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【13話】 ギルドに入ろう
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リリアはルーダ・コートの町にいる。いよいよ冒険者ギルドに登録だ。
ルーダリアで王族と謁見した後、今後の説明を受けたが、とりあえずリリアの勇者就任式は10日後、その前日にリハーサルがあるので、それまでは自由だそうだ。かなり急な話しのようで、ども部署もかなり忙しいらしく、リリアに構っている暇はないといった様子だ。リリアの式典なのだが… もっとも自由奔放がモットーのリリアにはちょうど良い。リハーサルまでには戻ると伝え、さっそくルーダ・コートの町までギルド活動に来たリリア。
そのリリアは出店、屋台の立ち並ぶ一角のテーブルに座り、お茶を飲みながら各ギルドでもらったチラシを読んでいた。日陰だが蒸し暑い。
「…どこがいいのかしら」リリアは呟きながらチラシに目を通す。大小さまざまなギルドがあって、大きなギルドはかなり特徴が違うらしい。中小ギルドの違いはよくわからない。気が合うギルメンがいるかいなか程度だろうか?チラシにはさまざまな勧誘文句が書かれている。
“入ギルド費、今なら50%オフ”
“大陸最大87都市村の宿が無料”
“エルフ語、西地方語話せる人優遇”
“オリガ方面の遺跡探検ならここ”
“馬車の故障も最寄りの町で修理”
“手ぶらで移動。武器、現地貸し出し可能”
“初心者歓迎!ベテランギルメンがサバイブ術を基礎から伝授”
“求む!優遇!エンチャ魔法!”
“ギルド内の鑑定士がお宝をその場で高く買い取り”
ギルドに入ると思ったより色々なサービスがあるようだ。
“必ず異性とパーティー可能”
“無料で相性のよいお相手とマッチング。匿名厳守”
“やばい物取りに行きたいならここ”
“ギルドでお金貸せます。すっごく良心的”
“揉め事おさめます!タンク優遇”
“日中活動のみ、健全ギルド”
“基本、課金無料”
アイディア勝負と言うのか… 何かそれ書いていいの?ってのもある。
基本、課金無料… 絶対後から課金するパターン。
「……なんじゃコリャ」リリアは目に止めて思わず口にする。
“家にいながらお宝ゲット”
「そんな冒険者いないよね…」
リリアが呆れていると男の子が傍に来て1Gで10分扇ぐサービスを売り込んで来た。
「無料体験入ギルドをご希望の方ですね。それではまず、こちらの書類をご記入願います」
愛想のよい受付の女の子にそう書類を手渡されたリリア。リリアは手に取ると側のテーブルに座って記入を始めた。大陸で一番大きなギルドに来てみたのだ。チラシの案内を読んでみて、ギルド会費が高いけどメリットが大きそうだ。各都市村にギルドの宿があり、食事付きでかなり割安。現地でメンバー入れ替え可能、借り馬、狩り馬車も完備、高経験者現地スタッフ、通訳、大物獲得時、大財宝発見時は連絡一発で、運搬の手伝いに来てくれるらしい。活動の範囲を広げれば広げるほど利用価値はありそうだ。しかも目に止まったのは、
“数日間、無料体験入ギルド”の文字。
お試しできるなんて最高じゃない!リリアの心も弾む。胸も弾む。
履歴書、自己PR、特技、希望の職種、有している資格、志望動機、将来の夢(小論文)などなど。
リリアの村では見たことの無い書類が多い。受付の女の子に質問しながら書くリリア。
よくわからないけど要するに
“あたしってば、ギルドにとってメッチャプラスで、ギルドの存在意義が自分のライフビジョンにマッチして意欲的かつ有能な人間なんだぜぇ”的な内容に仕上げる書類らしい。リリアはとにかく張り切って書いて出してみた。
「うーん、ではここはちょっと訂正させてもらいますね」受付嬢がリリアの書類を手直ししている。リリアは不満そうに見ている。書いた文が大量に二重線で消されていく。なんでも、王国が認める資格や学校でないと書いても無意味らしい。
「これよろしいですね」訂正を終えて、笑顔を見せる受付の書類を見て文章として残った部分をつなげて要約するとリリアの書類内容は
“自称弓が上手い村から出て来た娘リリアが、ギルド入会を切望している”的な文章に仕上がっていた。
なんか腹が立ったので使いたくはなかったが“国で認める”事ならと思い究極奥義をリリアは出してみた。
「あたし、国に招かれた勇者なんですよ。それなら書類に書けるでしょ」
「あ!ウチはそういうのいいですから」笑顔できっぱり即答された。取り付く島もない。
しかし、さすが大きなギルドの受付だ。何も出来ないから受付かと思ったら彼女もルーンマスターだ。リリアの書類が終わると小さな鏡をリリアにかざして
「シャメ!コピー」と呪文を唱える。すると書類の右端にリリアの顔が絵になった。
リリアは驚く。たかが受付が偉そうにと思っていたけどごめんなさい。
そして、白紙を並べて置くと
「コピペ!」っと唱える。すると何枚でもリリアの書いた書類が複製されるのだ。
「……… これが大ギルドの実力か…」あんまりイキって自己PRしない方が良いかも知れない。
「では、書類は終わりましたので、少々お待ちください」そう言って受付嬢は裏のドアに消えていった。
リリアの目の前には1組のリリアの経歴書と白紙が残されている。それをマジマジと見ていたリリア。やがてキョロキョロと周りを確かめて誰もリリアを見ていな事を確かめるとリリアも手をかざして唱えてみた。
「コピペ!」
しかし何も起こらなかった
リリアはちょっと恥ずかしくなった
ルーダリアで王族と謁見した後、今後の説明を受けたが、とりあえずリリアの勇者就任式は10日後、その前日にリハーサルがあるので、それまでは自由だそうだ。かなり急な話しのようで、ども部署もかなり忙しいらしく、リリアに構っている暇はないといった様子だ。リリアの式典なのだが… もっとも自由奔放がモットーのリリアにはちょうど良い。リハーサルまでには戻ると伝え、さっそくルーダ・コートの町までギルド活動に来たリリア。
そのリリアは出店、屋台の立ち並ぶ一角のテーブルに座り、お茶を飲みながら各ギルドでもらったチラシを読んでいた。日陰だが蒸し暑い。
「…どこがいいのかしら」リリアは呟きながらチラシに目を通す。大小さまざまなギルドがあって、大きなギルドはかなり特徴が違うらしい。中小ギルドの違いはよくわからない。気が合うギルメンがいるかいなか程度だろうか?チラシにはさまざまな勧誘文句が書かれている。
“入ギルド費、今なら50%オフ”
“大陸最大87都市村の宿が無料”
“エルフ語、西地方語話せる人優遇”
“オリガ方面の遺跡探検ならここ”
“馬車の故障も最寄りの町で修理”
“手ぶらで移動。武器、現地貸し出し可能”
“初心者歓迎!ベテランギルメンがサバイブ術を基礎から伝授”
“求む!優遇!エンチャ魔法!”
“ギルド内の鑑定士がお宝をその場で高く買い取り”
ギルドに入ると思ったより色々なサービスがあるようだ。
“必ず異性とパーティー可能”
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“ギルドでお金貸せます。すっごく良心的”
“揉め事おさめます!タンク優遇”
“日中活動のみ、健全ギルド”
“基本、課金無料”
アイディア勝負と言うのか… 何かそれ書いていいの?ってのもある。
基本、課金無料… 絶対後から課金するパターン。
「……なんじゃコリャ」リリアは目に止めて思わず口にする。
“家にいながらお宝ゲット”
「そんな冒険者いないよね…」
リリアが呆れていると男の子が傍に来て1Gで10分扇ぐサービスを売り込んで来た。
「無料体験入ギルドをご希望の方ですね。それではまず、こちらの書類をご記入願います」
愛想のよい受付の女の子にそう書類を手渡されたリリア。リリアは手に取ると側のテーブルに座って記入を始めた。大陸で一番大きなギルドに来てみたのだ。チラシの案内を読んでみて、ギルド会費が高いけどメリットが大きそうだ。各都市村にギルドの宿があり、食事付きでかなり割安。現地でメンバー入れ替え可能、借り馬、狩り馬車も完備、高経験者現地スタッフ、通訳、大物獲得時、大財宝発見時は連絡一発で、運搬の手伝いに来てくれるらしい。活動の範囲を広げれば広げるほど利用価値はありそうだ。しかも目に止まったのは、
“数日間、無料体験入ギルド”の文字。
お試しできるなんて最高じゃない!リリアの心も弾む。胸も弾む。
履歴書、自己PR、特技、希望の職種、有している資格、志望動機、将来の夢(小論文)などなど。
リリアの村では見たことの無い書類が多い。受付の女の子に質問しながら書くリリア。
よくわからないけど要するに
“あたしってば、ギルドにとってメッチャプラスで、ギルドの存在意義が自分のライフビジョンにマッチして意欲的かつ有能な人間なんだぜぇ”的な内容に仕上げる書類らしい。リリアはとにかく張り切って書いて出してみた。
「うーん、ではここはちょっと訂正させてもらいますね」受付嬢がリリアの書類を手直ししている。リリアは不満そうに見ている。書いた文が大量に二重線で消されていく。なんでも、王国が認める資格や学校でないと書いても無意味らしい。
「これよろしいですね」訂正を終えて、笑顔を見せる受付の書類を見て文章として残った部分をつなげて要約するとリリアの書類内容は
“自称弓が上手い村から出て来た娘リリアが、ギルド入会を切望している”的な文章に仕上がっていた。
なんか腹が立ったので使いたくはなかったが“国で認める”事ならと思い究極奥義をリリアは出してみた。
「あたし、国に招かれた勇者なんですよ。それなら書類に書けるでしょ」
「あ!ウチはそういうのいいですから」笑顔できっぱり即答された。取り付く島もない。
しかし、さすが大きなギルドの受付だ。何も出来ないから受付かと思ったら彼女もルーンマスターだ。リリアの書類が終わると小さな鏡をリリアにかざして
「シャメ!コピー」と呪文を唱える。すると書類の右端にリリアの顔が絵になった。
リリアは驚く。たかが受付が偉そうにと思っていたけどごめんなさい。
そして、白紙を並べて置くと
「コピペ!」っと唱える。すると何枚でもリリアの書いた書類が複製されるのだ。
「……… これが大ギルドの実力か…」あんまりイキって自己PRしない方が良いかも知れない。
「では、書類は終わりましたので、少々お待ちください」そう言って受付嬢は裏のドアに消えていった。
リリアの目の前には1組のリリアの経歴書と白紙が残されている。それをマジマジと見ていたリリア。やがてキョロキョロと周りを確かめて誰もリリアを見ていな事を確かめるとリリアも手をかざして唱えてみた。
「コピペ!」
しかし何も起こらなかった
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