183 / 183
第6章 春到来
第157話 VS桐生9
しおりを挟む七回裏。所謂ラッキー7の攻撃だ。高校野球でそれを言うのかは知らないけど。
相手エースは続投。レオンからの打順だが、今回は勝負するのか。
「するしかないよな。次は大浦だし」
さっきのホームランの事がある。安易に歩かせる訳にはいかないだろう。
100球をこえて、疲れが見えているエース尾寺に果たして抑えられるのか。
「つってもレオンは10割打者じゃないし。打ち損じとかもあるわけで」
レオンはショートゴロに抑えられる。そして続く大浦もライトフライ。
エースの気迫のピッチングってやつか。物凄く気合いが入ってるのがこっちまで伝わってくる。
「さて。隼人はどうせアウトだし、準備しますかね」
ランナーが居ない隼人なんて、俺が打席に入ってるのと変わらん。
期待するだけ無駄ってもんだよ。
「そう思ってたんだけどな」
レフトに上がった打球はラインドライブな軌道でスタンドに入って行った。
信じられん。思わずキャッチボールで捕球し損ねたくらいだ。
隼人の今大会第二号ホームランで貴重な追加点をゲット。何故か龍宮ベンチが滅茶苦茶驚いてるけど。
「お前どうしちゃったんだよ。ランナーいないぞ? 幻覚でも見えてたのか?」
「うるせぇ」
確かにこの試合で打点はあげてないけど。
まさか、自分から打点1を取りに行くようになったの? ソロホームランで打点乞食するようになったら、お前無敵になるじゃん。
「最近大浦に成績を離され気味だからなぁ。俺も活躍して爪痕残しておかねぇと。応援してくれてる彼女に申し訳ねぇ」
黙れリア充。くたばりやがれ。爆発しろ。
「はいはい。隼人君の彼女ぱぅわーは凄いですねぇ。はぁー、羨ましい限りですわぁ」
「ふっ」
鼻で笑うな。勝ち誇るな。ムカつく野郎だぜ。
「チキンがよぉ。さっさと渚に告白して付き合えば良いだろうが」
とりあえず呼び捨てをやめようか。なんか嫉妬する。チキンなのは弁解の余地もないんだけど。
「俺、甲子園で優勝したら告白するんだ」
「あー! パンが訳の分からないフラグ建てた! ばっかじゃないの!?」
耳聡く聞いていたタイガに怒られた。
なんか言わないといけない気がして。後、背後から物凄く殺気を感じる。
レオン様がお怒りになられてるご様子。俺は絶対に振り向きませんよ。
「おっ! チェンジだ! さーて、この回もしっかり抑えるぞー!」
俺は全力疾走でマウンドに向かう。
逃げ足の速さはウルにも勝てるな。
そして、八回表はヒットを一本打たれるも、しっかり無失点に抑えた。
裏の攻撃は龍宮高校は三者凡退に終わり、いよいよ九回。
「後三人で優勝かぁ」
「ちょろいとか思ってない?」
しみじみと思っていたら、タイガわざわざマウンドまでやってきた。
秋季大会決勝の最終回を思わせるガチガチさだ。
俺の能天気さを分けてもらいにきたんだろう。
「ちょろいなんて思う訳ないだろ。俺の魔球、ツーシームをヒットにされたんだぞ」
「たまたまっぽかったけど」
魔球がたまたまで打たれていいわけないだろ。
甲子園が終わった後の課題が決まったぜ。
「まっ、緊張することないさ。これから何度も味わう事になるしな」
これからの高校生活で負ける予定はもうないので。夏の時みたいに悔しい思いはしたくない。
俺は最後まで笑って高校生活を終えてやるぞ。
「じゃ、頼んだよ」
「お前はいつも通り構えていればいいよ。俺がそこに寸分違わず投げ込んでやる」
自信満々な顔をタイガに見せる。
こういうのは女房役の役目なんじゃないのか。
なんで、俺が緊張をほぐす役をやってるのやら。
戻ったタイガを笑いながら見送り、俺はいつもの様に構えた所に投げ込んだ。
1
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
面白いのでカクヨムで続き読んできます。