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【235.5話】 反勇者派の人々 ※年明け早々の話し※
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リリアはこう見えてもルーダリア王が指名した公認の勇者だ。
リリアの言うところの「本当に本物の勇者」、それがリリア。
こう見えてもリリアは公人なので時々街に呼ばれて式典等に出席することもある。
街の行事や図書館の落成祝い等に呼ばれることがある。
たいていは街の紋章が入った鎧とマントで末席に座って、偉い人の挨拶が長い時はウトウトしていて、名前を呼ばれるとちょっと前に出てニコニコと手を振って終了だ。
稀だがスピーチをする機会もある。本当に稀なのだが…
たいてい「今日はおめでたい日です。今後皆様にも神のご加護がありますように」と何にでも当てはまる凡庸な挨拶をするか、稀過ぎて自分がスピーチを行う事を忘れて席に戻ってきて、司会者を困らせている。
まぁ、勇者リリアが何か話そうが話さまいが体勢に影響はない。
たまにだが情報紙にリリアの活動が載る事がある。
だいたい「剣技場にて子供達と触れ合う勇者」とか「水路掃除活動に参加する勇者」とかいった見出しで、情報紙の片隅に小さく記載されている。
先日、リリアはある情報紙の取材を受けた。
ギルド・ルーダの風でインタビューを受け、ルーダ・コートの街の人口増加と治安の低下、治安維持予算の上昇について勇者としてどうおもうか聞かれていた。
「勇者は野外で魔物を倒すのが専門で、城壁内のことは衛兵に任せているから良く知らない」的な返事をしていた。
その記事は翌日、リリア所属のギルド・ルーダの風とともに小さく紹介されていた。
「お!あたしの記事あった、あった」
リリアは自分の記事を見つけるとちょっと誇らしげに切り抜いていた。
今日
リリアがノンビリ昼寝をしていると外が騒がしい。
「… 騒々しいなぁ… 近所のパン屋が新商品でも出したのかな?」リリアは外の声に気がついて目を覚ました。
リリアがブランケットにくるまりなおしているとドアにノックがされた。
「はぁぃ… 使用中ですよぉ」リリアメッチャ適当に返事をする。
「使用中ですよ、ではないですよ、表の連中、どうにかしないと」
コトロが部屋に入ってきた。
「なに?リリアちゃんと結婚したい男性が立候補にでもきたのかな?」
リリアが適当な事を言っているとコトロが窓を開けて下を指さした。
リリアもゆっくり立ち上がり外を見てみる。
「…… えぇ? なに、あの連中…」リリアが呟く。
窓から下を覗くと団体がプラカードを掲げ、中途半端な武装をして何かを主張している。
「勇者反対!」「税金泥棒」「この街に勇者は要らない」
要約するとこんな内容のプラカードを手に、「勇者反対!」と口々に叫んでいる。
「勇者反対運動の連中ですね」コトロが言う。
「見たらわかるけど… 何でここに来てるの?」リリア。
ルーダ・コートの街では勇者反対派の人達が集って時々公園なのでデモしている。
彼らの主張では勇者等いてもいなくてもどうでも良いお飾りに税金をかけるべきではない、勇者制度を撤廃すべきである、といったところだ。勇者撤廃署名を集めている事もある。
リリアもたまに見かける団体。
「先日、リリアがこのギルドに所属している記事が載ったので、身元がバレたのでしょう… 迷惑な話です」コトロが淡々と言う。
「あたし給料出てないのにね、そういう事は記事にしてくれないのよね」リリア。
「政調表には予算枠が記載されていますからね… その詳細な仕分け等までは知られていないでしょう」コトロ。
「まぁ、給料は出ていないけど、活動費は経費で請求できるからね。この前ちょっと保存食を多めに買って、余りは持って帰ってきたし…バレたかな? えっへっへ」リリアは意に介していないようだ。
「あれは迷惑ですね、中休み中だから良いですが、営業時間なら営業妨害ですよ、注意してきます」コトロが言う。
「ふぁい、気を付けてね」リリア。
「また戻って来ますけど… とりあえず、その時までに服は着てください」コトロ。
「ふぁい、気を付けます」リリア。
リリアはとりあえず服を着て窓から眺める。
コトロが出ていき、勇者反対運動の団体に何やら注意している。
「今日は人数が多いわね…」
リリアは外を見たがるダカットを窓辺に置き、自らもテーブルに座って眺めてみた。
反対派の群衆が波のように押し寄せて、ギルド・ルーダの風の窓が破られ、火炎瓶が投げられ、大衆が先導され、衛兵隊が導入され、団体と衝突、怪我人多数!そんなデモではない。
今日は多い方だが、多いと言っても九名程度だ。いつもは四,五人程度で活動している。
リリアがエア勇者で居てもいなくてもの人畜無害な存在なのだ。社会のリアクションも薄い、関心が低い、どうでも良い事柄。
世の中は勇者リリアの活動に大して興味がない。
コトロに注意されて、団体は歩道の向こうまで下がった。案外素直。
コトロがコーヒー二つとお菓子を手にリリアのヘアに戻ってきた。
「あんまり目の前でやると営業妨害で衛兵に通報するって言ってやりましたよ」コトロもテーブルに腰かけて下を眺めはじめた。
二人でコーヒーを飲んで勇者反対運動を眺める。
「… 意外ね… あたし、コトロがあたしに注意しに来たのかと思ったよ」リリアがコーヒーに口につけながら言う。
「リリアは勘違いをしていますよ。私はリリアがおかしな事をするから注意しているだけです。これ関してリリアは何も悪くないですし、連中が迷惑行為をしています。私の仕事はギルドとギルメンを守ることですよ」コトロが言う。
「勇者反対!」「この街に勇者は要らない!」「勇者制度廃止!」
勇者反対運動者達はそんな言葉を口にしている。
「規模ちっちゃいよね」リリアがお菓子を食べながら言う。
「対象が対象ですから、むしろ先日の記事を読んでリアクションする人が九名も居るのですから感心します」コトロ。
「もっと増えて千人くらいになって、この建物押し潰されちゃうかものよ」リリアがうっふっふと笑っている。
「ウチの勇者がそれだけの人物になって欲しいものですよ。そもそも十名以上街中で同じ運動集会に参加するのは不法集会になります。書類を提出したり、色々証明が必要になり手間がかかります。空気勇者にそこまでやりませんよ、きっと…」コトロ。
「あの連中よりコトロの方がよっぽど失礼よねぇ…」リリアがノンビリ答える。
外では「勇者出て来い!」と呼ばわる声もある。
リリアとコトロはしばらくノンビリ窓から眺めていた。
「何だか、リリアに出てきて欲しいみたいだよ、あたし出て行ってやろうか」リリアが言い出した。
「ほら、そういうところですよ、注意されるのは。わざわざ面倒を起こさないでください。連中も無意味な事に気がつき、じき撤収しますよ」コトロが注意する。
お菓子を食べながら眺めていると二名程団体に加わった。
「お!… 新たに仲間が加わったよ…十名超えたから不法集会になったよ。書類でも提出しに行くのかな?解散かな?分隊にするのかな? あれ?なんかもめてるっぽいよ…」リリア。
見ていると新たに加わった仲間と団体がもめているようだ。
「… あの二人はどうやら勇者賛成派のようですね… 反対派にクレームつけているようですね」コトロが少し身を乗り出す。
「そっかぁ… そうだよね、これだけ痛い思いをして年中無休の年中無給で勇者してるんだものね、リリアの存在を守ってくれる存在がいても良いよね」リリア。
「九名の反対派もしょぼいですが、あれだけ命を懸けた二年間で賛成派が二名ですか… しょぼ過ぎるにも程がありますけどね… まぁ、二名いるだけで驚愕の真実ですが…」コトロが静かに言う。
「あたし、勇者やっていて良かった、感動した、これからもあの九名に負けないようにがんばるよ」リリアが決意を表明している。
「リリアに関する全スケールがしょぼ過ぎますけど、理解者は大切にするものです… って、リリア、感動しているんですか?」
コトロがリリアを見ると、リリアは瞳をウルウルさせている
リリアの言うところの「本当に本物の勇者」、それがリリア。
こう見えてもリリアは公人なので時々街に呼ばれて式典等に出席することもある。
街の行事や図書館の落成祝い等に呼ばれることがある。
たいていは街の紋章が入った鎧とマントで末席に座って、偉い人の挨拶が長い時はウトウトしていて、名前を呼ばれるとちょっと前に出てニコニコと手を振って終了だ。
稀だがスピーチをする機会もある。本当に稀なのだが…
たいてい「今日はおめでたい日です。今後皆様にも神のご加護がありますように」と何にでも当てはまる凡庸な挨拶をするか、稀過ぎて自分がスピーチを行う事を忘れて席に戻ってきて、司会者を困らせている。
まぁ、勇者リリアが何か話そうが話さまいが体勢に影響はない。
たまにだが情報紙にリリアの活動が載る事がある。
だいたい「剣技場にて子供達と触れ合う勇者」とか「水路掃除活動に参加する勇者」とかいった見出しで、情報紙の片隅に小さく記載されている。
先日、リリアはある情報紙の取材を受けた。
ギルド・ルーダの風でインタビューを受け、ルーダ・コートの街の人口増加と治安の低下、治安維持予算の上昇について勇者としてどうおもうか聞かれていた。
「勇者は野外で魔物を倒すのが専門で、城壁内のことは衛兵に任せているから良く知らない」的な返事をしていた。
その記事は翌日、リリア所属のギルド・ルーダの風とともに小さく紹介されていた。
「お!あたしの記事あった、あった」
リリアは自分の記事を見つけるとちょっと誇らしげに切り抜いていた。
今日
リリアがノンビリ昼寝をしていると外が騒がしい。
「… 騒々しいなぁ… 近所のパン屋が新商品でも出したのかな?」リリアは外の声に気がついて目を覚ました。
リリアがブランケットにくるまりなおしているとドアにノックがされた。
「はぁぃ… 使用中ですよぉ」リリアメッチャ適当に返事をする。
「使用中ですよ、ではないですよ、表の連中、どうにかしないと」
コトロが部屋に入ってきた。
「なに?リリアちゃんと結婚したい男性が立候補にでもきたのかな?」
リリアが適当な事を言っているとコトロが窓を開けて下を指さした。
リリアもゆっくり立ち上がり外を見てみる。
「…… えぇ? なに、あの連中…」リリアが呟く。
窓から下を覗くと団体がプラカードを掲げ、中途半端な武装をして何かを主張している。
「勇者反対!」「税金泥棒」「この街に勇者は要らない」
要約するとこんな内容のプラカードを手に、「勇者反対!」と口々に叫んでいる。
「勇者反対運動の連中ですね」コトロが言う。
「見たらわかるけど… 何でここに来てるの?」リリア。
ルーダ・コートの街では勇者反対派の人達が集って時々公園なのでデモしている。
彼らの主張では勇者等いてもいなくてもどうでも良いお飾りに税金をかけるべきではない、勇者制度を撤廃すべきである、といったところだ。勇者撤廃署名を集めている事もある。
リリアもたまに見かける団体。
「先日、リリアがこのギルドに所属している記事が載ったので、身元がバレたのでしょう… 迷惑な話です」コトロが淡々と言う。
「あたし給料出てないのにね、そういう事は記事にしてくれないのよね」リリア。
「政調表には予算枠が記載されていますからね… その詳細な仕分け等までは知られていないでしょう」コトロ。
「まぁ、給料は出ていないけど、活動費は経費で請求できるからね。この前ちょっと保存食を多めに買って、余りは持って帰ってきたし…バレたかな? えっへっへ」リリアは意に介していないようだ。
「あれは迷惑ですね、中休み中だから良いですが、営業時間なら営業妨害ですよ、注意してきます」コトロが言う。
「ふぁい、気を付けてね」リリア。
「また戻って来ますけど… とりあえず、その時までに服は着てください」コトロ。
「ふぁい、気を付けます」リリア。
リリアはとりあえず服を着て窓から眺める。
コトロが出ていき、勇者反対運動の団体に何やら注意している。
「今日は人数が多いわね…」
リリアは外を見たがるダカットを窓辺に置き、自らもテーブルに座って眺めてみた。
反対派の群衆が波のように押し寄せて、ギルド・ルーダの風の窓が破られ、火炎瓶が投げられ、大衆が先導され、衛兵隊が導入され、団体と衝突、怪我人多数!そんなデモではない。
今日は多い方だが、多いと言っても九名程度だ。いつもは四,五人程度で活動している。
リリアがエア勇者で居てもいなくてもの人畜無害な存在なのだ。社会のリアクションも薄い、関心が低い、どうでも良い事柄。
世の中は勇者リリアの活動に大して興味がない。
コトロに注意されて、団体は歩道の向こうまで下がった。案外素直。
コトロがコーヒー二つとお菓子を手にリリアのヘアに戻ってきた。
「あんまり目の前でやると営業妨害で衛兵に通報するって言ってやりましたよ」コトロもテーブルに腰かけて下を眺めはじめた。
二人でコーヒーを飲んで勇者反対運動を眺める。
「… 意外ね… あたし、コトロがあたしに注意しに来たのかと思ったよ」リリアがコーヒーに口につけながら言う。
「リリアは勘違いをしていますよ。私はリリアがおかしな事をするから注意しているだけです。これ関してリリアは何も悪くないですし、連中が迷惑行為をしています。私の仕事はギルドとギルメンを守ることですよ」コトロが言う。
「勇者反対!」「この街に勇者は要らない!」「勇者制度廃止!」
勇者反対運動者達はそんな言葉を口にしている。
「規模ちっちゃいよね」リリアがお菓子を食べながら言う。
「対象が対象ですから、むしろ先日の記事を読んでリアクションする人が九名も居るのですから感心します」コトロ。
「もっと増えて千人くらいになって、この建物押し潰されちゃうかものよ」リリアがうっふっふと笑っている。
「ウチの勇者がそれだけの人物になって欲しいものですよ。そもそも十名以上街中で同じ運動集会に参加するのは不法集会になります。書類を提出したり、色々証明が必要になり手間がかかります。空気勇者にそこまでやりませんよ、きっと…」コトロ。
「あの連中よりコトロの方がよっぽど失礼よねぇ…」リリアがノンビリ答える。
外では「勇者出て来い!」と呼ばわる声もある。
リリアとコトロはしばらくノンビリ窓から眺めていた。
「何だか、リリアに出てきて欲しいみたいだよ、あたし出て行ってやろうか」リリアが言い出した。
「ほら、そういうところですよ、注意されるのは。わざわざ面倒を起こさないでください。連中も無意味な事に気がつき、じき撤収しますよ」コトロが注意する。
お菓子を食べながら眺めていると二名程団体に加わった。
「お!… 新たに仲間が加わったよ…十名超えたから不法集会になったよ。書類でも提出しに行くのかな?解散かな?分隊にするのかな? あれ?なんかもめてるっぽいよ…」リリア。
見ていると新たに加わった仲間と団体がもめているようだ。
「… あの二人はどうやら勇者賛成派のようですね… 反対派にクレームつけているようですね」コトロが少し身を乗り出す。
「そっかぁ… そうだよね、これだけ痛い思いをして年中無休の年中無給で勇者してるんだものね、リリアの存在を守ってくれる存在がいても良いよね」リリア。
「九名の反対派もしょぼいですが、あれだけ命を懸けた二年間で賛成派が二名ですか… しょぼ過ぎるにも程がありますけどね… まぁ、二名いるだけで驚愕の真実ですが…」コトロが静かに言う。
「あたし、勇者やっていて良かった、感動した、これからもあの九名に負けないようにがんばるよ」リリアが決意を表明している。
「リリアに関する全スケールがしょぼ過ぎますけど、理解者は大切にするものです… って、リリア、感動しているんですか?」
コトロがリリアを見ると、リリアは瞳をウルウルさせている
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