GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第四章・西陸行路 ―

第181話 帰趨

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武術マスターによる[トルネード]に巻き込まれた“敵の王”が、回転しながら上昇していく。

[ゴッド・スレイヤーズ]であれば、金色短髪の【騎士】であるグーランや、黒龍の新羅しんらなどが扱えるが…、利通としみちそれ・・は威力が違っていた。

“上級の神”は、竜巻状の風によって、翼や武器に甲冑はもとより、肉体を切り刻まれ、ボロボロになっていく。

王が空中へと放り出されたところで、[風の渦]が〝フッ〟と消えたのである。

宙から墜ちてきた神は、

ズドォンッ!!

[大通り]に、背中を強く打ち付けられた。

この衝撃で、石造りの道が、少なからず陥没している。

辺りが静まり返っているなかで、

「死んだか?」

武術マスターが目で様子を探った。

〝ピクッ〟と反応した王が、痛みに苦しみながら、上体を起こす。

「ほぉう、さすがにしぶといのぉ。」
「じゃが……。」
「あのまま動かぬほうが、身のためだったかもしれんぞ。」

そう述べつつ、利通が[曲刀短剣]を鞘から抜いた。

「ぐぬうぅ~ッ。」

まだ意識が朦朧としているらしく、いささかフラついていている神に、狙いを定めた武術マスターが、[武器伝導]にて風を纏わせる。

左手を前に、腰を〝スゥー〟と落とした利通が、

「ふんッ!」

右手に握る曲刀を突き出したところ、最大幅50㎝×長さ7Mで、先端が尖った[風のくい]が発射された。

もはや対応しきれない王は、

ドシュッ!!

破損している兜ごと額を貫かれ、血を噴射しながら、再び仰向けになったのである。

この光景に“中級の一柱”が、

「た、退避ぃ――ッ!!!!」

大声で告げた。

どうやら“女神”みたいだ。

なにはともあれ。

神どもが一斉に飛び立とうとする。

[GOD SLAYER’S]との戦闘でダメージを負っている連中も当然の如く。

丁度、[武器伝導]を発生させていた紫蓮しれんが、

「させるかよッ!」

サムライソードを左から右へと払い、最大幅40㎝×長さ4Mで[三日月状の雷]を放った。

それは、中級の一柱&下級の四柱に直撃し、

ビリビリビリビリィ――ッ!!

と、感電させたのである。

他のパーティーメンバーも、ほぼ同時に[スキル]や[魔法]を使い、残りの下級たちが逃げるのを阻止していた。

また、あちらこちらで、ミーノン兵や、そのサーヴァント達も、神々を攻めている。

横倒れで痙攣している“中級”に近づき、

「邪魔だな。」

呟いた紫蓮が、左手で無理矢理に兜を脱がす。

その流れで、“男神おがみ”の右首を刺した。

彼の仲間たちも、無論、神どもを殲滅していく…。


数分が経ち、【剣士】らしい男が、

「殆どを倒しましたが……、2割ほど討ち損じたようで、行方は分かっておりません。」

武術マスターに報告する。

これを受けて、

「まぁ、よい。」
「生き延びたところで何も出来んじゃろう。」
「捨て置け。」
「それよりも…、手分けして、“通話機能”で全ての指揮官に状況を伝えよ。」
「あと、〝都に入っている各部隊は城まで進むように〟ともな。」

周囲に控えている家臣らに命じる利通であった―。
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