GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第三章・南陸行路 ―

第77話 ミノタウロス討伐戦・後編

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紫蓮しれんたちが硬直するなか、黒いミノタウロスが〝ズン! ズン!〟と近づいて来る。

一早く動けるようになった白虎が、自身の真上に、最大幅2.5Mで“歪なクリスタル形の氷”を出現させて、黒牛へと飛ばす。

ミノタウロスが左足で、

ドンッ!!

と踏んだ地面が、横4M×高さ3Mの山型にせり上がった。

厚みは1Mのようだ。

氷と、地とが、

ズガァアンッ!!

と、ぶつかって、共に消えていく。

そこに、紫蓮が右手から“雷撃”を放つ。

胸元にヒットしたミノタウロスが膝を崩しながら、右手のバトルアックス戦斧の刃を、後ろから前へと地面に走らせた。

これによって、地が、10㎝、20㎝、30㎝、40㎝、…、と、段々に隆起しながら紫蓮に迫っていく。

その距離1Mぐらいの位置では、170㎝の高さになっていた。

余談になるが、紫蓮は故郷を出た頃より身長が5㎝伸びており、現在は165㎝である。

そんな紫蓮が右脚に“雷”を纏わせた。

これを、蹴り上げて発射したところ、

バァンッ!!

と当たって、襲い掛かってきていた“地撃”を粉砕したのである。

地面に右膝を着いて、いささか痺れている黒いミノタウロスめがけて走り、ある程度の間合いを詰めた来夢らいむが、口から“毒霧”を吐く。

黒牛は両方の鼻孔から〝フゥ――――ンッ!!〟と息を放出した。

毒を吸わないために対応するミノタウロスの顔面を、

ボォウッ!

と、燃やしたのは、権蔵ごんぞうによる直径50㎝の“火の玉”だ。

「グゥウ―ッ!」

眉間にシワを寄せた黒いミノタウロスが、

「ヴォモオオ――ッ!!」

意地で立ち上がり、戦斧で地を掬う。

それによって、最大幅1Mで歪なクリスタル形の“土の塊”が、縦向きで、25個、宙に出現した。

これら・・・が〝ぐんッ!〟と横向きになる。

次の瞬間、“土の塊”が、紫蓮らに、〝ビュオッ!〟と飛んできた。

新羅しんらは、すかさず、上空へと逃れゆく。

それ以外の面子は、サイドステップやバックステップで、1~2個を躱したものの、全てを避けきることは出来ず、胸や脇腹に直撃し、弾かれてしまったのである。

倒れてしまった紫蓮・権蔵・白虎が、

「がはッ!!」

と、血を吐いた。

来夢は顔を粉砕されていたが、すぐに元に戻ったようだ。

よろめきながらも起き上がろうとする紫蓮たちに、ミノタウロスが近づいて来る。

双方の間に〝スタッ〟と着地した新羅が、黒いミノタウロスを睨み付けた。

歩みを止めた黒牛がバトルアックスを右斜め上から左斜め下へ振るおうとする。

これよりも早く、新羅が、鼻先を上にして、全身を回転させながら空へと昇っていく。

それと同時に、最小幅15㎝×最大幅1.5M×高さ5Mで黒色と紫色が入り混じった“トルネード竜巻”が発生した。

「グオッモォ―ウッ!!」

まともにくらって尻餅を着いたミノタウロスに、紫蓮が刀を払って、幅25㎝×長さ2.5Mの“雷撃”を横一文字に放ち、

ズババァアンッ!!

と命中させたのである―。
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