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【192.5話】 女勇者リリア やっぱり棒には勝てなかったよ ※休息時間の話し※
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謎の勇者リリア。
コムラとホックは未だにルーダリアの謎めいた勇者、リリアについて時々話し合う。
コムラもホックもリリアが勇者と名乗るのを最初は完全に自称、妄想だと思っていた。
しかし、どうやら本当に国王から指名を受けた勇者のようだ。
フリートで勇者と言ったら絶対的な存在。
感覚としては王と同格。王が政治を行い、軍隊が対外的な武力行使し、勇者が国内の治安を守ると言った形。普段お目にかからない王様、組織を指揮していつの間にか英雄と称えられる将軍等とは違い村を訪れて魔物等を退治する勇者は国民にとっては最も近く尊敬する存在と言ってよいだろう。
「勇者?王国の勇者って今は誰だ?」「勇者リリア?聞いたことないな」と言われながらも冒険者や政府関係者、有識者の間ではしっかりと「あんなんでもリリアが勇者だ」と認識されている。
勇者と言えばフリートでは王室付きの天下御免の存在と言って良いがリリアは完全に野放し。一人で勇者の仕事を探して勝手に活動している状態。
「謎ですね…」
「政策の違いじゃろうなぁ… そうとしか言いようがない」
コムラとホックは話し合う。
そのリリア、ルーダ港ではちょっと知名度がある。
リリアがコムラ達をつれてルーダ港のリアルゴールドを訪れたら厚遇を受けていた。
至るところにリリアのポスターが張られリリアモデルの鎧セットが売られている。
調べてみると勇者リリアは商人ギルドの専属モデルとなり闘技場でエキシビジョンマッチを行い、一勝二敗という何ともショッパイ現実味のある戦績で一度大衆の前で丸裸にされているらしい。そしてそれが大人気の理由。
謎だらけ…
「勇者リリアさんですか?俺大ファンなんです!サインください!」
リリアが店番をしていると時々ファンに声をかけられてサインと握手をしている。
「リリアちゃんってば、勇者モデルじゃなくて本当にこの国の勇者なんですよ… 自称じゃないの、本当に本物の勇者、よろしくね」
リリアはニコニコと応じている。
「あの本当に本物ってセリフが胡散臭さに拍車をかけていましたが… 本物なんですね」
「あぁ… わしも最初は… まぁ、最近では滑稽を通り越して時々可哀そうで同情するところがある。とにかくあの娘のお陰でたいぶ助かっておる面も多い。いや、むしろ思った以上に上手くいっておる。そのうち何かお礼をせねばいかんじゃろ」
コムラ達は思い出したようにこんな会話をしている。
そのリリア、お店番から休憩を貰って街ブラ中。
ルーダ港の街中はますます異文化流入の地となりわけのわからない活気とごちゃ混ぜ感がある。
「マンガ?… 聞きなれない言葉ね…なにかしらね」
リリアはある書店のコーナーで足を止めた。“マンガ”と書かれている。
もともと旅のお供に冒険物語等の書を持ち歩いて読んでいるリリア、本に感心が高い。
魔力ゼロのリリアには意味がないのだが、ちゃんと魔法使いが読むような古書も読んだりする。勇者のたしなみなのだそうだ。
とにかくリリアは“マンガ”なるコーナーで足を止めて一冊手に取った。
「… へー 絵で内容を伝えているのね… 面白い」
手にした本を開くと絵が連続して書かれ物語っている。文字が非常に少ないが内容は伝わってくる。
ページを開くと込められた魔力が発動して情景が展開されるマジックブックがあるが、これなら物理系の人間でも文字が少なく伝えられる。一言感心。
「お嬢ちゃん、それは最近海の向こうから来た文化で絵で伝える本なんだ。言葉が違ってもいちよう伝わる。魔力も必要ない、便利なものだろ」
店主が説明してくれた。
「お!これあたしの事かな?」
リリアはある本を手にしてみた。
“勇者リリアvsローパー”とタイトルしてある。
「リリアちゃんも本になればとうとう伝説入りよね」ニコニコとページをめくって、
「ヴぇぇ!ちょっと何よこれ!何なのよ!」と叫んだ。
見るとうっかりページを開いたリリアが赤面するような絵が並んでいる。
そして
「ローパーめ、私はルーダリアの女勇者、おまえなどにくっしはしない」から
「私の体は犯せても心までは犯せない」となり
「くっ… 体が… こんな…」となり
「ズチュ!ズチュ!」となり
「信頼していた国民にまでも蔑まれ…」となり
「ダメ… 私の中の淫らな何かが目覚めていく…」となり
「私だけ我慢する必要ないよね… あぁ~~~!!」となり
「プシャーーー!」となり
「やっぱり棒には勝てなかったよ…」と
腑抜けた顔でピースしている絵が描いてある。
「何なのよこれ!!!勇者バカにしてんのか!肖像権はどうした!名誉棄損だ!」
かってにとんでもない人権侵害だ!その前にこんなデタラメな話しがいかにも真相の様に描かれているのは何事だ!!
リリアは店主に掴みかかったが「いや、ウチは商品として取り扱っているだけで」と目を白黒させている。確かにそれはそうか…
言われて本を見ると“制作:リアルゴールド”と書かれてある。あの野郎ども…
リリアはすぐさまリアルゴールドに怒鳴り込んだ。そりゃそうだ…
「あぁ… あれですね?最近の異文化にヒントを得て販売に踏み切りましたがなかなか売れ行きが良く人気です。人気絵師ホクシーを起用して… 特に勇者リリアと言う言葉はうちだけが使用権利を持っておりまして… 勇者リリア殿の人気は未だに高く… 出来ればまた試合を組んでいただきたく… リリア様にも利益が発生しております。こちらです… どうです?なかなかの金額でしょう…」
リアルゴールドの偉い人がニコニコとしている。
リリアにも結構な金額が入るようだ。
「結構すごいのね… 人気なのね… って、そんな問題じゃねぇぇだよ!!」
リリアは大暴れ。
「いやいや、ちょっとお待ちください。まだあるのですよ」店長が慌てている。
「落ち着いてください、リリア殿。こちらです。イリュージョン、アナウンスの魔法とストア&リプレイの魔法をリアルゴールドの持てる最高水準の技術で本に組み込んだ傑作です。貴族向け販売の高価な物ですが予約が殺到しており高売り上げを約束されています」
店長は“ギルド内極秘”と書かれた本をリリアの前で開いてみせた。
「あっふん♡うっふん♡」
立体映像と音声でリリアとローパーのすんごい事が再現されている。
ってかこんなリリアは下着を破られただけどこんな事になってない!誇張し過ぎだ!ってか架空だ!
「どうです、リリア殿。完成すればヒット商品間違いなしです。題して勇者リリアvsローパー・スペシャルエディション」
店長は誇らしげに言う…
この日、リアルゴールド・ルーダ港本店は半壊状態となり、二週間の閉店と“勇者リリアvsローパー・スペシャルエディション”の販売が二カ月遅れになると発表された
コムラとホックは未だにルーダリアの謎めいた勇者、リリアについて時々話し合う。
コムラもホックもリリアが勇者と名乗るのを最初は完全に自称、妄想だと思っていた。
しかし、どうやら本当に国王から指名を受けた勇者のようだ。
フリートで勇者と言ったら絶対的な存在。
感覚としては王と同格。王が政治を行い、軍隊が対外的な武力行使し、勇者が国内の治安を守ると言った形。普段お目にかからない王様、組織を指揮していつの間にか英雄と称えられる将軍等とは違い村を訪れて魔物等を退治する勇者は国民にとっては最も近く尊敬する存在と言ってよいだろう。
「勇者?王国の勇者って今は誰だ?」「勇者リリア?聞いたことないな」と言われながらも冒険者や政府関係者、有識者の間ではしっかりと「あんなんでもリリアが勇者だ」と認識されている。
勇者と言えばフリートでは王室付きの天下御免の存在と言って良いがリリアは完全に野放し。一人で勇者の仕事を探して勝手に活動している状態。
「謎ですね…」
「政策の違いじゃろうなぁ… そうとしか言いようがない」
コムラとホックは話し合う。
そのリリア、ルーダ港ではちょっと知名度がある。
リリアがコムラ達をつれてルーダ港のリアルゴールドを訪れたら厚遇を受けていた。
至るところにリリアのポスターが張られリリアモデルの鎧セットが売られている。
調べてみると勇者リリアは商人ギルドの専属モデルとなり闘技場でエキシビジョンマッチを行い、一勝二敗という何ともショッパイ現実味のある戦績で一度大衆の前で丸裸にされているらしい。そしてそれが大人気の理由。
謎だらけ…
「勇者リリアさんですか?俺大ファンなんです!サインください!」
リリアが店番をしていると時々ファンに声をかけられてサインと握手をしている。
「リリアちゃんってば、勇者モデルじゃなくて本当にこの国の勇者なんですよ… 自称じゃないの、本当に本物の勇者、よろしくね」
リリアはニコニコと応じている。
「あの本当に本物ってセリフが胡散臭さに拍車をかけていましたが… 本物なんですね」
「あぁ… わしも最初は… まぁ、最近では滑稽を通り越して時々可哀そうで同情するところがある。とにかくあの娘のお陰でたいぶ助かっておる面も多い。いや、むしろ思った以上に上手くいっておる。そのうち何かお礼をせねばいかんじゃろ」
コムラ達は思い出したようにこんな会話をしている。
そのリリア、お店番から休憩を貰って街ブラ中。
ルーダ港の街中はますます異文化流入の地となりわけのわからない活気とごちゃ混ぜ感がある。
「マンガ?… 聞きなれない言葉ね…なにかしらね」
リリアはある書店のコーナーで足を止めた。“マンガ”と書かれている。
もともと旅のお供に冒険物語等の書を持ち歩いて読んでいるリリア、本に感心が高い。
魔力ゼロのリリアには意味がないのだが、ちゃんと魔法使いが読むような古書も読んだりする。勇者のたしなみなのだそうだ。
とにかくリリアは“マンガ”なるコーナーで足を止めて一冊手に取った。
「… へー 絵で内容を伝えているのね… 面白い」
手にした本を開くと絵が連続して書かれ物語っている。文字が非常に少ないが内容は伝わってくる。
ページを開くと込められた魔力が発動して情景が展開されるマジックブックがあるが、これなら物理系の人間でも文字が少なく伝えられる。一言感心。
「お嬢ちゃん、それは最近海の向こうから来た文化で絵で伝える本なんだ。言葉が違ってもいちよう伝わる。魔力も必要ない、便利なものだろ」
店主が説明してくれた。
「お!これあたしの事かな?」
リリアはある本を手にしてみた。
“勇者リリアvsローパー”とタイトルしてある。
「リリアちゃんも本になればとうとう伝説入りよね」ニコニコとページをめくって、
「ヴぇぇ!ちょっと何よこれ!何なのよ!」と叫んだ。
見るとうっかりページを開いたリリアが赤面するような絵が並んでいる。
そして
「ローパーめ、私はルーダリアの女勇者、おまえなどにくっしはしない」から
「私の体は犯せても心までは犯せない」となり
「くっ… 体が… こんな…」となり
「ズチュ!ズチュ!」となり
「信頼していた国民にまでも蔑まれ…」となり
「ダメ… 私の中の淫らな何かが目覚めていく…」となり
「私だけ我慢する必要ないよね… あぁ~~~!!」となり
「プシャーーー!」となり
「やっぱり棒には勝てなかったよ…」と
腑抜けた顔でピースしている絵が描いてある。
「何なのよこれ!!!勇者バカにしてんのか!肖像権はどうした!名誉棄損だ!」
かってにとんでもない人権侵害だ!その前にこんなデタラメな話しがいかにも真相の様に描かれているのは何事だ!!
リリアは店主に掴みかかったが「いや、ウチは商品として取り扱っているだけで」と目を白黒させている。確かにそれはそうか…
言われて本を見ると“制作:リアルゴールド”と書かれてある。あの野郎ども…
リリアはすぐさまリアルゴールドに怒鳴り込んだ。そりゃそうだ…
「あぁ… あれですね?最近の異文化にヒントを得て販売に踏み切りましたがなかなか売れ行きが良く人気です。人気絵師ホクシーを起用して… 特に勇者リリアと言う言葉はうちだけが使用権利を持っておりまして… 勇者リリア殿の人気は未だに高く… 出来ればまた試合を組んでいただきたく… リリア様にも利益が発生しております。こちらです… どうです?なかなかの金額でしょう…」
リアルゴールドの偉い人がニコニコとしている。
リリアにも結構な金額が入るようだ。
「結構すごいのね… 人気なのね… って、そんな問題じゃねぇぇだよ!!」
リリアは大暴れ。
「いやいや、ちょっとお待ちください。まだあるのですよ」店長が慌てている。
「落ち着いてください、リリア殿。こちらです。イリュージョン、アナウンスの魔法とストア&リプレイの魔法をリアルゴールドの持てる最高水準の技術で本に組み込んだ傑作です。貴族向け販売の高価な物ですが予約が殺到しており高売り上げを約束されています」
店長は“ギルド内極秘”と書かれた本をリリアの前で開いてみせた。
「あっふん♡うっふん♡」
立体映像と音声でリリアとローパーのすんごい事が再現されている。
ってかこんなリリアは下着を破られただけどこんな事になってない!誇張し過ぎだ!ってか架空だ!
「どうです、リリア殿。完成すればヒット商品間違いなしです。題して勇者リリアvsローパー・スペシャルエディション」
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