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第4章 ギルド拡充

第64話 続・面接

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 「うははは! マジ?」

 「マジマジのマジっす!」

 面接二日目。
 今日最終の人と面接してるんだけど、なんかめっちゃ話が盛り上がってる。
 最後だから時間を気にする必要がないので、面接時間を延長してずっと喋っている。

 「いや、マジでやべぇんすよ! こんな能力を授かっちまって! お先真っ暗と思ってた所で、天魔さんが面白い能力持ちも募集してるって動画見たんで! ちょっとダメ元で応募してみたらまさかっすよ!」

 「ぶははは! 俺もその能力はちょっときついなぁ! わははは!」

 「だんちょ~がこんなに笑ってるの初めてみたかも~」

 いや、だって…。可哀想より面白いが勝っちゃう。この金髪チャラ男。自分でネタにしてるから良いけど、もっとメンタル弱い奴がこの能力持ってたらトラウマになってもおかしくないぞ。
 15歳っていう多感な時期に、こんな能力貰ってしまったら…。学校とか辛すぎると思うんだ。

 「『玩具製作(18禁)』って…。ぶふっ。だめだめ。まだ笑いが止まんない」

 「ピンポイントすぎるっすよね! せめて18禁が無ければ玩具メーカーで働かせて貰えたのに!」

 「いや、そういう玩具を作ってる業界に入れば良いじゃん! 別に俺の所じゃなくても良くない?」

 AV業界で引っ張りだこになるぞ。どんな玩具が作れるのかは知らんが。

 「そうなんすけどね。ほら、世間体があんまりよろしくないでしょ? 俺の家母子家庭で、俺の就職先のせいで母ちゃんが後ろ指を指されるのは嫌なんすよね」

 「急にぶっ込んでくるじゃん。良い奴かよ」

 人間って不思議だよねぇ。男の8割は見てるだろうAV。俺の中では女も半分以上の人間は見てると確信している。
 それなのに、そういう職についてる人を馬鹿にする風潮がある。意味がわからん。
 お世話になった事あるくせに。逆にお礼を言うべきだと思うね。

 「その点、今話題の『シークレット』に入れれば、バッチリなんすよね。給料も良いっすし」

 『シークレット』? あ、俺のギルドか。
 対外的に使徒様のギルドって言われるから、自分のギルド名をすっかり忘れてたぜ。

 「個人的には凄く入れてやりたい。面白いし。問題はその能力をどう活かすかだな」

 「普通に玩具を作ってもらってその業界に持ち込めば良いんじゃないの~? 開発者は秘匿しておけば良いでしょ~。あたしもどんな玩具が作れるのか気になるし~」

 「はい、採用」

 「マジっすか! ありがとうございます!」

 18歳の金髪チャラ男君。高校卒業したらすぐ採用だ。学校の友達とか、母にすら能力名は隠してるらしい。能力は持ってるのはバレてるけど、適当に誤魔化してるみたい。


 「いやぁ。面白かった。桜も良く選抜を通してくれたな」

 「だんちょ~なら絶対気に入ると思って~」

 いやはや大満足ですよ。最高の人材に巡り会えたね。面接して良かったと思ってます。
 これは明日の最終日も期待しちゃうぞ?



 そして最終日。
 桜さんはわざと調整してるんだろうか。
 今日も最後の人間に面白い人材がやってきた。

 「きゃるるん! 夢中にさせちゃうぞ☆」

 「桜さん」

 ちょっと。入ってきて早々パンチが強すぎる。
 きゃるるんはやばいでしょ。

 「この娘の能力名はアイドルなんだって~」

 ほう。これはまた。来る事務所間違ってませんかね? 芸能界入りしたら良いじゃん。
 顔は…まぁ可愛い。普通に。タイプではないけど。俺は可愛いより美人が好きなので。

 「えーっと、それは素でやってるの?」

 「能力を意識するとこんな感じになっちゃうんだゾ☆」

 バチコンとウインクされた。なんか表現が古いんだよな。俺が地球に居ない間に100年は経ってるんだろ? アイドル業界に成長の兆しが見えませんが。

 「とりあえず能力使うのをやめて素で喋ってくれる? 常時そのテンションに付き合うのはきつい」

 「は、はぃ…」

 声ちっさ。それが素なのか。滅茶苦茶内気な子じゃん。絶対迷惑な能力貰ったと思ってるでしょ。

 「元がこういう性格だから芸能界に入るのも尻込みしちゃったんだって~」

 「すぃませぇん…」

 「いや、別に謝る事はないんだけど」

 え? うちのギルドに来て何をするの? 面白そうだから雇うのは良いけど、何かしらの仕事はしてもらわないと。

 「広告塔だよ~。アイドルとして広報活動してもらおうかな~って」

 「この性格で? それが出来るなら芸能界に入ってるんじゃないの?」

 「なるべく人と関わらなくても宣伝活動は出来るでしょ~? 今は配信もあるんだし~?」

 そういうもんなの? あんまり緊張感とかは変わらないような気がするけど。見られるのは一緒な訳だし?

 「が、頑張りますぅ…」

 「あ、うん。じゃあ採用で」

 桜さんが出来るって言うなら出来るんだろう。
 能力を使えばきゃるるんしてるし。本人は使い終わった後、恥ずかしくないのかな。俺なら我に返った瞬間死にたくなりそうだけど。


 「これで面接も終了か」

 「結局スパイ以外の人間は全員採用したね~」

 「人材不足なもんで。完成した事務所があっても人がいないのは恥ずかしいし」

 普通に面白かったな。何年かに一回開催してもいいかも。毎年は流石にだるいけど。

 「後は戦闘系の能力者か。こればっかりは学校で見てからになるよな」

 「戦闘系は無理に雇わなくてもいいしね~。眷属ガチャもある事だし~」

 戦闘員には困ってないからなぁ。相当面白い能力以外は手を出さないかな。
 俺達が青田買いしたら、他のギルドも困るし。

 「眷属ガチャから戦闘系の能力者が出てくるとも限らないけどな」

 『AV女優』とか出てきたらどうしよう。
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