GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第四章・西陸行路 ―

第129話 彼女らの心配事

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もうじき18歳になるというグーランの案内にて、紫蓮しれんたちは、大飯店へと向かって歩いている。

ちなみに、彼のジョブは[騎士]で、スキルは【風撃】だそうだ。

そんなグーランのサーヴァント達を確認していこう……。




まずは、身長が1Mぐらいで、メスのワーバットだ。

蝙蝠コウモリ型であるこの魔物は、口から超音波を発し、敵の方向感覚を失わせて、眩暈めまいを引き起こすらしい。


これまた背丈が1Mくらいで、メスのモスマンは、羽から黄色の粉末を飛ばし、相手を混乱させる。


鹿の角が生えた“兎”のモンスターは、オスのジャッカロープである。

体長は平均的なウサギほどで、毛並みは白い。

ブラウンの角から【雷】を放つのだそうだ。


3Mほどの大きさがある魔物は、下半身が獅子で、上半身が大鷲といった、オスのグリフォンである。

その翼を用いて【風】の系統を扱うらしい。


こちらも3Mぐらいありそうなモンスターには、頭が三つ存在していた。

オスのケルベロスで、毛並みは黒い。

どの口からも直径50㎝程の【火の玉】を発射するそうだ。




ほぼ石造りで、所々に木材を使っている、広い店内にて――。

飲食しながら、

「そういやよ…、うちの爺さんから書状を預かってきたんだったけど……。」
「なんでも、“イッズーモ国”に、かつての仲間が居るらしいんだ。」
「“名も無き旅団”の。」
「で。」
「その人に〝手紙を渡せ〟〝きっと協力してくれるだろうから〟ってさ。」
「んんーと…、イッズーモの首都でギルドを運営していて、“弓の女王”って呼ばれてるんだったけかな?」

グーランが述べた。

それに対して、

「すまぬが……、我らは、“西の大陸”は初めて故、“イッズーモ国”とやらを知らぬ。」
「ついでに、“ハーリマー国”の位置も、よくは分かっておらん。」

撫子なでしこが返す。

「ああー、そっか…。」
「だよな。」

軽く頷いたグーランが、

「“ビーゼェーン国”の西隣が“イッズーモ”で……。」
「イッズーモの北西に“イナバ―ン”という国がって、その北に位置しているのが“ハーリマー”だ。」

簡単に説明した。

「では…、〝イッズーモに立ち寄ってから、イナバーンを経由して、ハーリマーを目指す〟という方針で、問題ないでしょうか?」

確認したタリアノに、

「ああ、構わねぇ。」
「それでいこう。」

紫蓮が承諾する。

「あのー、……、その国々は“砂漠”なのでしょうか??」

涼音すずねが質問したところ、

「ハーリマーの北方あたりから、そういう地帯が増えていくらしいぞ。」

グーランが、このように答えた。

「んー、お肌が荒れそうね。」

眉間にシワを寄せたペイニーに、

「確か、そういのを防止する薬液があるんじゃなかったけ?」
「うちの女性陣によれば、クリームだの、泥だのといった、種類が有るらしい。」

グーランが少し首を傾けつつ記憶を辿る。

金髪の少年騎士であるロンド―が、

クリーム・・・・って、なんだ??」

との疑問を投げかけ、

「“乳製品”じゃなかったかしら?」

ペイニーが述べた。

「それらを、どうするのだ??」

撫子が伺い、

「髪の毛や、顔とか、体といった、露出している部分に、塗るらしい。」

グーランが説明する。

黒髪ボブの少女弓術士こと真凪まなは、

「え!?」
「塗るんですか?」
「ミルクや泥を??」

驚きを隠せないようだ。

これに、

「でも、面白そうじゃない!」
「だから、いろいろと試してみない?!」

茶髪セミロングの少女魔法使いであるララベーリャが、瞳を輝かせて促す。

赤髪ボブショートの少女武闘家ことルーシャは、

「そう、ね…。」

同意したものの、顔つきは渋い。

「まぁ、あれだな。」
「どうしても抵抗があんなら、手袋を填めて、目から下を布で覆って、フード付きマントを装着すれば、日光や砂を遮断できるみたいだぞ。」
「ある程度は。」
「ただ……、ハーリマー国に入る頃には秋になってるんじゃねぇか?」

グーランの言葉に、お年頃の女性たちが〝あー、なるほどぉ〟といった感じで納得したのだった―。
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