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第六章 ゆるり旅
第171話 王家主催
しおりを挟む「王家主催ってまぁまぁ狂ってるよな」
「普通のオークションならまだしも裏オークションですからね」
情報収集をし始めてから三日。
ようやくオークションの全貌が分かった。
一日目二日目は空振りで貴族が噛んでないのではと思ったけど、それよりも上が絡んでたとは。
「保管場所も王城なんだよなぁ」
「ある意味一番安全ではあります」
そのオークションに手を出すって事は、王家に喧嘩を売るって事だもんな。
そりゃ、出品者も安心して品を預けれる訳だ。
「まぁ、俺には関係ないが」
「決行予定日はオークションの前日でよろしいですか?」
「よろしいです」
そこに面白そうな物があるのならば。
レト君が行かない訳がない。もしかしたら王族の方々が亡くなってしまうかもしれないけど、それはご愛嬌。アコギな商売をしようとした代償として受け入れてくれたまえ。
勇者レト・ノックスは悪行を見逃しません。
「ついでに王城にあるだろう、宝物庫も襲撃しちゃおうかな。楽しみになってきた」
「それなりに大きな国です。しっかりと溜め込んでる事でしょう」
この盗みが原因で国が割れたりしないかな? そして内乱が起こったり…。他国にチャンスとばかりに戦争ふっかけられたり…。
「ふむぅ。これは竜王に怒られるか? いやいや、原因を作ったのは俺かもしれないけど、最終的に行動を起こすのは人間だし? 俺は悪くないよね。まだ仮定の話だし」
「国が無くなる程の騒ぎにはならないので大丈夫でしょう」
うんうん。大丈夫。俺は悪くない。
まともな国家運営をしてたら、内乱なんて起こらないさ。
オークション前日まで暇だなぁと考えながら、影の中を見渡す。
各眷属は好きな事をしていて、ぼーっと見てるだけでも面白い。
俺は煙草をぷかぷかさせながら、グレースに膝枕してもらいつつ、各眷属の様子を眺める。
「この術式は初めて見るんだぞー」
「フム。ココハ 火属性ト 同ジ デハ?」
「ここが違うんだぞ」
「ムッ。確カニ」
ウェインは昨日買い物でいっぱい買った魔道具を早速バラしている。
アギャインはそれを面白そうに手伝う。魔道具作りに興味があるのかな。リッチが研究者ってのは、中々それっぽいけど。
「これは食べれるの?」
「………(コクコク)」
「あんまり意味があるとは思えないの」
「………(ワタワタ)」
「はぁ。分かったの」
「………(ぱぁぁあ)」
テレサとヴェガは何やら新しい事に挑戦するらしい。【捕食】で魔法を食べて覚えれるかの実験だ。
どうやらヴェガは魔法が使いたいらしい。でも人間から捕食しても能力をラーニングするのは低確率だし、魔法を覚えるかはランダムだ。
それなら手っ取り早く魔法を食べて習得出来るか試してみようと思ったんだろう。
早速【火炎魔法】を食べようとして火傷してるみたいだけど。無理なんじゃないかなぁ。
「ゴギャッシュ!」
「キュキュキュ」
妲己とアシュラはなんていうか、いつも通り。
妲己のもふもふに埋もれて昼寝をしているアシュラに尻尾でちょっかいをかけてくしゃみを誘発。
それを見て楽しそうに笑っている。普段は聖母だけど、妲己は悪戯も好きだからなぁ。
子供組とかヴェガには優しく接するけど、アシュラとか俺には茶目っ気が多い。
「うむうむ。うちの眷属は今日も平和ですな」
「ここ最近、戦い続きでしたからね。リフレッシュ期間ですよ」
そうね。迷宮攻略から超越者と戦って、そのまま魔王とその下僕達との激闘だ。
たまにはゆっくりする時間があっても良いだろう。いつもお疲れ様です。
☆★☆★☆★
「陛下。こちらが例の催しの概要になります」
「うむ」
王城の執務室。
いつもの様に書類処理をしていると、宰相が入室して、一枚の紙を渡す。
王はそれをしっかりと読んでからサインする。
「警備体制に問題はないか?」
「はっ。万事問題ありませぬ」
「であるか」
例の催し。裏オークションはこの国では毎年王家主催で行われる、知る人ぞ知る一大イベントだ。
合法非合法問わずの品が各国から流れてきて、王家の貴重な財源になっている。
「今年も品が多いな。我が国からするとありがたい限りだが、良くもまぁこんなに毎年集まるものだ」
出品リストを見ながら王は呟く。
芸術品や魔道具、珍しい宝石や骨董品。
そして人。
「ん? エルフだと?」
「はい。どうやら今年の人部門は盛り上がりそうです」
エルフの出品を見て王は驚く。
エルフは引きこもり種族で滅多に森から出てこない。森の御神木とやらを崇めて質素に暮らしているらしい。
「よく捕まえれたな」
「古代の魔道具を使ったみたいです。なんでも一定量の魔力なら封じられるとか」
エルフの戦闘力は非常に高い。
接近戦はそうでもないが、遠距離からの魔法力は人間より遥かに上だ。
なんでも、魔法書が無くても魔法を使える術があるらしく、エルフと戦うには大国ぐらいの戦闘力が必要になるとか。
「なら良い。売るまでは大人しくしてもらわんとな。しっかり警備するように伝えておけ」
「御意」
その後、オークションに関係ない話を10分程してから宰相は退室した。
(エルフか。オークションに出さず、我が国の兵として雇用出来ぬものか。いや、欲しければ落札するしかないのかの)
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