しかし、流石賢者さんである。そこはしっかりサポートしてくれた。後ろに重心が引っ張られた自分の身体を難なく支えてくれる。
「あっ、ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
走るロンに並走しながら、にこりと笑う賢者。……何でそんな速度で走れるのか不思議すぎる。
「重心を取るには自分の身体の中心を安定させるイメージですよ」
「安定させる?」
「はい。乗馬と同じ感覚です。身体を前に倒すようにすればできますから」
「……おっと………こう、かな。……よっと………。うん‼安定した‼」
「上手です。上手く乗れてますよ」
「ありがと」
「いえいえ。……さぁ、そろそろですよ。背後を取りました」
そうこうしている内に、ロンはあっと言う間に魔物の背後を取っていた。
流石元ダンジョンマスターである。魔物が気づかないぎりぎりの所を通ったようだ。
魔物はすでに弱りきっていて、まだ尚攻撃の手を止めない勇者達のおかげで回復の兆しは見られない。
背後から見るとそれがはっきりわかる。
煌めく光がまた飛ぶ。さらに追い詰められていく魔物。勇猛果敢に突撃する騎士と勇者達の姿は最後の一撃に繋ごうとしているかのようである。
皆が預けてくれているこのチャンスを逃してはならない。
ロンと賢者と共に魔物の背後へと突っ込んでゆく。ロンが土を蹴る音が結菜の耳の中で木霊した。
結菜はその最後の一撃を出すため、鑑定さんに意識を向けた。
(……さぁ、鑑定さん‼教えて‼最適な魔法を!)
《了解。まず自分の中にある魔力を感じてください》
待て。いや待て。そこからですか⁉鑑定さん‼
あんまりである。結菜は間に合うのだろうかと焦りを覚えた。
いやしかし、魔法を使うにはまず魔力感知しなきゃできないのはゲームでも漫画でも定番。ごちゃごちゃ言ってないで何とかしなくてはならない。
ええい‼ままよ‼と結菜は目を閉じて、自分の中へと意識を傾けた。
ドクンドクンと心臓の音に合わせて血液が流れているのを感じる。
しかし、それだけではなく、そこに血液とは別の何かが全身をゆったりと漂っているのも感じた。
それはエネルギーを持つかのように細胞と細胞の間を行き来している。さらさらと巡るそれは血液とは違って、結菜が集まれと命じれば集まって欲しい箇所にゆったりと集まった。
(ん?これが魔力、なのかな?何か暖かい……)
《それが魔力です。魔力感知に成功しました。自動的に魔力操作も成功。魔法の発動条件を満たしました。スキル《鑑定+》の補助により、魔力感知と魔力操作を統合させます。…………成功しました。次に、魔法の発動を効率化·最適化をするためにスキル《鑑定+》の付与効果《演算処理》を管理者の韻律に刻みます。………46%…………97%……成功しました。これで魔法がすぐに使えるようになりました》
……うん、何か鑑定さんが色々してくれた。相変わらず鑑定さんは鑑定さんであった。
というか、自分が想像していた魔法への道と何か違う気がする。
色々すっ飛ばされた。すっ飛ばされてしまった。魔法を使うには魔力操作とか感知とかにまず時間がかかって、その上さらに魔法の発動にも時間がかかるものではないのだろうか。
魔法の特訓とか練習とかもすっ飛ばすとは、これいかに‼
脱力したくなった結菜であった。
いや、まぁこの状況下では有り難いことこの上ないのだが………。今から魔法の練習とか無理ゲーだし…………。
《では、聖魔法を教えます。…………………》
結菜は自分の記憶力を駆使して何とか鑑定さんが教えてくれたその聖魔法の発動の仕方を覚えた。
ふむふむと頷く。
大丈夫。何とか覚えられたようだ。
「ユーナさん、もうすぐで魔物に最接近します‼頼みますよ‼」
賢者の声にはっとなる。目を開けると、もう間近に魔物の背中が迫っていた。
いいタイミングである。聖魔法の発動方法も頭の中にちゃんと残っている。これなら行ける。
体長約10メートル以上ある魔物の巨大は、たぶんロンの真の姿よりも大きい。
進化したのも大きさに何らかの関係があるに違いない。
この魔物にどれだけ魔法が効くのか。何処に行けば最高な攻撃となり、浄化が成功するのか。それは自ずと三人にはわかった。
『主っ‼飛ぶぞ‼』
「うん‼」
「私は援護をします‼安心して聖魔法を発動してください‼絶対に魔物にあなたを怪我させはしませんから‼」
「わかった!後は任せて‼」
胃がグンと持ち上げられる感覚がする。ジェットコースターの落下する時と同じだ。
ロンの跳躍。
それは音も最小限に抑えられており、魔物の頭上に届くほどのものであった。
「c_hV_g---E ー空中体勢維持ー」
賢者が結菜達が空中で居られるようにサポートしてくれる。流石賢者さんである。落下しながら初めての聖魔法発動とか遠慮したい。
跳躍したロンの身体が、魔物の頭上の空中でピタリと止まった。体勢が安定する。
グルァァァァァァァァァァ‼
今まで騎士や勇者の攻撃を捌こうとしていた魔物がバッと振り向き、遥か頭上で浮かび上がる結菜とロンに焦点の合わない濁った目を向けた。
流石にここまで近距離だと気づかれたようだ。
おそらく、本能で身の危険を感じ取ったのだろう。だって、音もなく自分達は魔物に接近したのだから。
紅い色をした瞳が結菜の姿を捉えた。魔物の口がニィィと歪んだ笑みを零した。
(……ッ!気づかれた……⁉)
ざっと血の気が引く。自分が最後の留めを刺す者だと魔物はわかったのだ。獲物をようやく見つけたような目で見上げてくる。
ぐわっと大きく口を開けて、結菜の命を摘み取ろうとしてくる。瀕死とは思えないスピードであった。
「させませんよ………‼」
今か今かと結菜に迫る魔物の口に向かって、賢者が魔法を放った。
網の形をした魔法の光が魔物の口周りに絡みつく。魔法の捕縛網は結菜への攻撃を無効化した。
続けて、跳躍した勇者がサクリと魔物の喉付近に剣を振り抜いた。
瘴気が舞い散る。魔物は捕縛網のせいで雄叫びをあげることさえできずに、蹲るようにして崩れた。
賢者が結菜に叫んだ。
「今ですっ‼」
「うん‼」
魔力を全開にする。もう遠慮はなしだ。結菜を中心に膨大な魔力の奔流が生まれる。
リミッターを外された魔力は大気をビリビリ震わせ、瘴気の渦が作り出した風さえも支配下に置く。今まで吹いていた風がピタリと止んだ。
濃密な魔力による圧力が草原一帯を包み込む。それは瘴気の渦の外まで広がり続けた。
賢者も勇者も、もちろん騎士達も呆気に取られて何も口を出せない。
魔力は結菜の意思とは関係なく、崩れ落ちた魔物の身体に絡み付き、魔物は身動きさえできない状態にまでなっていた。発動者の邪魔はさせないとでも言うかのように……。
鑑定さんが結菜の魔力により騎士や勇者達が魔力酔いを起こさないように、必死になって彼らの周囲の魔力を制御しているのを結菜はなんとなく頭の片隅で感じ取った。
鑑定さんがサポートしてくれているのがわかり、さらにリミッターを外した。
「……さぁ、いくよ‼」
自分の聖魔法のイメージを頭の中で象る。浄化と言われてもなかなか検討がつかないが、全力でやれば何とかなるだろう。
魔力が結菜の周りに結集し、結菜のイメージを再現すべく魔法陣が空中に描かれていく。
鑑定さんが結菜が苦もなく魔法を使えるようにしてくれたからかその工程はスムーズに行われた。
「……何だよ。あれ………………」
宮廷魔術師でも少しでも編むのが困難なはずの最高レベルの魔法陣。それが難なく高速で展開されていく。
そして、…………『ソレ』は完成した。
『ソレ』は空を埋め尽くす。瘴気のドームを突き抜けて、さらに大空に広がる。
まさに圧巻であった。
騎士も勇者達も、『ソレ』を見つけた辺境の町民も動くこともできず、ただ完成された『ソレ』を見上げていた。
今まで続いていた喧騒が止み、静寂が訪れる。
結菜が閉じた目をそっと開いた。
そしてーーーーー。
「【浄化】」
結菜の一言を歯切りに、魔法陣が神々しいほどの光を放つ。大気中にある瘴気が尽く『ソレ』に吸い込まれていく。瘴気ドームもあっと言う間に消え去り、吸い込まれていった。
傷ついた魔物もザァァと塵のように崩れ去り、上空に浮かび上がる魔法陣に吸い付くされる。
瘴気汚染を受けた諸々な物も浄化される。
「………息が、苦しくない………?」
何処かの誰かがポツリと呟いた。
「ロン‼気づかれないようにね‼」
『わかっておる。視界に入らないように回り込めばいいのだろう?』
「よくわかってんじゃんっ」
軽口を叩いてしまうのはご愛嬌。
正面特攻を仕掛けていたロンが、グイッと方向転換し、魔物の背後側へと進んだ。
凄いスピードであった。
「わっ⁉」
急な方向転換に体勢が崩れそうになる。
しかし、流石賢者さんである。そこはしっかりサポートしてくれた。後ろに重心が引っ張られた自分の身体を難なく支えてくれる。
「あっ、ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
走るロンに並走しながら、にこりと笑う賢者。……何でそんな速度で走れるのか不思議すぎる。
「重心を取るには自分の身体の中心を安定させるイメージですよ」
「安定させる?」
「はい。乗馬と同じ感覚です。身体を前に倒すようにすればできますから」
「……おっと………こう、かな。……よっと………。うん‼安定した‼」
「上手です。上手く乗れてますよ」
「ありがと」
「いえいえ。……さぁ、そろそろですよ。背後を取りました」
そうこうしている内に、ロンはあっと言う間に魔物の背後を取っていた。
流石元ダンジョンマスターである。魔物が気づかないぎりぎりの所を通ったようだ。
魔物はすでに弱りきっていて、まだ尚攻撃の手を止めない勇者達のおかげで回復の兆しは見られない。
背後から見るとそれがはっきりわかる。
煌めく光がまた飛ぶ。さらに追い詰められていく魔物。勇猛果敢に突撃する騎士と勇者達の姿は最後の一撃に繋ごうとしているかのようである。
皆が預けてくれているこのチャンスを逃してはならない。
ロンと賢者と共に魔物の背後へと突っ込んでゆく。ロンが土を蹴る音が結菜の耳の中で木霊した。
結菜はその最後の一撃を出すため、鑑定さんに意識を向けた。
(……さぁ、鑑定さん‼教えて‼最適な魔法を!)
《了解。まず自分の中にある魔力を感じてください》
待て。いや待て。そこからですか⁉鑑定さん‼
あんまりである。結菜は間に合うのだろうかと焦りを覚えた。
いやしかし、魔法を使うにはまず魔力感知しなきゃできないのはゲームでも漫画でも定番。ごちゃごちゃ言ってないで何とかしなくてはならない。
ええい‼ままよ‼と結菜は目を閉じて、自分の中へと意識を傾けた。
ドクンドクンと心臓の音に合わせて血液が流れているのを感じる。
しかし、それだけではなく、そこに血液とは別の何かが全身をゆったりと漂っているのも感じた。
それはエネルギーを持つかのように細胞と細胞の間を行き来している。さらさらと巡るそれは血液とは違って、結菜が集まれと命じれば集まって欲しい箇所にゆったりと集まった。
(ん?これが魔力、なのかな?何か暖かい……)
《それが魔力です。魔力感知に成功しました。自動的に魔力操作も成功。魔法の発動条件を満たしました。スキル《鑑定+》の補助により、魔力感知と魔力操作を統合させます。…………成功しました。次に、魔法の発動を効率化·最適化をするためにスキル《鑑定+》の付与効果《演算処理》を管理者の韻律に刻みます。………46%…………97%……成功しました。これで魔法がすぐに使えるようになりました》
……うん、何か鑑定さんが色々してくれた。相変わらず鑑定さんは鑑定さんであった。
というか、自分が想像していた魔法への道と何か違う気がする。
色々すっ飛ばされた。すっ飛ばされてしまった。魔法を使うには魔力操作とか感知とかにまず時間がかかって、その上さらに魔法の発動にも時間がかかるものではないのだろうか。
魔法の特訓とか練習とかもすっ飛ばすとは、これいかに‼
脱力したくなった結菜であった。
いや、まぁこの状況下では有り難いことこの上ないのだが………。今から魔法の練習とか無理ゲーだし…………。
《では、聖魔法を教えます。…………………》
結菜は自分の記憶力を駆使して何とか鑑定さんが教えてくれたその聖魔法の発動の仕方を覚えた。
ふむふむと頷く。
大丈夫。何とか覚えられたようだ。
「ユーナさん、もうすぐで魔物に最接近します‼頼みますよ‼」
賢者の声にはっとなる。目を開けると、もう間近に魔物の背中が迫っていた。
いいタイミングである。聖魔法の発動方法も頭の中にちゃんと残っている。これなら行ける。
体長約10メートル以上ある魔物の巨大は、たぶんロンの真の姿よりも大きい。
進化したのも大きさに何らかの関係があるに違いない。
この魔物にどれだけ魔法が効くのか。何処に行けば最高な攻撃となり、浄化が成功するのか。それは自ずと三人にはわかった。
『主っ‼飛ぶぞ‼』
「うん‼」
「私は援護をします‼安心して聖魔法を発動してください‼絶対に魔物にあなたを怪我させはしませんから‼」
「わかった!後は任せて‼」
胃がグンと持ち上げられる感覚がする。ジェットコースターの落下する時と同じだ。
ロンの跳躍。
それは音も最小限に抑えられており、魔物の頭上に届くほどのものであった。
「c_hV_g---E ー空中体勢維持ー」
賢者が結菜達が空中で居られるようにサポートしてくれる。流石賢者さんである。落下しながら初めての聖魔法発動とか遠慮したい。
跳躍したロンの身体が、魔物の頭上の空中でピタリと止まった。体勢が安定する。
グルァァァァァァァァァァ‼
今まで騎士や勇者の攻撃を捌こうとしていた魔物がバッと振り向き、遥か頭上で浮かび上がる結菜とロンに焦点の合わない濁った目を向けた。
流石にここまで近距離だと気づかれたようだ。
おそらく、本能で身の危険を感じ取ったのだろう。だって、音もなく自分達は魔物に接近したのだから。
紅い色をした瞳が結菜の姿を捉えた。魔物の口がニィィと歪んだ笑みを零した。
(……ッ!気づかれた……⁉)
ざっと血の気が引く。自分が最後の留めを刺す者だと魔物はわかったのだ。獲物をようやく見つけたような目で見上げてくる。
ぐわっと大きく口を開けて、結菜の命を摘み取ろうとしてくる。瀕死とは思えないスピードであった。
「させませんよ………‼」
今か今かと結菜に迫る魔物の口に向かって、賢者が魔法を放った。
網の形をした魔法の光が魔物の口周りに絡みつく。魔法の捕縛網は結菜への攻撃を無効化した。
続けて、跳躍した勇者がサクリと魔物の喉付近に剣を振り抜いた。
瘴気が舞い散る。魔物は捕縛網のせいで雄叫びをあげることさえできずに、蹲るようにして崩れた。
賢者が結菜に叫んだ。
「今ですっ‼」
「うん‼」
魔力を全開にする。もう遠慮はなしだ。結菜を中心に膨大な魔力の奔流が生まれる。
リミッターを外された魔力は大気をビリビリ震わせ、瘴気の渦が作り出した風さえも支配下に置く。今まで吹いていた風がピタリと止んだ。
濃密な魔力による圧力が草原一帯を包み込む。それは瘴気の渦の外まで広がり続けた。
賢者も勇者も、もちろん騎士達も呆気に取られて何も口を出せない。
魔力は結菜の意思とは関係なく、崩れ落ちた魔物の身体に絡み付き、魔物は身動きさえできない状態にまでなっていた。発動者の邪魔はさせないとでも言うかのように……。
鑑定さんが結菜の魔力により騎士や勇者達が魔力酔いを起こさないように、必死になって彼らの周囲の魔力を制御しているのを結菜はなんとなく頭の片隅で感じ取った。
鑑定さんがサポートしてくれているのがわかり、さらにリミッターを外した。
「……さぁ、いくよ‼」
自分の聖魔法のイメージを頭の中で象る。浄化と言われてもなかなか検討がつかないが、全力でやれば何とかなるだろう。
魔力が結菜の周りに結集し、結菜のイメージを再現すべく魔法陣が空中に描かれていく。
鑑定さんが結菜が苦もなく魔法を使えるようにしてくれたからかその工程はスムーズに行われた。
「……何だよ。あれ………………」
宮廷魔術師でも少しでも編むのが困難なはずの最高レベルの魔法陣。それが難なく高速で展開されていく。
そして、…………『ソレ』は完成した。
『ソレ』は空を埋め尽くす。瘴気のドームを突き抜けて、さらに大空に広がる。
まさに圧巻であった。
騎士も勇者達も、『ソレ』を見つけた辺境の町民も動くこともできず、ただ完成された『ソレ』を見上げていた。
今まで続いていた喧騒が止み、静寂が訪れる。
結菜が閉じた目をそっと開いた。
そしてーーーーー。
「【浄化】」
結菜の一言を歯切りに、魔法陣が神々しいほどの光を放つ。大気中にある瘴気が尽く『ソレ』に吸い込まれていく。瘴気ドームもあっと言う間に消え去り、吸い込まれていった。
傷ついた魔物もザァァと塵のように崩れ去り、上空に浮かび上がる魔法陣に吸い付くされる。
瘴気汚染を受けた諸々な物も浄化される。
「………息が、苦しくない………?」
何処かの誰かがポツリと呟いた。
12
あなたにおすすめの小説
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる