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第4章 秋の戦い
第69話 新球種
しおりを挟む「豹馬~! ツーシーム教えてよ!」
三松学舎戦を1週間後に控えた練習日。
カーブマスター金子が驚くべき事を言い出した。
「は? ツーシーム? カーブ系統以外投げないって言ってたじゃん。浮気?」
「言ってない言ってない。勝手に捏造しないで?」
「ありゃ? 言ってなかったっけ? ストレートとカーブ以外投げるなら死んだ方がマシだって」
「やめてよ。メンヘラみたいじゃん」
誰から聞いたんだっけ?
俺の妄想か。
「それで? なんでツーシーム?」
「いや、次の三松学舎戦の切り札的な。付け焼き刃でも何か1つ驚かせる物を持っておきたいんだよね」
「それでツーシームか。まあ、教えてもいいけどそんな大層な球種じゃないぞ?」
俺が投げたら魔球レベルだけど。
多分サイド気味に投げてるからあんな変化するんだろうな。
投げ方も簡単だし。
「カーブ系は相性良いんだけど、他の変化球は上手く曲がってくれなかったり、落ちたくれなかったりで全然なんだよね」
「うーん。とりあえずやってみようか」
ツーシームの投げ方は至ってシンプル。
ボールの2本の縫い目に人差し指と中指を沿わせて握る。
後は、ストレートと同じ様に投げる。
これだけ。ちょー簡単。
「簡単っしょ?」
「これだけ? 豹馬は高速スクリューみたいに投げるよね?」
まあ、人差し指とか中指にかける力の入れ具合を微調整するぐらいかな?
普通は空振りを狙うボールじゃなくて、打ち損じを狙うボールだしね。
正直、俺もなんであんなに変化するのか不思議だしさ。
サイドスローは投げ易いってのもあるかな。
「一旦それで投げてみて。そこから微調整していこう」
俺は、控えキャッチャーの水野先輩の後ろに立って金子のピッチングを眺める。
「どう? あんまり手応えないけど」
「微妙。ちょっぴり変化してるかなってレベル。後、フォームがちょっとおかしい。無理に曲げようとしてるだろ。ストレートと同じでいいんだって」
「うっ…辛辣。フォームもおかしいのか。これは無意識だね。もうちょっと投げてみるよ」
「まあ投げ方はめっちゃ簡単だけど一線級のボールにするのは難しいんだよね。簡単に習得出来るならみんな投げてるし」
俺も死後の世界での微調整は苦労した。
コツ掴むと早いんだけどね。
それから30球ほど投げてると良い感じのボールがきた。
「今のは良い感じじゃないか?」
「確かに! 感触も悪くないよ」
「肘に負担は? ツーシームはストレートと同じだけど、負担が掛かる人と掛からない人がいるからな」
ちなみに俺は掛かる人だった。
高校生になるまで試合では投げないようにしてたしな。
「うーん、どうだろ? 今の所違和感とかはないけど」
「今日はさっきの感触を確かめる程度にしといて経過観察しといた方がいいぞ」
「わかった。そうしとくよ。ありがとう」
ふむ。
試合までにどれだけ磨けるかは分からないが、打者一巡ぐらいは誤魔化せるんじゃないかな。
上手く嵌れば三松学舎との試合も出番ないかもな。
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