サイコパス、異世界で蝙蝠に転生す。

Jaja

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第六章 ゆるり旅

第166話 城巡り

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 「ふむぅ」

 「どこの城も似た様な感じなんだぞ」

 要塞都市で宝探しをしてから暫くが経った。
 俺達、レト・ノックス一行はお城を参考にする為、王都巡りをしている。
 勿論、その際商会に立ち寄るのも忘れない。
 主な理由は煙草を買い溜めする為だけど、あわよくば馬鹿な商会が釣れたらなと思いまして。

 そしたら、釣れる釣れる。大漁である。
 やっぱりうっかりと大量の金貨を見せると破壊力が違う。何故かうっかりしちゃうんだ。何故か。

 仮面をしている怪しい客なのに、そんなん関係なく襲ってくるからな。
 返り討ちにしてその日のうちに商会は潰れる訳だが。

 「これぐらいなら殺しても文句言われまい。なんせ手を出してきたのは向こうからだしな」

 「人数もせいぜい二十人程度。誤差でしょう」

 世界の総人口からしたら誤差も誤差。
 今日だけで合計百人ぐらい殺したけど、やっぱり誤差だろう。

 「商会は良いよねぇ。お金も物資もいっぱいあるし、金銀も結構財産として保管してある。むふふ。宝物庫がまた豪華になるな」

 これからの王都巡りでも積極的に商会巡りはしていこう。貰えるものは貰わないとね。

 「やっぱ大国じゃないとお城も立派じゃないか。シュルペニア神聖王国はどうだったんだ?」

 「ここよりは立派でしたよ。大きさも全然違いますね」

 大きさか。でも俺達の人数で大きすぎるのも不便なだけなんだよな。
 それでも見栄のために大きくするんだけど。

 「一応スケッチも書いたけどあんまり参考にならないんだぞ」

 「今まで見てきたのと似たり寄ったりだもんな」

 現在は影の中で休憩中。
 尚、初めて影の中に入った時のアギャインは凄い驚いていた。
 城なんて必要ないと言われたが、それはそれ。
 俺だって玉座にふんぞり返って魔王したいんだ。

 「ホウ。科学トハ 凄イナ。実ニ 興味深イ」

 「お爺ちゃん。これなんてすごい参考になるの」

 「ムッ? コレハ オ嬢ガ?」

 「レト様に教わったのを実験してレポートを書いたの」

 アギャインは専らレポートを読み漁っている。
 分類的には戦闘よりも研究者なんだよな。
 今も爺孫トークしてる。
 テレサも魔法について色々話せるからとても楽しそうだ。

 「爺ちゃんは実験にも協力的なんだぞ!」

 「平気で自分の骨を渡すからな」

 腕が四本になって吹っ切れたのか、ウェインの実験にも非常に協力的だ。
 そのうちまた改造されるんじゃなかろうか。

 「レト様の体も欲しいんだぞ!」

 「えぇ…」

 そんな上目遣いで言われましてもね。
 妲己とかテレサならすぐに頷いたんだけど、ウェインは目がマッドだから。

 「痛いんだよなぁ」

 「妲己かテレサにすぐ治してもらえるんだぞ! それが嫌なら一日なんでも言う事聞く券を使うんだぞ? 一日中だぞ?」

 ほわー。ウェイン君が主人を脅してくるんですが? やはりみんなに券をあげたのは早まったか。
 実害が出なさそうな奴を相手に渡しておけばよかった。妲己とさか。優しいお願いで許してくれそうだもんね。

 アギャインどうか知らないが、部位を切り取ったりするのは痛いんだぞ?
 普通は腕を下さいって言われてOKする方がおかしいんだ。

 「先っちょだけ! 先っちょだけなんだぞ!」

 「どこでそれを覚えた」

 お前の情操教育とやらを考えなければいけないみたいだな。
 誰が悪いんだ? グレースか?

 「今、私のせいにしようとしましたね?」

 テーブルの上で何か書き物をしていたグレースが耳聡く聞いていたみたいだ。

 「玩具のせいかなって」

 「レト様の眷属になった時点で、みんなどこかしらに欠陥を持ってますよ」

 君の性欲は欠陥だと言うのかな。
 なんか無理矢理俺のせいにしてるだけな感じがしますけど?

 「妲己のどこに欠陥があるんだよ。あれほど良い子はそう居ないぞ?」

 「あの子は少し純粋すぎますね。戦闘では悪辣な手を使うというのに、何故麻雀ではイカサマに気付かないのか」

 妲己はアギャインとも良い勝負してたからな。
 最終的には魔力切れで負けてたけど。回数を重ねる毎に戦闘時間は伸びてる。
 あの子の伸び代はどうなってんだろうね。
 そしてそれが何故か麻雀に活かせない。俺が毎回勝ってるのを不思議に思わない。

 「グレースも俺が言うまではイカサマって分かってなかったじゃん」

 「何かおかしいとは思ってましたよ。【シックスセンス】が急におかしくなりましたからね」

 まぁ、もうグレースにはイカサマを教えてやんないけど。いつまでぶっこ抜きが通用するやら。

 「ぷはー。次はどこに行くかねー。……ん?」

 煙草に火を付けてぷかぷかとさせていると、ヴェガが影の片隅でコソコソと何かをしていた。でもあいつは結構大きいから目立つんだよ。コソコソしててもすぐに分かっちゃう。
 バレないようにこっそりと見ていると、魔法鞄からかぼちゃを取り出して、自分の頭に装着しようとしている。

 「何やってんだ、あれ」

 「あれは…。まだ諦めてなかったんですね」

 グレース曰く、アギャインの下僕だったジャック・オ・ランタンがお気に召したみたいで、殺した後に頭だけを回収していたらしい。
 ウェインが欲しい欲しい言ってたけど、ヴェガはこれだけは譲らなかったとか。

 「なに? あいつかぼちゃ頭になりたいの?」

 「どうでしょう? 一時の気の迷いだとは思いますが…」

 まぁ、お世辞にもかっこいいとは思えないな。
 まずサイズが合ってないし。自分の体長分かってるんだろうか。

 「ウェイン、あいつに専用のかぼちゃ頭を装着できる着ぐるみみたいなのを作ってやれよ」

 「そしたらあの頭はくれるんだぞ?」

 「それはヴェガ次第だけど」

 ちょっとの間かぼちゃを装備したら満足するだろ。そんで思ったよりかっこよくなかったって後悔するんだ。

 「俺の眷属にまともな奴は居ないのかね」

 「はい? 私が常識人枠ですが?」

 「はは。funny」

 お前も充分イカれてるよ。
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