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第6章 春到来
第138話 VS江陵3
しおりを挟むどうも。フラグ建築はチーム一を自負する三波豹馬です。よろしくお願いします。
「俺は自らフラグを立てて折っていくスタイルだから良いんだけどさ」
俺のフラグの強制力のせいなのか、レオンがエラーした。これ、俺のせいですかね。
ベンチでは、監督が非難めいた目で俺を見てくるんだが。
「豹馬」
「え? マジで俺のせいです? 心の中で思ってただけで、声に出してないんですけど」
「顔が物語っとる」
そんな馬鹿な。
いくらなんでも暴論すぎでしょうよ。
「豹馬が伝令行ってこいや。三井の準備はいつでも出来てるからな」
「納得がいかぬ!」
やいのやいのと監督と言い合いながらも伝令に出る。
グラウンドに入る前にしっかりお辞儀して、みんなが集まってるマウンドへ向かう。
「そんななんでお前が来るんだみたいな顔しなくても」
「伝令係じゃないじゃん」
「監督からのご指名なんだから仕方ないだろ」
俺はそう言いながらも内野陣を見渡す。
エラーしたレオンの方を見てみると、俺は関係ありませんみたいな顔をしていた。
「いやいや、レオン君? 君がエラーしたんだよ? 分かってる?」
「バットで返します。申し訳ありませんでした」
お、おおう。
そこまで謝られるとは。なら、その関係ありませんみたいな顔はやめようよ。
俺が悪いみたいになってるじゃん。
「まぁ、たかだかノーアウトのランナーが出たぐらいでドタバタし過ぎ感はあるよね。1.2点取られたって、うちの打線なら取り返してくれるから。楽に投げろよ。一つ一つ丁寧にアウトを取っていこう」
「分かった」
金子も特に気にしてなさそうで良かった。
まだバテてる感じもないし。
俺はベンチに戻り、最前線で金子を応援する。
バッターは5番。外野は長打警戒で内野はゲッツーシフト。
金子はストレートとカーブを上手く投げ分けて、ツーストライクツーボールと平行カウント。
そして、5球目をセンターフライに打ち取った。
少しヒヤっとした当たりだったけど、ウルの俊足の守備範囲。華麗にランニングキャッチして、ワンアウト一塁。
そして、6番打者への初球。
インコースへと食い込んできたボールを引っ掛けてサードゴロ。
「二回目はいらんぞ」
そう思いながらサードに飛んだ打球を見るが、レオンは丁寧にセカンドへ送球。
セカンドはそのままファーストへ投げて5-4-3のダブルプレー。
エラーで出したランナーを難なく退けてガッツポーズをしながらベンチに戻ってくる金子。
「素晴らしい! 文句ない結果だな!」
「あそこで今日初めてのツーシームを要求してくるタイガにびっくりしたけどね。上手く引っ掛けてくれて良かったよ」
良い感じに動いてくれたんだろうな。
あそこでインコースに要求して、しっかり投げ切ったバッテリーに天晴れです。
「さっ! 良い流れきてるよ! この調子で先制点を取ってきてくれ!」
裏の攻撃は先頭のウルからだ。
ここまで頑張ってきた金子のためにも、なんとか先制点を取ってほしいもんだね。
応援ありがとうございます!
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