57 / 75
第5章 聖女として……
第五十五話 任務完了‼
しおりを挟む
瘴気による暗がりが一切なくなり、みるみるうちに隠れていた太陽が顔を出す。
結菜は想像以上の結果に小躍りしたくなった。
結菜は浄化魔法を発動する際に、いわゆるアニメや自分のゲームなどのイメージを採用して発動をしていた。もうレベルMAXに近いキャラクターが使うアレである。
まぁ簡単に言うと、チートキャラの放つ魔法と同じレベルのものを想像してしまっていたのである。
オンラインゲーム上ではそんなキャラは何人もいた。その環境に慣れている結菜が自重するという感覚を持っているのか自体が怪しい………。
つまり、彼女の感覚とこの世界での感覚にはかなりズレている所があるのである。
結菜が純粋に喜びの感情を抱く中、周りでその光景を見ていた者達が今どうしているのかは想像に難くない。
(おっと、まだ魔法は終わってなかったんだっけ……)
上を向くと、魔法陣は瘴気を後少しで吸いきるところであった。
風がピタリと止まった中で、残りの霧が魔法陣を取り囲んだ瞬間、
シャァァァァァァン……………
清涼な鈴の音のような音が響き渡る。光が魔法陣から吹き出して、役目を果たしたとばかりに光の粒となった。
温かい光の波が辺りに広がる。
そよ風がさらりと頬をなでた。
結菜は静まり返った空気が徐々に元に戻っていくのを感じた。
念のため身体にかけていた聖魔法を解く。
あのピリッと肌を刺す感じはない。瘴気が一切なくなったのである。
(ねぇ、これ成功だよね?)
《はい。現在瘴気は大気中に残っていません。管理者の魔力が惜しげもなく使用されたため、広範囲の瘴気が浄化されました》
これならしばらく魔物が発生することはないと鑑定さんが断言してくれた。
ならもう一安心である。
結菜はホッとため息を付きながら、天高く登る太陽を仰いだ。
賢者達の元へ戻ると、皆興奮したように駆け寄ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま‼賢者さん」
「……よくやったな。凄かったぞ」
「うわっ⁉ゆ、勇者さん?」
「聖女様‼あの魔法どうやったんですか⁉」
「感動しました!姉さんと呼ばせてください‼」
ロンから降りた結菜の頭をガシガシ撫でてくる勇者。それをにこやかに笑いながら、賢者が結菜に声をかける。
(ん?てか姉さん?なんで姉さん?)
何か強烈な違和感を感じ、口々に声をかけてくる騎士の方向を見る。
(幻聴?…………じゃないね………)
キラキラした目でこっちを見てくる騎士達。しっぽが見えそうである。例えるなら忠犬、かな?
「えっと~。なんで姉さん?」
疑問解決が先である。結菜は乱れた髪を手櫛で直しながら、尋ねた。
「「「「かっこいいからです‼」」」」
「……………はい?」
「あんな魔法使えるなんて憧れですよ‼物語の中の人みたいです‼」
「それに、団長ぶっ飛ばしてくれたしな」
「えっ⁉あの団長を⁉」
「おう‼なぁ、聞いてくれよ。かくかくしかじかで…………」
そのまるで自分の自慢をするように話す騎士に熱心に耳を傾ける周りの騎士達。
結菜と賢者は勇者顔を見合わせた。
「……ねぇ、どうしたらいいの?これ」
『………………………』
「さぁ」
「安心しろ。すぐに収まる」
それ、求めた回答じゃないです。結菜は遠くに目をやった。どうしてこうなったんだ?と頭がショートしそうになる。……自分が蒔いた種だとは気づかない結菜であった。
今度は他の騎士が回復魔法のことを話し始めた。ワイワイ盛り上がる騎士達。
「おい、お前達。そろそろその辺にして置け。町に帰ってからでも出来るだろう」
一番冷静であった副団長が興奮気味な彼らを見かねたようだ。
「さぁ戻るぞ」
「「「「はっ‼」」」」
この時ばかりは本気で感謝の舞を踊りたくなった結菜であった。有り難い限りである。
草が枯れきって、その枯れた草さえもない大地が広がっている。
そんな中、町へと一行は戻り始めた。
茶色い地面が覗く大地はまたすぐに元気を取り戻すだろう。
青々としたその姿がまぶたの裏に思い浮かぶようだ。今度来た時、それが見れたらいいなと思う。
「ロン、そろそろ」
『うむ。わかっておるのだ。もうすぐ町中だからな』
結菜の隣を歩いていたロンが了解したとばかりに頷く。
ロンが元のミニマムサイズになって結菜の頭の上を占領した。
満足気にあふっとあくびをして、丸くなる。
「………ロン。重い」
『筋トレなのだ。筋トレ』
存外に退いて欲しいと頼む結菜の要請をあっさりロンは退ける。
何処が筋トレだ。結菜は救いを求めて勇者を見た。
「似合ってるぞ」
違ぁぁぁぁぁぁぁあう‼そうじゃない‼あまりの見当違いな回答であった。
今度はバッと賢者を見つめる。何とかしてと。
「帽子みたいですね」
さっぱりした笑顔で返された。手を貸すつもりはないらしい。
「姉さん!似合ってるッスよ‼」
まだ姉さんと呼ぶ者が一名。
「いいですね‼その子、ロンって名前なんですよね?後でちょっとお借りしてもいいですか?」
もふもふを堪能しようとする者が一名。
「素晴らしいファッションセンスですね!僕も真似したいです‼」
ちょっとよくわからない者が一名。
何だかロンを退けられそうにないらしい。
ガックリと肩を落としながら、結菜はため息をついた。魔力を使いすぎて言い返す気力さえわかない。
帰ったら侍女さんにあの美味しい紅茶を用意してもらおう。
ふと、自分の今思ったことを振り返って、結菜は足を止めた。
「ん?……帰ったら、か」
あぁ、自分の居場所なんだな、と実感する。
皆が優しくて勇者さんとも賢者さんとも皆との生活が色鮮やかだ。もちろんロンも。
(そういえば、まだ二ヶ月もたってないんだっけ。この世界に来て)
どうして自分がこの世界に迷い込んでしまったのかまだわからない。元の世界への思いが何もないわけではない。
でも、今自分は充実している。何だかんだ言っても聖女になって良かったなと結菜はくすりと微笑んだ。
(人助けもできるし、何か楽しいし!)
ただ、とりあえず自分の自由にこの世界を満喫しようと今は考える。だってわからないことも後でわかるはずだから。
いきなり立ち止まって笑顔を浮かべた結菜を、賢者が不思議そうに見つめた。
「どうかしましたか?」
「行くぞ」
またワシワシ頭を撫でられる。なんでだろうか。頭撫でるのが好きなんだろうか。
「ううん。なんでもないよ」
考え事は後にまわすことにした。自分を待ってくれている皆の元へと歩を進める。
「姉さん!今日は広場で宴会があるかもですよ‼」
「おい。聖女様だ、聖女様。まぁでも今回は町中の皆で祝勝会でもあるかもな」
「そうだね~。もしかすると、この町も壊滅するかもだったんだし。あるでしょ」
「姉さん‼どうか参加なさってください‼」
「……姉さん。まぁいっか」
なんだろう。「姉さん」が定着しそうである。まぁ彼らは親しみを込めて言ってくれているので何だか言いづらい。悪気は全くないようだし……。
結菜は勇者と賢者を見つめた。
「いいですね、祝勝会。これから王都に向かうと中継の町につく前に途中で夜になりますし。今日はお世話になりましょう」
「そうだな。ユーナも疲れを癒やすべきだしな」
決定したようである。
避難していた村人達や町人達が無事な帰りを喜び、歓迎する中、一行は明るい雰囲気で一旦辺境騎士団本部へと戻って行った。
結菜は想像以上の結果に小躍りしたくなった。
結菜は浄化魔法を発動する際に、いわゆるアニメや自分のゲームなどのイメージを採用して発動をしていた。もうレベルMAXに近いキャラクターが使うアレである。
まぁ簡単に言うと、チートキャラの放つ魔法と同じレベルのものを想像してしまっていたのである。
オンラインゲーム上ではそんなキャラは何人もいた。その環境に慣れている結菜が自重するという感覚を持っているのか自体が怪しい………。
つまり、彼女の感覚とこの世界での感覚にはかなりズレている所があるのである。
結菜が純粋に喜びの感情を抱く中、周りでその光景を見ていた者達が今どうしているのかは想像に難くない。
(おっと、まだ魔法は終わってなかったんだっけ……)
上を向くと、魔法陣は瘴気を後少しで吸いきるところであった。
風がピタリと止まった中で、残りの霧が魔法陣を取り囲んだ瞬間、
シャァァァァァァン……………
清涼な鈴の音のような音が響き渡る。光が魔法陣から吹き出して、役目を果たしたとばかりに光の粒となった。
温かい光の波が辺りに広がる。
そよ風がさらりと頬をなでた。
結菜は静まり返った空気が徐々に元に戻っていくのを感じた。
念のため身体にかけていた聖魔法を解く。
あのピリッと肌を刺す感じはない。瘴気が一切なくなったのである。
(ねぇ、これ成功だよね?)
《はい。現在瘴気は大気中に残っていません。管理者の魔力が惜しげもなく使用されたため、広範囲の瘴気が浄化されました》
これならしばらく魔物が発生することはないと鑑定さんが断言してくれた。
ならもう一安心である。
結菜はホッとため息を付きながら、天高く登る太陽を仰いだ。
賢者達の元へ戻ると、皆興奮したように駆け寄ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま‼賢者さん」
「……よくやったな。凄かったぞ」
「うわっ⁉ゆ、勇者さん?」
「聖女様‼あの魔法どうやったんですか⁉」
「感動しました!姉さんと呼ばせてください‼」
ロンから降りた結菜の頭をガシガシ撫でてくる勇者。それをにこやかに笑いながら、賢者が結菜に声をかける。
(ん?てか姉さん?なんで姉さん?)
何か強烈な違和感を感じ、口々に声をかけてくる騎士の方向を見る。
(幻聴?…………じゃないね………)
キラキラした目でこっちを見てくる騎士達。しっぽが見えそうである。例えるなら忠犬、かな?
「えっと~。なんで姉さん?」
疑問解決が先である。結菜は乱れた髪を手櫛で直しながら、尋ねた。
「「「「かっこいいからです‼」」」」
「……………はい?」
「あんな魔法使えるなんて憧れですよ‼物語の中の人みたいです‼」
「それに、団長ぶっ飛ばしてくれたしな」
「えっ⁉あの団長を⁉」
「おう‼なぁ、聞いてくれよ。かくかくしかじかで…………」
そのまるで自分の自慢をするように話す騎士に熱心に耳を傾ける周りの騎士達。
結菜と賢者は勇者顔を見合わせた。
「……ねぇ、どうしたらいいの?これ」
『………………………』
「さぁ」
「安心しろ。すぐに収まる」
それ、求めた回答じゃないです。結菜は遠くに目をやった。どうしてこうなったんだ?と頭がショートしそうになる。……自分が蒔いた種だとは気づかない結菜であった。
今度は他の騎士が回復魔法のことを話し始めた。ワイワイ盛り上がる騎士達。
「おい、お前達。そろそろその辺にして置け。町に帰ってからでも出来るだろう」
一番冷静であった副団長が興奮気味な彼らを見かねたようだ。
「さぁ戻るぞ」
「「「「はっ‼」」」」
この時ばかりは本気で感謝の舞を踊りたくなった結菜であった。有り難い限りである。
草が枯れきって、その枯れた草さえもない大地が広がっている。
そんな中、町へと一行は戻り始めた。
茶色い地面が覗く大地はまたすぐに元気を取り戻すだろう。
青々としたその姿がまぶたの裏に思い浮かぶようだ。今度来た時、それが見れたらいいなと思う。
「ロン、そろそろ」
『うむ。わかっておるのだ。もうすぐ町中だからな』
結菜の隣を歩いていたロンが了解したとばかりに頷く。
ロンが元のミニマムサイズになって結菜の頭の上を占領した。
満足気にあふっとあくびをして、丸くなる。
「………ロン。重い」
『筋トレなのだ。筋トレ』
存外に退いて欲しいと頼む結菜の要請をあっさりロンは退ける。
何処が筋トレだ。結菜は救いを求めて勇者を見た。
「似合ってるぞ」
違ぁぁぁぁぁぁぁあう‼そうじゃない‼あまりの見当違いな回答であった。
今度はバッと賢者を見つめる。何とかしてと。
「帽子みたいですね」
さっぱりした笑顔で返された。手を貸すつもりはないらしい。
「姉さん!似合ってるッスよ‼」
まだ姉さんと呼ぶ者が一名。
「いいですね‼その子、ロンって名前なんですよね?後でちょっとお借りしてもいいですか?」
もふもふを堪能しようとする者が一名。
「素晴らしいファッションセンスですね!僕も真似したいです‼」
ちょっとよくわからない者が一名。
何だかロンを退けられそうにないらしい。
ガックリと肩を落としながら、結菜はため息をついた。魔力を使いすぎて言い返す気力さえわかない。
帰ったら侍女さんにあの美味しい紅茶を用意してもらおう。
ふと、自分の今思ったことを振り返って、結菜は足を止めた。
「ん?……帰ったら、か」
あぁ、自分の居場所なんだな、と実感する。
皆が優しくて勇者さんとも賢者さんとも皆との生活が色鮮やかだ。もちろんロンも。
(そういえば、まだ二ヶ月もたってないんだっけ。この世界に来て)
どうして自分がこの世界に迷い込んでしまったのかまだわからない。元の世界への思いが何もないわけではない。
でも、今自分は充実している。何だかんだ言っても聖女になって良かったなと結菜はくすりと微笑んだ。
(人助けもできるし、何か楽しいし!)
ただ、とりあえず自分の自由にこの世界を満喫しようと今は考える。だってわからないことも後でわかるはずだから。
いきなり立ち止まって笑顔を浮かべた結菜を、賢者が不思議そうに見つめた。
「どうかしましたか?」
「行くぞ」
またワシワシ頭を撫でられる。なんでだろうか。頭撫でるのが好きなんだろうか。
「ううん。なんでもないよ」
考え事は後にまわすことにした。自分を待ってくれている皆の元へと歩を進める。
「姉さん!今日は広場で宴会があるかもですよ‼」
「おい。聖女様だ、聖女様。まぁでも今回は町中の皆で祝勝会でもあるかもな」
「そうだね~。もしかすると、この町も壊滅するかもだったんだし。あるでしょ」
「姉さん‼どうか参加なさってください‼」
「……姉さん。まぁいっか」
なんだろう。「姉さん」が定着しそうである。まぁ彼らは親しみを込めて言ってくれているので何だか言いづらい。悪気は全くないようだし……。
結菜は勇者と賢者を見つめた。
「いいですね、祝勝会。これから王都に向かうと中継の町につく前に途中で夜になりますし。今日はお世話になりましょう」
「そうだな。ユーナも疲れを癒やすべきだしな」
決定したようである。
避難していた村人達や町人達が無事な帰りを喜び、歓迎する中、一行は明るい雰囲気で一旦辺境騎士団本部へと戻って行った。
10
あなたにおすすめの小説
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる