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【70話】 作戦:ぎっくり腰のワニに見とれる間抜けな闘牛士
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「…そんな訳でここ一週間、リリアはすっかり部屋で寝込んでいるのよ」オフェリアがホイルテッド村での経緯を説明。カウンターでリリアを探していた、魔法使いとプリーストはウムウムと頷きながら聞いている。
魔法使いとプリーストはペコとアリスだ。旅に出るリリアを心配したコトロが、仕事に区切りがつき次第、リリアと合流して、しばらくは一緒に旅して欲しいと頼んだようだ。一度リリアがパウロ・コートから、北に向かうと手紙に書いて送って来たので、パウロ・コートから国境に向かって村伝いに移動してきていた。
ホイルテッド村で「変な女がゴブリン退治を買って出たが、逆にゴブリンに言いくるめられ、おかしな提案をし、最後は泣きながら村を西に去った」とわけの分からない話を聞いて、「そんな変な事するのはリリアだ!」と追っかけて来たところ。運よくオフェリアと出くわした。
オフェリアが見るところ、ペコもアリスもいかにも現役バリバリの冒険者だ。
「リリアらしいと言うか…」ペコが呟く。
「… ペコ、逆立ちしたマントヒヒとドングリじゃない?」アリスが口を開いた。
「………???」オフェリア。
「いや、あれは男性冒険者向けだよ」ペコが答える。逆立ちした?…何?
「じゃ、酔いどれ爬虫類とマグカップか、金の定規と黄昏の浜辺」
ここからアリスとペコの問答が始まる。
「酔いどれは人数が足りないし、定規はリリアには向かないよ」
「寝そべったカバさん… 水虫の竜とサバ煮込み… ぎっくり腰のワニに見とれる間抜けな闘牛士…」
「そうね、私達とリリアなら… オフェリアっていった? あなた、水虫の竜とサバ煮込みとぎっくり腰のワニに見とれる間抜けな闘牛士だったらどっちがリリアに向いてると思う?」ペコが真剣に聞いてくる。意味がわからん、何かの暗号だろうか?リリアの知り合いはこんな人達だらけなのだろうか?
「……… 私、その… ぎっくり腰のワニとか…」
「そうね!オフェリアがそういうなら間違いないわね。作戦ぎっくり腰のワニに見とれる間抜けな闘牛士で行くわよ」
ペコとアリスが立ち上がる。オフェリアも慌てて立ち上がる。何なのだろうか?
ペコとアリスはホットドッグを10人前注文するとリリアの部屋に向かった。もちろんオフェリアも後に続く。
部屋のドアの前、ペコ、アリスは顔を見合わせて“準備良し”的な感じになっている。二人がオフェリアを見るが、わけが分からない。とりあえず目に力を入れて調子を合わせる。
「行くわよ! リリアァ!」ペコとアリスは勢いよくドアを開けて、部屋に飛び込むとリリアのベッドに飛び込んだ。
「リリア!あんた、勇者なんでしょ!一週間寝っ転がってるってどんな贅沢よ!」
「現実逃避なんて許さない!」
何やら叫びながら、無理矢理布団をひっぺがしてリリアの上にのしかかると二人でリリアの口にホットドッグを押し込み始めた。オフェリアは目が点。
「何が、私のせいでよ!あんたにそんな影響力あるわけないでしょ!」
「メソメソしたら同情されるなんて大間違いよ」
「勇者なんでしょ、仕事しなさよ!これでも喰らえ!」
「ペコ、まだまだホットドッグあるわよ。食らわせちゃって。火傷は直せる」
リリアを押さえつけ、口にホットドッグを… というか顔に擦り付けるというか…
リリアが声を上げ始めた。
「いや、ほっといて… あたしもういいの… やんない… 痛い!痛いよ!あっつ!熱い!やめて!!」
「何があたしやんないっよ!何様よ!ホットドッグでも喰らいやがれ!」
「ペコ!手を押さえて!ソーセージを口にねじ込んでやるから」
「やめてったら!ペコとアリスじゃない、どっから来たのよ!あたし、勇者失格したの! 人間も失格よ」
リリアも大声出して、バッタンバッタン抵抗している。なにこれ?…
「何ですか?喧嘩ですか?」
背後で声がするのでオフェリアが振り返ると戸口に男が立っている。目の前の光景が凄すぎてドアをすっかり閉め忘れていた。
「あ!いえ、何でもないです。取り込み中です」オフェリアは慌ててドアを閉める。
「聞いた?アリス、リリアは人間失格なんだって!」
「そうなんだ、ベッドの上で邪魔だから燃やしたら?」
「そっか燃やそう燃やそう!」魔法使いのペコが押さえつけるリリアにバーニングタッチをかましだした。
「あっつい!!熱い!やめて!あっつい! やめて!」リリアが大暴れする。なんか見方によっては元気… なのか?…
「ペコ、やっちゃえ!死ななければアリスが治癒するわ」
「わ!!あっついいぃ!人殺し!ろくでなし!あっつい!」
皆ケチャップ、マヨ、マスタードとパンとソーセージまみれて大格闘している。
「オフェリア!ぼうっとしてないで、この意気地なしをやっつけなさいよ!」ペコに怒られた。
「あ…はい…」オフェリアも何となく加勢する。
「熱い!熱すぎる!オフェリア!ちょっとあんた裏切るの!痛い!火傷したそばから治癒して!熱い!ホットドッグ要らない!マスタード効きすぎ!いい加減にしてよ!!」
リリアがキレた。皆を振り払う!!
「………………………………」一同
「… あなた元気じゃない」ペコ。
「… 何いつまでも寝てるのよ」アリス。
「… ホットドッグ後一つ残ってる…」オフェリア。
「………… ホットドッグもう要らない」リリア。
コン!コン!
「流血騒ぎって聞いて来ました。ドア開けてください」シェリフ
魔法使いとプリーストはペコとアリスだ。旅に出るリリアを心配したコトロが、仕事に区切りがつき次第、リリアと合流して、しばらくは一緒に旅して欲しいと頼んだようだ。一度リリアがパウロ・コートから、北に向かうと手紙に書いて送って来たので、パウロ・コートから国境に向かって村伝いに移動してきていた。
ホイルテッド村で「変な女がゴブリン退治を買って出たが、逆にゴブリンに言いくるめられ、おかしな提案をし、最後は泣きながら村を西に去った」とわけの分からない話を聞いて、「そんな変な事するのはリリアだ!」と追っかけて来たところ。運よくオフェリアと出くわした。
オフェリアが見るところ、ペコもアリスもいかにも現役バリバリの冒険者だ。
「リリアらしいと言うか…」ペコが呟く。
「… ペコ、逆立ちしたマントヒヒとドングリじゃない?」アリスが口を開いた。
「………???」オフェリア。
「いや、あれは男性冒険者向けだよ」ペコが答える。逆立ちした?…何?
「じゃ、酔いどれ爬虫類とマグカップか、金の定規と黄昏の浜辺」
ここからアリスとペコの問答が始まる。
「酔いどれは人数が足りないし、定規はリリアには向かないよ」
「寝そべったカバさん… 水虫の竜とサバ煮込み… ぎっくり腰のワニに見とれる間抜けな闘牛士…」
「そうね、私達とリリアなら… オフェリアっていった? あなた、水虫の竜とサバ煮込みとぎっくり腰のワニに見とれる間抜けな闘牛士だったらどっちがリリアに向いてると思う?」ペコが真剣に聞いてくる。意味がわからん、何かの暗号だろうか?リリアの知り合いはこんな人達だらけなのだろうか?
「……… 私、その… ぎっくり腰のワニとか…」
「そうね!オフェリアがそういうなら間違いないわね。作戦ぎっくり腰のワニに見とれる間抜けな闘牛士で行くわよ」
ペコとアリスが立ち上がる。オフェリアも慌てて立ち上がる。何なのだろうか?
ペコとアリスはホットドッグを10人前注文するとリリアの部屋に向かった。もちろんオフェリアも後に続く。
部屋のドアの前、ペコ、アリスは顔を見合わせて“準備良し”的な感じになっている。二人がオフェリアを見るが、わけが分からない。とりあえず目に力を入れて調子を合わせる。
「行くわよ! リリアァ!」ペコとアリスは勢いよくドアを開けて、部屋に飛び込むとリリアのベッドに飛び込んだ。
「リリア!あんた、勇者なんでしょ!一週間寝っ転がってるってどんな贅沢よ!」
「現実逃避なんて許さない!」
何やら叫びながら、無理矢理布団をひっぺがしてリリアの上にのしかかると二人でリリアの口にホットドッグを押し込み始めた。オフェリアは目が点。
「何が、私のせいでよ!あんたにそんな影響力あるわけないでしょ!」
「メソメソしたら同情されるなんて大間違いよ」
「勇者なんでしょ、仕事しなさよ!これでも喰らえ!」
「ペコ、まだまだホットドッグあるわよ。食らわせちゃって。火傷は直せる」
リリアを押さえつけ、口にホットドッグを… というか顔に擦り付けるというか…
リリアが声を上げ始めた。
「いや、ほっといて… あたしもういいの… やんない… 痛い!痛いよ!あっつ!熱い!やめて!!」
「何があたしやんないっよ!何様よ!ホットドッグでも喰らいやがれ!」
「ペコ!手を押さえて!ソーセージを口にねじ込んでやるから」
「やめてったら!ペコとアリスじゃない、どっから来たのよ!あたし、勇者失格したの! 人間も失格よ」
リリアも大声出して、バッタンバッタン抵抗している。なにこれ?…
「何ですか?喧嘩ですか?」
背後で声がするのでオフェリアが振り返ると戸口に男が立っている。目の前の光景が凄すぎてドアをすっかり閉め忘れていた。
「あ!いえ、何でもないです。取り込み中です」オフェリアは慌ててドアを閉める。
「聞いた?アリス、リリアは人間失格なんだって!」
「そうなんだ、ベッドの上で邪魔だから燃やしたら?」
「そっか燃やそう燃やそう!」魔法使いのペコが押さえつけるリリアにバーニングタッチをかましだした。
「あっつい!!熱い!やめて!あっつい! やめて!」リリアが大暴れする。なんか見方によっては元気… なのか?…
「ペコ、やっちゃえ!死ななければアリスが治癒するわ」
「わ!!あっついいぃ!人殺し!ろくでなし!あっつい!」
皆ケチャップ、マヨ、マスタードとパンとソーセージまみれて大格闘している。
「オフェリア!ぼうっとしてないで、この意気地なしをやっつけなさいよ!」ペコに怒られた。
「あ…はい…」オフェリアも何となく加勢する。
「熱い!熱すぎる!オフェリア!ちょっとあんた裏切るの!痛い!火傷したそばから治癒して!熱い!ホットドッグ要らない!マスタード効きすぎ!いい加減にしてよ!!」
リリアがキレた。皆を振り払う!!
「………………………………」一同
「… あなた元気じゃない」ペコ。
「… 何いつまでも寝てるのよ」アリス。
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「………… ホットドッグもう要らない」リリア。
コン!コン!
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