463 / 519
【223話】 二週間目のリリア
しおりを挟む
リリア達はこの三日間程“虎頭団”を見張っている。
この虎頭団は切り落としたサーベルタイガーの首が飾られていたためリリアが勝手につけた名前だがその後、チャトというコードネームが付けられた。
虎頭だと意味ありげ過ぎるので通信のイヤリングで聞かれては目立つ。リリアの村にいた猫の名前から付けられた。
今日が決行の日から三日目、狂騎士の斧作戦開始からちょうど二週間目である。
リリアとデューイ、ダーゴが三人で見張っている。
ダカットの活躍も忘れてはいけない。
リリアとダーゴが賊のアジト付近に潜伏した後、程なくデューイが合流してきた。
「リリア、俺だ!バカ!デカい声だすなよ!」
潜伏していたらデューイが突然声をかけてきて驚いた。
リリアとダーゴの匂いを辿って来たらしい、さすがウルフマン。
「凄いね!便利ね」リリアが感心する。
「俺は特に鼻が利く方だ。リリアは考え方も体臭も青臭いからすぐわかるぜ」デューイが言う。
「昨日水浴びしたけど、お風呂入れてないからね…」リリア。
「… そういう意味じゃないと思うけどな」ダカットが呟く。
とにかくリリア達の潜伏は思った以上に効果を上げ守備は上々のようだ。
リリアが気配を消して潜伏する。デューイは鼻を頼りに追跡、ダーゴも身軽な上ジッとしていると見つかりにくい。
そしてダカットが大活躍。
リリアの指示でダーゴがダカットをアジト付近に放置しては回収する。夜でもビジョンがあるダカットは優秀な人材。
「間違いないな、あれは賞金首のバーンズとチャビィだった。夜、手下と山道を戻ってきたよ」ダーゴに回収されたダカットがリリア達に報告する。
それをまた、使い魔等を使ってビケットに報告する。
魔法でターゲットの印をつけた荷物四つのうち三つはここに運び込まれた。ビケット側でも場所は把握できている。もう一つは別な盗賊団のアジトに運び込まれたらしくそちらには“ジャック”とネームがつけられミスニスとバンディが潜入している。
リリア達は大きな盗賊団のアジトに潜伏できたようだ。
三日間で結構チャト団の情報を丸裸にできた。
Dead or Alive
バーンズ (12000G)
チャビィ (7200G)
その他小者 (2000G)
手下を含めメンバー総勢13名
囚われ5名(2名はMissingの届け出人)
保有資産 (最低7000G)
リリア達が把握している状況だ。
保有資産のほとんどは今回ビケットから手に入れた物資が価値のほとんどを占める。しかも横取りがあり目減りしている。
必要経費等諸々を計算するとバーンズを取り押さえブレークイーブン程度、儲けをだす条件としては最低バーンズの確保からその他どれだけ人を押え資産を取り戻せるか。
アジト撲滅なら街からもお礼が出る。その他Missingも依頼人からお礼がもらえて、取り返したアイテムによっては保険会社からもお礼がもらえる。
賊はビケットの狂騎士の斧作戦前までは20名以上いたようだが、混乱の中でメンバーを失ったようだ。
メンバーが半減したこともあり、組織としての機能がだいぶ低下しているように見て取れる。
この一件で、横取りした賊同士も不仲になったようでここ数日も山中で小競り合いが続き、賊同士戦力を削り合っている。
メンバーが減り闘争に気を取られていて、リリア達には好都合な状況が続いている。
喧嘩、争いに乗じて他に潜む盗賊団の場所も割り出した。
リリア達はカモフラージュを作り、その中で行動パターンを観察したり時には追跡をして過ごしている。
「ビケット凄いよね、計画取りに進んでいるよね」リリア
「そうだな、正直計画以上と言ってもよいな、しかし、これからが勝負だ。ここまではプロローグみたいなものだろ」デューイが言う。
確かに言う通り、大勢の冒険者で大挙して、あるいは衛兵に通報して根絶やしにしてしまっては苦労の意味がない。ビケットに雇われているリリア達は自分達の手でDead or Aliveを押さえ、Missingを保護し、賞金につなげなければならない。
「やっぱり賊は根絶したほうが良いけど…」リリアが呟く。
リリア達が隠れるネットと枝葉で作ったカモフラージュはちょうど日差し避けになっている。秋も深く、じっとしていると肌寒く感じる時もある。
「そうか?…まぁそうだな… わかるがどうせこの世から完全に悪が無くなることはないぜ。なるべくしてなる人間がいるもんだ。完全にいなくなったら仕事が減る。ビケットに任せておけばいいぜ」デューイ。
「そうだね、リリアだってこれで儲けたいものね」リリアは少しテヘペロ的にわらう。
「… でも、囚われている人は解放したいよね…」リリアが呟いた
「…あぁ、それはそうだな」デューイも頷く。
格子がはまる洞穴があり、そこに女性ばかり囚われている。
町中にも賊の手下がいる、兵士等が公に動き出すと逃げてしまうだろう。
また、他の冒険者ギルドが力技で攻めても同じ結果、あるいは利益をめぐって対立しかねない。そんなことより一人、また一人と可能限り知られないうちに暗殺してしまうのが低リスクな作戦。
ビケットの指示に従って行動するしかない。
その夜
リリアはカモフラージュから観察を続けていた。
デューイとダーゴは寝ている。夜中は交代で見張らなければいけない。
ダカットは沢のアジトの通り道で定点観測要員として放置ホウキされている。
「いいなぁ… 温かい食事して、お風呂入って、フカフカベッドで寝たいなぁ…」リリアが呟く。
ここから覗くと賊共はキャンプファイヤーを囲み食事をし、お酒を飲んで騒いでいる。
「なんだかこっちが罰ゲームを受けているみたいだよ」リリア。
ここ数日間は口にするのはぼそぼその保存食、寝るのは岩の上、虫に体を這われ、痕跡を出せないのでトイレも補水も制限状態だ。
栄養が足りていないのか胸が小さくなった気がする。
賊が騒いでいるのを羨ましがって見ていたら声がした。
「皆いる?連絡に来たわよ。ゴーレムお疲れ様。皆を起こして」
レナードの使い魔、妖精のサラが伝言にやってきた。相変わらず透き通った声をしている。
「皆聞いて、明日の夜、このチャトにビケットが来るわ。そろそろ次のステップだって。ビケットが来て確認して指示を出すからそれまでは下手に手を出さず、行動を見張り続けてくれだって。ダカットは定点観測?OK、特に報告は?何か伝えたい物ある?それじゃ私帰るから、がんばってね」サラは告げると帰っていった。
「使い魔ってどこか他人事っぽいよね…たまにはお土産でも持って来てくれればいいのに」
リリアは飛び去るサラを眺めながらいう。
「お土産?サラが?おまえビスケットの欠片を三等分して食うつもりかよ」デューイは笑いながら再び寝に入った。
リリアがアジトを見下ろすと酔った賊が囚われていた女を穴から引っ張りだすところだった。
この虎頭団は切り落としたサーベルタイガーの首が飾られていたためリリアが勝手につけた名前だがその後、チャトというコードネームが付けられた。
虎頭だと意味ありげ過ぎるので通信のイヤリングで聞かれては目立つ。リリアの村にいた猫の名前から付けられた。
今日が決行の日から三日目、狂騎士の斧作戦開始からちょうど二週間目である。
リリアとデューイ、ダーゴが三人で見張っている。
ダカットの活躍も忘れてはいけない。
リリアとダーゴが賊のアジト付近に潜伏した後、程なくデューイが合流してきた。
「リリア、俺だ!バカ!デカい声だすなよ!」
潜伏していたらデューイが突然声をかけてきて驚いた。
リリアとダーゴの匂いを辿って来たらしい、さすがウルフマン。
「凄いね!便利ね」リリアが感心する。
「俺は特に鼻が利く方だ。リリアは考え方も体臭も青臭いからすぐわかるぜ」デューイが言う。
「昨日水浴びしたけど、お風呂入れてないからね…」リリア。
「… そういう意味じゃないと思うけどな」ダカットが呟く。
とにかくリリア達の潜伏は思った以上に効果を上げ守備は上々のようだ。
リリアが気配を消して潜伏する。デューイは鼻を頼りに追跡、ダーゴも身軽な上ジッとしていると見つかりにくい。
そしてダカットが大活躍。
リリアの指示でダーゴがダカットをアジト付近に放置しては回収する。夜でもビジョンがあるダカットは優秀な人材。
「間違いないな、あれは賞金首のバーンズとチャビィだった。夜、手下と山道を戻ってきたよ」ダーゴに回収されたダカットがリリア達に報告する。
それをまた、使い魔等を使ってビケットに報告する。
魔法でターゲットの印をつけた荷物四つのうち三つはここに運び込まれた。ビケット側でも場所は把握できている。もう一つは別な盗賊団のアジトに運び込まれたらしくそちらには“ジャック”とネームがつけられミスニスとバンディが潜入している。
リリア達は大きな盗賊団のアジトに潜伏できたようだ。
三日間で結構チャト団の情報を丸裸にできた。
Dead or Alive
バーンズ (12000G)
チャビィ (7200G)
その他小者 (2000G)
手下を含めメンバー総勢13名
囚われ5名(2名はMissingの届け出人)
保有資産 (最低7000G)
リリア達が把握している状況だ。
保有資産のほとんどは今回ビケットから手に入れた物資が価値のほとんどを占める。しかも横取りがあり目減りしている。
必要経費等諸々を計算するとバーンズを取り押さえブレークイーブン程度、儲けをだす条件としては最低バーンズの確保からその他どれだけ人を押え資産を取り戻せるか。
アジト撲滅なら街からもお礼が出る。その他Missingも依頼人からお礼がもらえて、取り返したアイテムによっては保険会社からもお礼がもらえる。
賊はビケットの狂騎士の斧作戦前までは20名以上いたようだが、混乱の中でメンバーを失ったようだ。
メンバーが半減したこともあり、組織としての機能がだいぶ低下しているように見て取れる。
この一件で、横取りした賊同士も不仲になったようでここ数日も山中で小競り合いが続き、賊同士戦力を削り合っている。
メンバーが減り闘争に気を取られていて、リリア達には好都合な状況が続いている。
喧嘩、争いに乗じて他に潜む盗賊団の場所も割り出した。
リリア達はカモフラージュを作り、その中で行動パターンを観察したり時には追跡をして過ごしている。
「ビケット凄いよね、計画取りに進んでいるよね」リリア
「そうだな、正直計画以上と言ってもよいな、しかし、これからが勝負だ。ここまではプロローグみたいなものだろ」デューイが言う。
確かに言う通り、大勢の冒険者で大挙して、あるいは衛兵に通報して根絶やしにしてしまっては苦労の意味がない。ビケットに雇われているリリア達は自分達の手でDead or Aliveを押さえ、Missingを保護し、賞金につなげなければならない。
「やっぱり賊は根絶したほうが良いけど…」リリアが呟く。
リリア達が隠れるネットと枝葉で作ったカモフラージュはちょうど日差し避けになっている。秋も深く、じっとしていると肌寒く感じる時もある。
「そうか?…まぁそうだな… わかるがどうせこの世から完全に悪が無くなることはないぜ。なるべくしてなる人間がいるもんだ。完全にいなくなったら仕事が減る。ビケットに任せておけばいいぜ」デューイ。
「そうだね、リリアだってこれで儲けたいものね」リリアは少しテヘペロ的にわらう。
「… でも、囚われている人は解放したいよね…」リリアが呟いた
「…あぁ、それはそうだな」デューイも頷く。
格子がはまる洞穴があり、そこに女性ばかり囚われている。
町中にも賊の手下がいる、兵士等が公に動き出すと逃げてしまうだろう。
また、他の冒険者ギルドが力技で攻めても同じ結果、あるいは利益をめぐって対立しかねない。そんなことより一人、また一人と可能限り知られないうちに暗殺してしまうのが低リスクな作戦。
ビケットの指示に従って行動するしかない。
その夜
リリアはカモフラージュから観察を続けていた。
デューイとダーゴは寝ている。夜中は交代で見張らなければいけない。
ダカットは沢のアジトの通り道で定点観測要員として放置ホウキされている。
「いいなぁ… 温かい食事して、お風呂入って、フカフカベッドで寝たいなぁ…」リリアが呟く。
ここから覗くと賊共はキャンプファイヤーを囲み食事をし、お酒を飲んで騒いでいる。
「なんだかこっちが罰ゲームを受けているみたいだよ」リリア。
ここ数日間は口にするのはぼそぼその保存食、寝るのは岩の上、虫に体を這われ、痕跡を出せないのでトイレも補水も制限状態だ。
栄養が足りていないのか胸が小さくなった気がする。
賊が騒いでいるのを羨ましがって見ていたら声がした。
「皆いる?連絡に来たわよ。ゴーレムお疲れ様。皆を起こして」
レナードの使い魔、妖精のサラが伝言にやってきた。相変わらず透き通った声をしている。
「皆聞いて、明日の夜、このチャトにビケットが来るわ。そろそろ次のステップだって。ビケットが来て確認して指示を出すからそれまでは下手に手を出さず、行動を見張り続けてくれだって。ダカットは定点観測?OK、特に報告は?何か伝えたい物ある?それじゃ私帰るから、がんばってね」サラは告げると帰っていった。
「使い魔ってどこか他人事っぽいよね…たまにはお土産でも持って来てくれればいいのに」
リリアは飛び去るサラを眺めながらいう。
「お土産?サラが?おまえビスケットの欠片を三等分して食うつもりかよ」デューイは笑いながら再び寝に入った。
リリアがアジトを見下ろすと酔った賊が囚われていた女を穴から引っ張りだすところだった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~
杵築しゅん
ファンタジー
戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。
3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。
家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。
そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。
こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。
身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。
ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる