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― 第二章・それぞれの成長 ―
第36話 手合わせ
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凛琥たちが、紫蓮らと共に鍛錬するようになってから、10日が経過した。
【クレリック】の永美香は割と多く休憩しがちだが、【ウィッチ】である幸永歌と同様に、“杖”を槍に見立てての攻撃や防御に、武闘家の体捌きを教わっている。
清虎は、嬉しくて仕方ないようで、毎日、見物に来ていた。
この日も、訓練場の壁際に設置されているベンチに腰掛けて、孫たちの成長に〝ニコニコ〟していたのだが…。
幸永歌に、
「お祖父様!」
「ただ居るだけだと、こっちの気が散るから出ていってくんない!?」
と言われ、
「なぬッ?!」
と、ショックを受け、〝ションボリ〟したのである。
気まずい雰囲気に居た堪れなくなった千代が、
「あー…、清虎様が自ら指導なさっては如何でしょうか?」
と窺う。
これに、永虎が、
「ぜひ、お願いします。」
と、お辞儀して、紫蓮が、
「俺も…。」
と申し出た。
「俺が先で良いか?」
と聞く永虎に、
「ああ。」
と、紫蓮が頷いたところ、“虎の毛皮”で作られた羽織を脱いだ侍王が、亜空間から鉄刀を2本取り出しつつ、
「二人同時に、で、構わんぞ。」
〝ニヤリ〟と笑みを浮かべたのである。
永虎が振り下ろす大きめの鉄剣を、清虎が右の鉄刀で内側か外側へ、
ガンッ!
と逸らす。
続けて、紫蓮の突きを、左の鉄刀で、上に、
カァンッ!
と、払う。
永虎と紫蓮が、縦横無尽に攻撃を仕掛けるも、その全てを侍王が〝カンッ!〟〝キンッ!〟といった具合に防ぎながら、
「ふむ。どちらも、なかなか素晴らしい。」
「じゃが…。」
と呟いた。
次の瞬間、左右の鉄刀で、永虎と紫蓮の腹部を、
ドンッ!!
と、叩いたのである。
「ぐッ!」
「ぬッ!」
と苦痛で顔を歪めた彼らが、その場に膝を屈し、見学していた凛琥が、
(二人がかりでも余裕にあしらわれてしまうのかよ…。)
と、目を丸くする。
「永虎も、紫蓮も、決して悪くない太刀筋であった。」
「より精進していけば、かなり強くなるであろう。」
「期待しておるぞ。」
と清虎が告げたタイミングで、幸永歌が、
「お祖父様、すっごぉおーいッ!!」
「私、見直したわ!」
と、目を輝かせた。
これに、侍王が、
「ん? そうか??」
「まぁ…、そうじゃろうて!」
「儂は、結構、凄いんじゃよ!」
「はははははッ!!」
と鼻高々になる。
そこへ入室してきた“影”に、
「清虎様、情報の粗方が集まってきております。」
と、伝えられ、
「そうか。」
「ならば、部屋を変えるとしよう。」
と真顔になる総帥であった―。
【クレリック】の永美香は割と多く休憩しがちだが、【ウィッチ】である幸永歌と同様に、“杖”を槍に見立てての攻撃や防御に、武闘家の体捌きを教わっている。
清虎は、嬉しくて仕方ないようで、毎日、見物に来ていた。
この日も、訓練場の壁際に設置されているベンチに腰掛けて、孫たちの成長に〝ニコニコ〟していたのだが…。
幸永歌に、
「お祖父様!」
「ただ居るだけだと、こっちの気が散るから出ていってくんない!?」
と言われ、
「なぬッ?!」
と、ショックを受け、〝ションボリ〟したのである。
気まずい雰囲気に居た堪れなくなった千代が、
「あー…、清虎様が自ら指導なさっては如何でしょうか?」
と窺う。
これに、永虎が、
「ぜひ、お願いします。」
と、お辞儀して、紫蓮が、
「俺も…。」
と申し出た。
「俺が先で良いか?」
と聞く永虎に、
「ああ。」
と、紫蓮が頷いたところ、“虎の毛皮”で作られた羽織を脱いだ侍王が、亜空間から鉄刀を2本取り出しつつ、
「二人同時に、で、構わんぞ。」
〝ニヤリ〟と笑みを浮かべたのである。
永虎が振り下ろす大きめの鉄剣を、清虎が右の鉄刀で内側か外側へ、
ガンッ!
と逸らす。
続けて、紫蓮の突きを、左の鉄刀で、上に、
カァンッ!
と、払う。
永虎と紫蓮が、縦横無尽に攻撃を仕掛けるも、その全てを侍王が〝カンッ!〟〝キンッ!〟といった具合に防ぎながら、
「ふむ。どちらも、なかなか素晴らしい。」
「じゃが…。」
と呟いた。
次の瞬間、左右の鉄刀で、永虎と紫蓮の腹部を、
ドンッ!!
と、叩いたのである。
「ぐッ!」
「ぬッ!」
と苦痛で顔を歪めた彼らが、その場に膝を屈し、見学していた凛琥が、
(二人がかりでも余裕にあしらわれてしまうのかよ…。)
と、目を丸くする。
「永虎も、紫蓮も、決して悪くない太刀筋であった。」
「より精進していけば、かなり強くなるであろう。」
「期待しておるぞ。」
と清虎が告げたタイミングで、幸永歌が、
「お祖父様、すっごぉおーいッ!!」
「私、見直したわ!」
と、目を輝かせた。
これに、侍王が、
「ん? そうか??」
「まぁ…、そうじゃろうて!」
「儂は、結構、凄いんじゃよ!」
「はははははッ!!」
と鼻高々になる。
そこへ入室してきた“影”に、
「清虎様、情報の粗方が集まってきております。」
と、伝えられ、
「そうか。」
「ならば、部屋を変えるとしよう。」
と真顔になる総帥であった―。
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