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第四章 迷宮都市ラビリントス
第118話 ウェインの進化
しおりを挟む今日も今日とてノルマの様に魔物狩りを終えて、影の中で各々がやりたい事をやってた頃。
妲己とアシュラは、相変わらずボードゲーム。
アシュラが大きくなったからか、盤も大きく専用の物がウェインの手によって作られている。
妲己もそれに合わせてサイズ変更しており、ただボードゲームしてるだけなのに、とても威圧感があって面白い。
「まっ、盤面みても何がなんだか分からんが」
グラスを片手に煙草をぷかぷかさせながら、二人の勝負を見ていたが、どっちが優勢かも分からん。
妲己が険しい顔をしてるから、多分アシュラが良い感じなんだろうが。
「テレサは相変わらず読書か。熱心だな」
地上に戻った時に、本屋からも一通りパクっている。この文明レベルでは、本はかなり貴重で大打撃だろうが、俺の知ったこっちゃない。
俺も偶に読んだりするんだが、物語は中々面白い。英雄譚が情報収集になったりするんだよな。
恐らく超越者なんだろうと思ってるが、狼系魔王を討伐した時の話なんてのは、かなり楽しめた。
テレサが読んでるのは、魔法の論文的なのが多いんだけどね。
魔法の研究者が、お金目的で出版でもしてるのか、真偽が怪しいのも多々あるけど、テレサはそれを読んで試してみて、確実に自分の物にしている。
俺も効果があったのは教えて貰ったりしているけど、テレサが理解してるのが凄いレベルで、訳の分からん理論があったりするから侮れない。
テレサも気になった事は自分の研究ノート的なのに、しっかりメモしてるから、もし発表でもすればそれだけで一財産を築けるんじゃないだろうか。
「思えばもう、眷属になって2.3年ぐらい経ってんのか? 時間感覚が馬鹿になってるから、正確には分からないけど、成長したもんだな」
そんな事を思いつつ、ウェインを探す。
影の中は、滅茶苦茶広い一部屋みたいな感じだから、遠見を使えばすぐ分かる。
「あー。またグレースに捕まってんのか」
影の薄いウェインだけど、ひたすら生産活動をしている。本人は苦にしてないみたいで、むしろ楽しいらしいけど、もうちょっと交流をしたいと思ってるんだよな。
一番交流が深いのはグレースだろうか。
最初はちょびっと険悪だったけど、今では一番話してると思う。
テレサは結構マイペースだからな。兄妹だけど、なんかドライな感じだ。
「また大人グッズが増えるのか。ウェインもノリノリで協力してるからなぁ」
果たして、用途を分かってて作ってるんだろうか。そうだとしたら、かなり偏った性知識になってる様な気がするな。
ウェインに彼女が出来たりした時が心配だ。
なんか、彼女でさえ嬉々として実験対象にして色々試しそう。もうちょっとしっかり教育すべきかなとも思うけど、それもまた個性。
かなり性癖の拗れた彼女が出来る事を祈るしかあるまいて。
「ん? え? ウェイン!?」
ウェインの将来を心配しながら、遠見で見ていると、光に包まれて倒れた。
グレースが焦りながら、こっちに向かって走って来るが、このタイミングで進化するのか。
「レト様!!」
「見てた見てた。ベッドに運んであげて」
グレースは逆戻りして、ウェインを抱えてベッドに運んでいく。
「しっかし、大人の玩具を作って進化か。果たしてそれで良いのか、ウェインよ」
もっと、なんか、ねえ? 革新的な発明で進化するとか思ってたのに。
なんか、可哀想になるよね。
「何を作ってたの?」
「レト様が仰っていた、遠隔操作出来る道具です。完成した途端に倒れてしまって」
遠隔操作って革新的では?
魔力で良い感じにしたら簡単なのか?
ふーむ。俺は聞いても分からんしな。
まっ、とりあえずは進化を見守ろう。
『名前 ウェイン (眷属)
人種 ハイヒューム・ヴァンパイア・クラフター
Lv 100
【ユニークスキル】
創意工夫
【スキル】
身体強化Lv7
上級調合Lv9
上級錬金Lv9
上級裁縫Lv2
上級木工Lv1
上級細工Lv4
上級料理Lv1
伐採Lv8
上級採取Lv3
上級採掘Lv2
上級付与Lv6
上級石工Lv3
彫金Lv8
建築Lv2
芸術Lv5
解体Lv4
植物学Lv8
鉱物学Lv4 』
「不思議と強くなったって感じはしないな」
「ですね。生産系スキルばかりだからでしょうか?」
それ相応に身体スペックや魔力は上がっている。
いくらウェインが運動音痴でも、そこらの盗賊レベルなら殴れば殺せる。
超越者一歩手前の冒険者とかにはあっさりやられるだろうけど。
「どんな感じ?」
「なんか思った通りに手先が動く感じなんだぞ。もっと繊細な作業が出来るようになったと思うんだぞ」
言うやいなや、早速生産スペースに走って行って生産活動をするウェイン。
「なるほど。マイペースなのはウェインもだな。兄妹揃って仲が良いこって」
「これで、後はレト様とテレサですね」
そうだな。俺もテレサも、もう少し時間がかかる。とっくの昔に飽きてるけど、もう一踏ん張りだ。
「レト様。早速なのですが」
そう言いつつグレースは、ウェインが進化前に完成させた遠隔操作出来る道具を持って、発情した目をしながら俺を見てくる。
「よかろう! 相手になろうじゃないか!」
実は俺も気になってました。
どんな感じで動くのかな?
俺はワクワクしながら、グレースと馬車ホテルへと向かった。
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