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【173話】 リリアとジュリエッタと
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エリフテン塔の五日目
ギュインターの娘、お姫様役の花嫁、ジュリエッタは昨日の夕方に到着した。
塔の上に居るミーナとジュリエッタに朝食を運んだリリアとコトロは九階から下を眺めて一言
「すごい… すっかり町になっているね…」
塔も関連施設も飾り付けと準備が進み、スタッフと来賓客がウロウロしているのが眺められる。
ブラック達は道の警備もあるが、暇な来賓客に頼まれて近くの散策や景観スポット、遺跡ツアーの案内人のような事もしているようだ。
「貴族の相手?面倒そうよね」リリアが言うと「うっす、面倒な人もいるっすけど、チップがもらえたりするっす」とまんざらでもないようだ。
リリア、コトロ、ネーコとラビの四人組はもっぱら塔の四階以上の専属お世話役のような形になっている。
途中の階に倒され役の魔物を置かなければならないがくたばりかけのファイアーフラワー以外何もいない。まぁ、これはリリアの代替案で切り抜ける予定だが…
「メッチャ危険な魔物がいます!やばいから素人が興味本意に近寄らないで」とイベントスタッフに説明するからすっかり塔の下では上階にはやばい魔物が用意されていてやべぇことになっているから連中に任せようと噂になっているようだ。
五階、六階、七階の扉には“マジやばい魔物に注意”と書かれていて、ドクロマークと三角形のような三日月のような何とも言えない幾何学的模様のマークが表示され厳重にトラロープが張られている。
リリア達以外は立ち入らなくなったのでサボりたくなったら適当な理由をつけて塔の上に来てサボっていればよい。思わぬメリットを生み出している。
塔の最上階にジュリエッタと付き人、九階にミーナとルミエ、そして八階はちゃっかりリリアとルーダの風メンバーが寝泊まりに使っている。塔は軍事施設として最上階を見張りと作戦ルーム、九階は会議室兼上官の部屋となっていて八階等を通路的な階であり豪華ではないが喧噪から離れてノンビリ出来るリリア達の憩いの空間となっている。
「お嬢様とミーナにおやつを運ぶわ、二人とも良く食べるからねぇ」と適当に理由をつけてギャレーから色々持ち込み食べ放題。
それはさておき…
リリアとコトロが食事を出し終わるとネーコ、ラビも上の階に上がって来た。
「ファイアーフラワーがまずい事になってるニャン」ネーコが報告する。
「え!何なに? とりあえず ッシよ! 下に行こう」リリア達が見に行く。
「あぁ… もうダメかな?… まずいよねぇ」リリアがフラワーを見て呟く。
見ると慣れない床生活のせいでファイアーフラワーはすっかり…
出汁を取った後のような感じになっている。リリア達が近づいてもファイアーどころではない、リリアが拾い上げてみたが首の座らない人形のようにヘナヘナとしている。
「水はちゃんとやったピョン」
「… いや、そもそもそんな問題じゃないと思います」
「肥料もあげたニャン」
「… この階だけ匂いますからね… でも関係ないと思います」
唯一虚偽報告していなかった本物の魔物がすっかりダメになりかけている。
「…… うーん… わかった… 今日が王子様役の新郎が来る日でしょ?式が明日… リリアが何とか明日まではもたせるよ」リリアが言う。自信ありそうな顔。
コトロが後で見に来るとフラワー二体とも鉢に植わって添え木で立たせてあった。
大の字の添え木に支えられヘタっている姿は拷問にかけられた人のような姿だ…
「… 何ですかこれは… 王子様役はこれと戦うんですかねぇ… 気の毒に…」コトロはため息…
リリアはというとジュリエッタのSPのような事をしている。
スタッフがジュリエッタの部屋を飾り付けすると言うのだ。救出に来た王子様役とジュリエッタが救助される重要なシーンとなるので、小道具とスタッフがコドモドラゴンで塔の九階まであがり装飾中。
部屋でゴタゴタする間、ジュリエッタは外室してくれとの事、リリアがいちよう身辺警備っぽい事をする。
ジュリエッタは金髪色白の気が強そうな女性だ。フワフワのドレスを着ていかにも貴族の娘っぽいという感じ。小指を立て気味に手の甲で口元を隠しながら「おっほっほっほ」と笑う。
コトロも身辺警護に同行する。
「コトロも?いや、別に野外に出て魔物でも襲ってくるならわかるけどその辺の散歩程度はリリアで十分だよ」リリアが言う。
「… いや、お嬢様の感じとリリアの性格を考えるとリリアが喧嘩しかねなと思い… どちらかと言うとお嬢様をリリアから守るのが私の役目です」コトロが言う。
「正しい判断だと思うぞ」ダカットが呟く。
で、リリアとジュリエッタだが…
結構性格があっているらしい。お互いに自由人な感じが良いのだろうか?
「あたしリリア…です… あなたに神のご加護がありますように」最初にリリアが挨拶をすると、顔を見もせず「そぅ、変わった挨拶ね、よろしく」と言ったっきりのジュリエッタ。
最初はホウキを手にウロウロしているリリアに「掃除用具を持ち込まないでいただけるからしらお掃除メイドさん」と注意していたジュリエッタ。
リリアは反論しかねない、“まずい二人が出会いましたねぇ”とコトロは心配していたがいつのまにか「お掃除メイドさん、黒髪ポニーのお掃除メイドさん」、「何ですか?クルクル巻き髪の金髪お嬢様」と呼び合っている仲になっていた。
「何か共通点でも感じたのですかねぇ… どちらも世俗的な人間とは言い難いのでシンパシーでも生まれましたか…」
コトロは妙に感心しているが、いかんせんリリアの無鉄砲さは世俗的なコトロには計り知れない。とんだ失礼をやらかさないように監視する。
リリア達はジュリエッタの付き添いで出歩きついでに会場入りしたギュインターと親族に挨拶。挨拶と言ってもリリアは一スタッフのようなものだ、「明日はよろしく」程度。
「お父様、お母様、このホウキのメイドさん面白いですわ、おっほっほっほっほ」的なジュリエット。
「巻き髪のお嬢様は顔を見たこともない相手と結婚に踏み切ったんですね。うっふっふっふ」的なリリア。
コトロは顔から火が出そうな思いをして聞いている。
「リリア殿はルーダリア王国の公認勇者ですぞ」とギュインターから親族に紹介されるとやたら関心を集めている。貴族は肩書に弱いのだろうか?
「バレました?名乗る程でもありませんが、実は!こうみえて公認の勇者です。どうもどうも、えっへっへ… 国王様ですか?お目通り何回もしてますよ。髭が長くて首が痛くなりそうな王冠を被って肩が凝りそうな衣装をまとっているご老人ね」
そして、調子に乗って
「勇者リリア参上!商人ギルド・リアルゴールと工芸ギルド・ハンズマンの共同開発と無償サポートにより授かった勇者リリアモデル(女性版)のこの剣で成敗してくれる」でリリアモデルの剣をキラーン!とさせている。
貴族は「おぉー」と何となく感心しているようだ。確かに見栄えは良い。
「……… ぅわぁ… 何だかペコ達が愚痴るのがわかりますね…」
ペコは恥ずかし過ぎて離れた場所に立っている。
リリアはすっかりジュリエッタと肩を並べて歩き、席を並べお茶仲間になりおしゃべり相手となっている。
「魔物を倒すお仕事?平民は生活のためにとは言えやっぱり蛮行の限りですわ。おっほっほっほ」
「結婚相手も自分で決められないなんて、ドーター・イン・ザ・ボックスは不自由ね。うっふっふっふ」
「あの二人は仲が良いのか?悪いのか?…」ダカットがコトロの手の中で呟く。
「さぁ… とにかく喧嘩をあ始めなければそれでよいです」
コトロと二人で変わり者二人を見守る。
ギュインターの娘、お姫様役の花嫁、ジュリエッタは昨日の夕方に到着した。
塔の上に居るミーナとジュリエッタに朝食を運んだリリアとコトロは九階から下を眺めて一言
「すごい… すっかり町になっているね…」
塔も関連施設も飾り付けと準備が進み、スタッフと来賓客がウロウロしているのが眺められる。
ブラック達は道の警備もあるが、暇な来賓客に頼まれて近くの散策や景観スポット、遺跡ツアーの案内人のような事もしているようだ。
「貴族の相手?面倒そうよね」リリアが言うと「うっす、面倒な人もいるっすけど、チップがもらえたりするっす」とまんざらでもないようだ。
リリア、コトロ、ネーコとラビの四人組はもっぱら塔の四階以上の専属お世話役のような形になっている。
途中の階に倒され役の魔物を置かなければならないがくたばりかけのファイアーフラワー以外何もいない。まぁ、これはリリアの代替案で切り抜ける予定だが…
「メッチャ危険な魔物がいます!やばいから素人が興味本意に近寄らないで」とイベントスタッフに説明するからすっかり塔の下では上階にはやばい魔物が用意されていてやべぇことになっているから連中に任せようと噂になっているようだ。
五階、六階、七階の扉には“マジやばい魔物に注意”と書かれていて、ドクロマークと三角形のような三日月のような何とも言えない幾何学的模様のマークが表示され厳重にトラロープが張られている。
リリア達以外は立ち入らなくなったのでサボりたくなったら適当な理由をつけて塔の上に来てサボっていればよい。思わぬメリットを生み出している。
塔の最上階にジュリエッタと付き人、九階にミーナとルミエ、そして八階はちゃっかりリリアとルーダの風メンバーが寝泊まりに使っている。塔は軍事施設として最上階を見張りと作戦ルーム、九階は会議室兼上官の部屋となっていて八階等を通路的な階であり豪華ではないが喧噪から離れてノンビリ出来るリリア達の憩いの空間となっている。
「お嬢様とミーナにおやつを運ぶわ、二人とも良く食べるからねぇ」と適当に理由をつけてギャレーから色々持ち込み食べ放題。
それはさておき…
リリアとコトロが食事を出し終わるとネーコ、ラビも上の階に上がって来た。
「ファイアーフラワーがまずい事になってるニャン」ネーコが報告する。
「え!何なに? とりあえず ッシよ! 下に行こう」リリア達が見に行く。
「あぁ… もうダメかな?… まずいよねぇ」リリアがフラワーを見て呟く。
見ると慣れない床生活のせいでファイアーフラワーはすっかり…
出汁を取った後のような感じになっている。リリア達が近づいてもファイアーどころではない、リリアが拾い上げてみたが首の座らない人形のようにヘナヘナとしている。
「水はちゃんとやったピョン」
「… いや、そもそもそんな問題じゃないと思います」
「肥料もあげたニャン」
「… この階だけ匂いますからね… でも関係ないと思います」
唯一虚偽報告していなかった本物の魔物がすっかりダメになりかけている。
「…… うーん… わかった… 今日が王子様役の新郎が来る日でしょ?式が明日… リリアが何とか明日まではもたせるよ」リリアが言う。自信ありそうな顔。
コトロが後で見に来るとフラワー二体とも鉢に植わって添え木で立たせてあった。
大の字の添え木に支えられヘタっている姿は拷問にかけられた人のような姿だ…
「… 何ですかこれは… 王子様役はこれと戦うんですかねぇ… 気の毒に…」コトロはため息…
リリアはというとジュリエッタのSPのような事をしている。
スタッフがジュリエッタの部屋を飾り付けすると言うのだ。救出に来た王子様役とジュリエッタが救助される重要なシーンとなるので、小道具とスタッフがコドモドラゴンで塔の九階まであがり装飾中。
部屋でゴタゴタする間、ジュリエッタは外室してくれとの事、リリアがいちよう身辺警備っぽい事をする。
ジュリエッタは金髪色白の気が強そうな女性だ。フワフワのドレスを着ていかにも貴族の娘っぽいという感じ。小指を立て気味に手の甲で口元を隠しながら「おっほっほっほ」と笑う。
コトロも身辺警護に同行する。
「コトロも?いや、別に野外に出て魔物でも襲ってくるならわかるけどその辺の散歩程度はリリアで十分だよ」リリアが言う。
「… いや、お嬢様の感じとリリアの性格を考えるとリリアが喧嘩しかねなと思い… どちらかと言うとお嬢様をリリアから守るのが私の役目です」コトロが言う。
「正しい判断だと思うぞ」ダカットが呟く。
で、リリアとジュリエッタだが…
結構性格があっているらしい。お互いに自由人な感じが良いのだろうか?
「あたしリリア…です… あなたに神のご加護がありますように」最初にリリアが挨拶をすると、顔を見もせず「そぅ、変わった挨拶ね、よろしく」と言ったっきりのジュリエッタ。
最初はホウキを手にウロウロしているリリアに「掃除用具を持ち込まないでいただけるからしらお掃除メイドさん」と注意していたジュリエッタ。
リリアは反論しかねない、“まずい二人が出会いましたねぇ”とコトロは心配していたがいつのまにか「お掃除メイドさん、黒髪ポニーのお掃除メイドさん」、「何ですか?クルクル巻き髪の金髪お嬢様」と呼び合っている仲になっていた。
「何か共通点でも感じたのですかねぇ… どちらも世俗的な人間とは言い難いのでシンパシーでも生まれましたか…」
コトロは妙に感心しているが、いかんせんリリアの無鉄砲さは世俗的なコトロには計り知れない。とんだ失礼をやらかさないように監視する。
リリア達はジュリエッタの付き添いで出歩きついでに会場入りしたギュインターと親族に挨拶。挨拶と言ってもリリアは一スタッフのようなものだ、「明日はよろしく」程度。
「お父様、お母様、このホウキのメイドさん面白いですわ、おっほっほっほっほ」的なジュリエット。
「巻き髪のお嬢様は顔を見たこともない相手と結婚に踏み切ったんですね。うっふっふっふ」的なリリア。
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