Arousal of NPC‘s

猫乃麗雅

文字の大きさ
上 下
57 / 66
Chapter 1/最初の国

№57 来襲④

しおりを挟む
[Teamチーム Zゼット]は“第二陣”にからくも勝利したところだ。
[HP回復ポーション]を飲んだ“ボサボサ赤髪”のゾースが、
「おい、誰か余分に持ってねぇか?」
「俺のは今ので最後だったかんな。」
メンバーに要求する。
20代半ばで“背丈170㎝・金髪セミロング三つ編み・細マッチョ”のジリ―が、
「私達も似たようなものだから、無理よ。」
「イベントが始まる前に購入していなかったし。」
こう述べたところ、
「あん?!」
ゾースが逆ギレしかけた。
「僕が魔法で治癒していけば大丈夫だと思う。」
「MP用のポーションであれば、まだ余裕があるから。」
そのように伝えたのは、“身長155㎝・サラサラ茶髪ショート・痩せ型”で10代半ばのゼシューだ。
これに、
「……、そうか。」
「じゃあ、任せたかんな!!」
「しっかりやれよ!?」
偉ぶるゾースであった。

約1分が経っている。
北上する[Team Z]の正面より新たな魔物たちが向かって来ていた。
それらに対して、
「おっし、いくぞッ!!」
先頭のゾースが駆けだす。
なお、8人パーティー・・・・・・・である[Team Z]は、全員が“初期装備”である。
とにもかくにも。
ゾースが払った[木製の棍棒こんぼう]が、“1M級のアリ”にヒットした。
「よっしゃ!」
「テメェラもオレ様につづ」と後ろを振り返ったゾースは、
「あ??」
我が目を疑う。
何故ならば、彼を除いた面子が一定の距離を取ったまま静観していたのだ。
「お前ら、なんのつも」と喋るゾースの背後より、“1M級のハチ”が針で首を刺す。
これによって、ゾースは【麻痺】してしまった。
そうした状況で、
「やりすぎたんだよ、君は。」
“背丈175㎝・黒髪ショート・スレンダーながらも筋肉質”で20代後半のザイラが哀れみながら告げる。
モンスター集団によって一斉に攻撃される“赤髪の戦士”に、
「さよなら、ゾース。」
ゼシューが呟く。
リーダーが、いくつもの“白く輝く泡”となって消えゆくなか、
「さっきのNPCを急いで探そう!!」
「多分まだ共闘できるはずだから!」
[女神の愛子まなご]たるゼシューが提案した。
これを受け、[Team Z] は、“大通り”を南下すべく、走りだす…。



ギルドの受け付けで、“要塞奪還”の報酬を貰ったのは、[Team Kケイ]だ。
「それじゃぁ、イベントに参加するぅ?」
“女性弓術士アーチャー”のキエラが尋ねたところ、
「いや~、おそらく、これ・・が“厄難やくなんの日”だろうからぁ、ポーションとかのアイテム類を先に揃えておこぉう。」
そのように語る“男性ガンナー銃士”のクーガだった。


日が沈むなか、“魔物の第一陣”と戦った場所あたりまで戻ってきたゼシュー達が、ふと立ち止まる。
肩で息しながら、
「確か、この辺りだった筈だけど……。」
“白魔術士”のゼシューが周囲を見回す。
こうしたなか、20代前半で“身長160㎝・黒髪サラ艶セミロング・華奢”といったゼンが、
「あっちから、何か音が聞こえてくるわ。」
東の方角を指差した。
誰もが横道に視線を送った流れで、
「進んでみてもいいんだよな??」
“男性剣士”が窺う。
「勿論だよ。」
「これからはザイラがリーダーだから、皆を引っ張っていってね。」
穏やかに話したゼシューに、
「え?」
「俺が??」
剣士が少なからず戸惑った。
「以前にも言ったけど、女神さまは、もともとザイラを推薦していたんだから、当然でしょ。」
更にゼシューが述べたところ、
「よろしくね、ニューリーダー。」
“女性武闘家”のジリ―が微笑んだ。
「なんか、照れくさいな。」
はにかむザイラへと、
「さ、行きましょ。」
“女性陰陽師”のゼンが優しく声をかける。
「ああ、そうしよう。」
頷いたザイラを筆頭に、裏路地に入ってゆく7人・・であった―。
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

現代でほのぼのライフ

キャラ文芸 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:5

ちびっこ二人の異世界生活〜不思議なポッケで快適です!〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:44

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:72,392pt お気に入り:29,892

異世界バーテンダー。冒険者が副業で、バーテンダーが本業ですので、お間違いなく。

Gai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:9,032pt お気に入り:210

処理中です...