俗物夫婦回帰転生

Jaja

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第二章 高校受験

第9話 これから

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 「後は気になるのは容姿よね」

 「それは俺も思ってた」

 これ、どうなるんだ?
 丸っ切り外見が変わると流石に困る。
 困るってか怪しまれる。急に顔が変わるんだもん。当たり前だよね。

 「これは慎重に進めるわよ。一日に一ずつ上げていくわよ。お互い注意して確認しましょう? やばいと思ったらすぐに止められるように」

 「当面はそうするしかないよな」

 じゃあとりあえず次の競馬でまたお金が増える事は考えて一週間分の350万は残しておいて…。

 「残りは750万か。学力に更に10突っ込むか?」

 「それもありね。でもスキルの確認もしておきたくないかしら? その為にカラオケに来たんだけど?」

 なるほど。確かに俺達の歌のスキルレベルは2。
 競馬や料理でその恩恵は充分理解してるけど、歌はもっと分かりやすいもんな。

 「じゃあとりあえず何か歌うか」

 タッチパネルをぺこぺこと操作して歌を決める。

 「古いわね」

 「古いな」

 そういえば過去に戻ってきてたんだった。
 そりゃ、未来の歌手を検索しても出てくる訳ないわな。
 って事で人気曲から歌えそうな曲を選曲。

 「懐かしい曲ばっかりで目移りする」

 「GReeee○とかEXIL○の全盛期よね」

 ではでは失礼して。
 採点機能もオンにしてと。

 「~~~♪ ~~~~♪ ~~~♪」

 おいおい。俺ってこんな声だったか?
 いや、普段の声からめっちゃ変わってるって訳じゃないけど、声の抜け方がすげぇ。
 自分が歌手になったと勘違いしてしまいそうになる。

 「やばくね?」

 「やばいわ」

 レベル2でこれか。このままでも歌手になれそうなんだが? 昔から素人にしては歌は上手かったけど、流石にここまでじゃない。
 高音も苦もなく出せるし、ビブラートなんかもバッチリだ。

 「私も歌ってみるわね」

 そしてそれは梓も同様。
 滅茶苦茶綺麗な声だ。普通に感動する。
 歌ってるのは西野カ○。俺達世代のど真ん中。
 本家並みに上手いんじゃなかろうか。
 流石にそれは本家に失礼かな。

 その後も二人でデュエットしたりして、普通にカラオケを楽しんだ。そしてレベルを上げるかは保留。趣味程度なら現状で充分だしね。
 時刻は既に18時半。
 遅くなる連絡もしてないし、そろそろ帰らないと母さんが心配するだろう。

 って事でカラオケを出て二人で自転車を押しながら家に帰る。
 その道中で、これからの事について話していた。

 「俺達これからどうする?」

 「これからって?」

 これは過去に戻ってきてからずっと考えていたんだけど。未来の知識を使ってやりたい放題やるのは良いだろう。
 お金をいっぱい稼ぐ事が出来たら母さん達が働かなくて済むようになるし、回帰前みたいに過労死なんてする事はなくなる。
 せっかく戻ってきたんだし、それは絶対に成し遂げたい。これには梓も同意してくれている。

 「でもさ。回帰前に言ってたじゃん? チャンネル登録者500万いきたいとか、もっと早く配信者を始めていればとか。後はチヤホヤされたいとか。それ、今なら叶えられるんじゃないかなって」

 「そうね…」

 「俺達には何故かこのステータスボードっていうチートがあるんだぜ? お金さえあれば新しくスキルも覚えられるし、上達していく。これ、配信者活動するなら滅茶苦茶有利だと思うんだ」

 「………」

 「配信者になってチヤホヤされたくない?」

 「されたい」

 「お金持ちになりたくない?」

 「なりたい」

 「ならば答えは一つ! 配信者になろうぜ!」

 「そうね!!」

 そうこなくっちゃ! 流石長年俺に付き合ってきただけあって、梓はノリが抜群だぜ!!

 「でもそれなら芸能界入りは視野に入れないの? 私達なら街中を歩いてればスカウトされると思うけど?」

 流石梓。自分の容姿に圧倒的自信を持ってらっしゃる。50なのに。平均なのに。あ、さっき上げたから51か。特に変わった感じはないけど。学力と違ってすぐに変化したりしないのかも。
 一応、上げる前に写真を撮ってある。
 これから毎日撮って変化を確認してみるつもりだ。

 「芸能界は無しだな。契約やらなんやらは面倒だし、それに少し経つとTwitte○とか、インス○とかが流行り出して一気に不祥事とかの情報が回るようになるだろ。俺達はそんなとばっちりは受けたくない」

 後十年もしないうちに芸能界は不祥事塗れでマスコミに報道される。
 天下のジャニー○や宝○が平気で叩かれる世の中になるんだ。
 俺達は未来の知識で何をやったら炎上するとかを良く分かっている。
 調子に乗らず、不祥事は一切しないクリーンな配信者を目指したい。

 「中学生でギャンブルに喫煙は普通にスキャンダルだと思うわよ?」

 「バレなきゃ良いんだバレなきゃ」

 言われてみればそうだった。
 俺も普通にやばい事してました。

 「まぁ、調子に乗ってネットに載せたりしなきゃ大丈夫だと思うけど…。盗撮とかされないように気を付けなさいね? 圭太は普通にイケメンだし、あり得る話なのよ。それが回り回ってデビューした時に流出なんかしたりしたら洒落にならないわ」

 「うむむむむ。おっしゃる通りですな」

 「まぁ、競馬場で盗撮するような人はほとんど居ないでしょ。ギャンブル馬鹿の集まりなんだから。一応次からは軽く変装して行きなさいね?」

 「りょーかいです」



 
 
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