GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

文字の大きさ
上 下
128 / 267
― 第四章・西陸行路 ―

第128話 六人目の。

しおりを挟む
【騎士王】とも呼ばれている祖父からの説明を受けて、

「なるほど…。」

〝ふむ〟と頷いたグーランが、

「確かに、神どもは、いつまでもどこまでも、のさばらせてちゃあいけねぇ存在だとは思う。」
「だから、その考えは、悪くない。」
「いや、寧ろ……、面白そうだな!」
「アイツらをブッ倒して、世界が明るく楽しい方へと変わっていくんなら、万々歳だッ!!」

満面の笑みとなった。

「よし、“善は急げ”だ!」
「俺、準備してくっから、一階のエントランスで待っててくれ。」

紫蓮しれんたちに告げたグーランが愉快そうに退室していく。

あれ・・は、儂の息子…、長男のところの“次男坊”でな。」

ビーゼェーンの国主が〝やれやれ〟といった感じで口を開き、

「まぁ、割かし楽観的な性格で〝ノリと勢い〟で行動しがちだが…、辛いとき、しんどい時、苦しいとき、悲しい時などに、あ奴が側におれば、そこまで塞ぎ込まずに済むじゃろう。」
「仲間内が暗くなってしまうと、次第にギスギスしていき、これが引き金となって解散しかねんからのぉ。」
「グーランの陽気さは、何かと助かるじゃろうて。」
「それに……、そなたらとは年も近かろうし、戦闘の腕前に関しては儂が保証する故、きっと上手くいく筈じゃ。」
「…、我が孫のこと、よろしく頼む。」

[GOD SLAYER’S]に会釈したのである……。


数十分が経過した1Fの正面大扉付近にて――。

「待たせたなッ!!」

ブルーの半袖ワイシャツと、ダークグレーのパンツに、キャメルのショートブーツといった服装のグーランが、自身のサーヴァント達を連れて、合流してきた。

ちなみに、シャツのボタンは上部の二個ほどを外しているみたいだ。

夏に入っているため、紫蓮らも、着物や、ワイシャツに、ワンピースであったりが、薄着である。

「へぇー、皆のサーヴァントも、なかなか強そうだなぁ。」

感心したグーランが、[PEACE MAKER‘S]に視線を送り、

「ん?」
「この子らも、同じグループなのか??」

と、質問した。

これに、撫子なでしこが、

「そうではなく…。」
「“南の大陸”で出会った者たちなのだが……、〝ハーリマー国に用事がある〟とのことなので、私らが、そこまで付き添う約束になっているのだ。」

そう答えたのである。

「そっか…。」
「で?」
「これから、どうすんだ??」
「すぐにでもハーリマーに向かうのか?」

グーランが尋ねたところ、

「いや……、どこかで昼メシにしてから、魔鉱石を売却して、新しい装備品を購入したり、ポーションや食料を補充しておきたい。」

紫蓮が、このように返した。

「じゃあ、俺が知っている優良店を紹介するぜ。」
「いろいろと、な!」

人生初の冒険に〝ワクワク〟しているグーランが述べ、

「お言葉に甘えさせていただくとして…、出発する前に、彼の登録を済ませておきましょう。」

タリアノが提案する。

促された紫蓮とグーランが互いに[画面]を開いて、送受信を行った。

これにて、グーランは、正式に、[ゴッド・スレイヤーズ]に加入したのである―。
しおりを挟む

処理中です...