未冠の大器のやり直し

Jaja

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第4章 秋の戦い

第70話 VS三松学舎1

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 秋季大会3回戦。
 三松学舎戦の先発マウンドに金子が上がった。

 
 1(中)雨宮 1年
 2(捕)后  1年
 3(三)浅見 1年
 4(右)大浦 1年
 5(遊)岸田 1年
 6(一)清水 2年
 7(二)佐々木2年
 8(左)曽根 2年
 9(投)金子 1年

 スタメンもベストメンバーで挑む。
 そして、大浦を4番に大抜擢。
 隼人が4番でも良かったんだけど、隼人は4番キャラじゃないんだよね、なんとなく。
 5番で打点乞食してるのが似合う。

 一回表。
 先攻の三松学舎を金子は三者凡退に抑える好スタート。
 球も走ってる様に見えるし調子良さそう。

 裏の攻撃。
 先頭バッターのウルとタイガは内野ゴロと外野フライに倒れる。
 2人とも10球ずつ投げさせて中々ねちっこいバッティングをしていた。
 3番のレオンは、外のボールを続けられて勝負を避け気味の四球。
 相手バッテリーは、4番の大浦との勝負を選んだようだ。
 
 「この大会絶好調の大浦と勝負かよ。肝が座ってるのか、大浦を舐めてるのか」

 「両方ちゃうか」

 なるほど。
 でも、初回からレオンとの勝負を避けるって事は、投手戦でも予想してるのかな?
 金子からそんなに点が取れないと思ってるのか。

 大浦は初球のアウトローのストレートを弾き返して、右中間を破るツーベース。
 ツーアウトだったので、レオンは打った瞬間スタートしており、あっさり先制点を奪う。

 「やっぱりあいつ覚醒してるって」

 「レオンの後ろ任せられる選手出て来て良かったわ~。これで簡単に勝負避けられへんやろ」

 大浦の覚醒は嬉しい誤算だよね。
 隼人と清水先輩でも結構打線厚かったけど、更に嫌な打線になった。
 少なくとも、俺は相手にしたくない。

 そのまま5番の打点乞食がツーベースで大浦を返し連続タイムリー。
 清水先輩が、フェンスギリギリの外野フライでチェンジ。
 中々大きい2点が入った。

 「金子、この回大事やぞ。スパッと抑えてこい」

 「先制点はありがたいよね。ツーアウトでランナーいなくなったらツーシーム試してみるよ」

 先制点をもらった金子はかなりリラックスしてピッチングする。
 カーブマスターの名前通り、スローカーブ、パワーカーブ、ナックルカーブを使って、相手バッターを翻弄する。
 そして、4番.5番を連続三振で仕留めてツーアウト。
 6番打者の初球にツーシームを投げた。
 相手は打ち損じてファール。
 2球目も同じ様に投げて、またファール。
 しきりに首を傾げてるのを見ると、なんで捉え切れてないのかわかってないのかな?
 まあ、今まで投げてなかったし仕方ないか。
 3球目をツーシームでショートゴロ。
 隼人がしっかり捌いてこの回も三者凡退。

 「うぇーい! ツーシームいい感じだな!」

 「今日は指先の感覚が良いんだよね! ストレートも走ってるし!」

 これで相手もツーシームを意識したはず。
 わざわざ3球続けて投げたし、バッターも流石に気付いただろう。

 「後は、タイガが性格悪くリードしてくれるよ」

 「じゃあ打たれたらタイガのせいって事で」

 「それでいい」

 「やめてよ。かなりプレッシャーじゃん」

 混乱してるであろう相手を翻弄するリードを期待してます。
 
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