172 / 519
【86.5話】 ゴーストカーテンと藁君 ※少し前の話し※
しおりを挟む
「よ、カイデルさん、景気はどうだい?」
カウンターで在庫帳を確認していたが聞きなれた声がするので顔を上げると行商のブランデルと仲間達が立っていた。
ここはボッドフォートにある小さな村の宿屋。俺はこの宿“ゴーストカーテン”の主。
二人の息子と妻の四人家族だ。
代々ここで宿をしているが、俺はこのゴーストカーテンという宿の名前を気に入っている。サブリナは結婚前からこの名前を「縁起でもない、お化けでもでるのかと泊まる人が尻込みするよ」と言っていたが、俺はそんな事は無いと思っている。むしろ一見さんには大抵この名前について質問され、説明をすると「なるほど」と納得されるのだ。
「ブランデルさんかい。1ヶ月ぶりくらいか?戦争と内乱続きでこうも治安が悪くなっちゃなぁ… だが、この村は要にあるし、商人も旅人もキャンプサイトで寝ず、宿で寝てくれるから客足はそれほど減ってないぜ」
「わっはっはっは、そうか!そうだなぁ、俺達だってこうしてわざわざ部屋を取るってるし、俺も宿屋に転職するか」ブランデルが笑う。
「二人部屋を二部屋でいいかい?… あぁ、値段は同じだ」
ブランデルがチェックインする間に、従者が貴重品等を部屋に運んでいる。
「ブランデルさん、食材ならありったけ買うぜ。客はなんとかなるが、物資がろくに届かず売るサービスが無いときたもんだ… なに、ちょっとくらい高くても買うぞ。こっちも高く売るからよ。あっはっはっは」
ブランデルがチェックインを済ませて立ち去る。
「あ!そうだ、そこの階段の手摺り、壊れてたぜ。直しとかないと誰か怪我する」
ブランデルはちょっと足を止めて、そう言うと部屋に上がっていった。
“そうなのか…ちょっと見ないといかんな…”そう思って外に出ようとしたら、次の客が扉から入って来た。
女冒険者5人組… と、動く藁人形?…
「チェックインよ、5人と藁人形。ね、出来れば、キングサイズベッド二台の部屋に5人泊まりたいの… 無理は承知なのよ。ルーダリアから旅して来たの。お金あんまりないのよ、ちょっと割り増しで払うからいいじゃない!ね!」
ポニーテールの背の高い女がちゃきちゃきと喋る。こういうはっきりした女、俺は嫌いじゃない。
「割増しで良いならそれでいい… 藁人形?… ただで良いけど… 部屋に入れるのか?護衛用? まぁ、いいが、泥だらけで入れられたらたまったもんじゃない、せめてもうちょっと綺麗にしてくれ」
俺が言うと、ポニーテールは微笑みながらコクコクと頷いた。
この冒険者がチェックインしたら暇になったので俺は手摺りの確認のため表に出てみた。
「これか… 確かにこれはそのうち大きく壊れるな」
見ると、支えが折れ初めて、今のところは大問題ではないが、そのうち全部腐って折れるな…
中に戻ろうとしたら、階段の下で話し声がする。見るとさっきのポニーテールが藁人形に話しかけながら掃除をしている。
「何だあの女…」女は何やらブツブツ言っているが、どうやら藁人形に労いの言葉をかけて掃除しているようだ。俺は苦笑いしたが、道具を大事にするやつは嫌いじゃない、興味を持って階段を下りて女と藁人形のところに行ってみた。
「お嬢さん、その人形は何か特別なのかい?」
俺が声をかけるとポニーテールはちょっと驚いた様子で振り返った。
「あら?聞かれちゃった?うっふっふ」
照れ笑いしている。誰もいないと思って独り言を言っていたのであろう。
よく見るといかにも気が強そうだが鼻筋が通り、唇の形が良い。
「特に…なにも無いけどね… 改めて見ると黙々とよく働いてるなぁ、と感心しただけよ。重い荷物を背負うから肩が擦り切れて来てるし、何度も骸骨兵に切られ、矢を受けてるしね。ここはキラーハイエナに噛まれた時だね… こっちは魔法陣のトラップに掛かった時かな?… これは…あたしが料理中に火事にしかけたところだね、皆には言ってないけど、えっへっへっへ」
社交的な女のようだ。陽気で屈託がない、こういうやつは好かれるだろな。
「泥が落ちなければそれでいい」
女はそれに答えず、人形を拭きながら別な事を口にする。
「ねぇ、ゴーストカーテンって名前、なんなの?変わってるわね、インパクトは最高」
「あぁ、たいていその質問をされる、俺はその事も気に入ってる。そこから宿の建物を見てくれ… そうだ… そのまま後ろも… な? 裏の岩山の崖の模様がカーテンに隠れる幽霊の模様に見えるだろ。夕暮れ時はもっとはっきりと見える。それがこの宿の名前の由来だ」
気がつき難いが、説明するとたいていのお客は改めて建物を出て、名前の由来に気がつき感心してくれる。とても良い名前だ。
「なるほどね… そゆことね… 良かった、あたしてっきりお化け屋敷なのかと思ったよ。怨念がおんねん」そう言ってポニーテールは笑っている。
「藁君… あぁ、藁君ってこの子の名前ね。藁人形だから藁君。なかなか体張ってくれて感謝だけど、一番のダメージはこの前、農家に一晩預けたら、牛小屋にしまわれたらしく、朝引き取りに行ったら牛にに食い千切られていたのよねぇ」
そう言いながら、愛情たっぷりな様子でパタパタとホウキで藁君を叩いている。
「リリア、まだ掃除してたの?もういいから、食堂でおやつにするわよ」
仲間が出てきたようだ。プリースト二人に、破壊系の魔女と剣士かな?
「待ってね、結構埃がすごいよ」
ホウキで藁君をパンパンと叩いている。そろそろ宿に戻るか…
「もふぇ!!」
妙な声を上げるので戸口か振り返ると。ポニーテールは藁君にボコボコと殴られていた。
「リリア、強く叩き過ぎよ!敵判定出てるじゃない!」
仲間が大笑いしている。
藁君には愛情が届いていないようだ。
カウンターで在庫帳を確認していたが聞きなれた声がするので顔を上げると行商のブランデルと仲間達が立っていた。
ここはボッドフォートにある小さな村の宿屋。俺はこの宿“ゴーストカーテン”の主。
二人の息子と妻の四人家族だ。
代々ここで宿をしているが、俺はこのゴーストカーテンという宿の名前を気に入っている。サブリナは結婚前からこの名前を「縁起でもない、お化けでもでるのかと泊まる人が尻込みするよ」と言っていたが、俺はそんな事は無いと思っている。むしろ一見さんには大抵この名前について質問され、説明をすると「なるほど」と納得されるのだ。
「ブランデルさんかい。1ヶ月ぶりくらいか?戦争と内乱続きでこうも治安が悪くなっちゃなぁ… だが、この村は要にあるし、商人も旅人もキャンプサイトで寝ず、宿で寝てくれるから客足はそれほど減ってないぜ」
「わっはっはっは、そうか!そうだなぁ、俺達だってこうしてわざわざ部屋を取るってるし、俺も宿屋に転職するか」ブランデルが笑う。
「二人部屋を二部屋でいいかい?… あぁ、値段は同じだ」
ブランデルがチェックインする間に、従者が貴重品等を部屋に運んでいる。
「ブランデルさん、食材ならありったけ買うぜ。客はなんとかなるが、物資がろくに届かず売るサービスが無いときたもんだ… なに、ちょっとくらい高くても買うぞ。こっちも高く売るからよ。あっはっはっは」
ブランデルがチェックインを済ませて立ち去る。
「あ!そうだ、そこの階段の手摺り、壊れてたぜ。直しとかないと誰か怪我する」
ブランデルはちょっと足を止めて、そう言うと部屋に上がっていった。
“そうなのか…ちょっと見ないといかんな…”そう思って外に出ようとしたら、次の客が扉から入って来た。
女冒険者5人組… と、動く藁人形?…
「チェックインよ、5人と藁人形。ね、出来れば、キングサイズベッド二台の部屋に5人泊まりたいの… 無理は承知なのよ。ルーダリアから旅して来たの。お金あんまりないのよ、ちょっと割り増しで払うからいいじゃない!ね!」
ポニーテールの背の高い女がちゃきちゃきと喋る。こういうはっきりした女、俺は嫌いじゃない。
「割増しで良いならそれでいい… 藁人形?… ただで良いけど… 部屋に入れるのか?護衛用? まぁ、いいが、泥だらけで入れられたらたまったもんじゃない、せめてもうちょっと綺麗にしてくれ」
俺が言うと、ポニーテールは微笑みながらコクコクと頷いた。
この冒険者がチェックインしたら暇になったので俺は手摺りの確認のため表に出てみた。
「これか… 確かにこれはそのうち大きく壊れるな」
見ると、支えが折れ初めて、今のところは大問題ではないが、そのうち全部腐って折れるな…
中に戻ろうとしたら、階段の下で話し声がする。見るとさっきのポニーテールが藁人形に話しかけながら掃除をしている。
「何だあの女…」女は何やらブツブツ言っているが、どうやら藁人形に労いの言葉をかけて掃除しているようだ。俺は苦笑いしたが、道具を大事にするやつは嫌いじゃない、興味を持って階段を下りて女と藁人形のところに行ってみた。
「お嬢さん、その人形は何か特別なのかい?」
俺が声をかけるとポニーテールはちょっと驚いた様子で振り返った。
「あら?聞かれちゃった?うっふっふ」
照れ笑いしている。誰もいないと思って独り言を言っていたのであろう。
よく見るといかにも気が強そうだが鼻筋が通り、唇の形が良い。
「特に…なにも無いけどね… 改めて見ると黙々とよく働いてるなぁ、と感心しただけよ。重い荷物を背負うから肩が擦り切れて来てるし、何度も骸骨兵に切られ、矢を受けてるしね。ここはキラーハイエナに噛まれた時だね… こっちは魔法陣のトラップに掛かった時かな?… これは…あたしが料理中に火事にしかけたところだね、皆には言ってないけど、えっへっへっへ」
社交的な女のようだ。陽気で屈託がない、こういうやつは好かれるだろな。
「泥が落ちなければそれでいい」
女はそれに答えず、人形を拭きながら別な事を口にする。
「ねぇ、ゴーストカーテンって名前、なんなの?変わってるわね、インパクトは最高」
「あぁ、たいていその質問をされる、俺はその事も気に入ってる。そこから宿の建物を見てくれ… そうだ… そのまま後ろも… な? 裏の岩山の崖の模様がカーテンに隠れる幽霊の模様に見えるだろ。夕暮れ時はもっとはっきりと見える。それがこの宿の名前の由来だ」
気がつき難いが、説明するとたいていのお客は改めて建物を出て、名前の由来に気がつき感心してくれる。とても良い名前だ。
「なるほどね… そゆことね… 良かった、あたしてっきりお化け屋敷なのかと思ったよ。怨念がおんねん」そう言ってポニーテールは笑っている。
「藁君… あぁ、藁君ってこの子の名前ね。藁人形だから藁君。なかなか体張ってくれて感謝だけど、一番のダメージはこの前、農家に一晩預けたら、牛小屋にしまわれたらしく、朝引き取りに行ったら牛にに食い千切られていたのよねぇ」
そう言いながら、愛情たっぷりな様子でパタパタとホウキで藁君を叩いている。
「リリア、まだ掃除してたの?もういいから、食堂でおやつにするわよ」
仲間が出てきたようだ。プリースト二人に、破壊系の魔女と剣士かな?
「待ってね、結構埃がすごいよ」
ホウキで藁君をパンパンと叩いている。そろそろ宿に戻るか…
「もふぇ!!」
妙な声を上げるので戸口か振り返ると。ポニーテールは藁君にボコボコと殴られていた。
「リリア、強く叩き過ぎよ!敵判定出てるじゃない!」
仲間が大笑いしている。
藁君には愛情が届いていないようだ。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる