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見つかった短剣
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侍女から報告を受けてカシムが向かったのはアランの部屋だった。
「失礼します」
声をかけてカシムが部屋に入ると、アランは険しい表情で椅子に座っており、テーブルには見つかった短剣がおかれていた。
「カシムさま、ご確認をお願いします」
侍女の言葉にうなずいてカシムが短剣を改める。それはシルベ王家の紋章が入ったシャイムの短剣に間違いなかった。
「アランさま、これをどこで?」
「わかりません。衣装箱の底から出てきましたが、僕の持ち物ではありません」
「今日の午後、お部屋を空けましたか?」
「鍛練をしようと午後は部屋を空けておりました」
アランの問いにカシムは眉間に皺を寄せた。アランが盗んだとは信じがたい。恐らくたまたま部屋を空けていたところを狙われたのだろう。だが、アランの部屋から見つかった以上、何もしないわけにはいかなかった。
「アランさま、本日昼頃シャイムさまのお部屋が荒らされました。そして母君の形見の短剣が盗まれた。その短剣がこれです」
「僕は盗んでなどいません。午前中はファティマさまのお茶会に出ておりました」
「それは聞いております。ですが、あなたの部屋付きの侍女はどうでしょう?」
カシムの言葉にアランの顔がますます険しくなる。お茶会の最中、アランの侍女たちはそばにいなかった。
「僕の侍女たちがシャイムの物の盗む理由がありません」
「それはわかっています。しかし、あなたの部屋にシャイムさまの短剣があったのは事実です。陛下のご報告します」
カシムはそう言うと、ファティマの部屋にいる王にシャイムの短剣がアランの部屋で見つかったことを報告するよう侍女のひとりを送り出した。
「失礼します」
声をかけてカシムが部屋に入ると、アランは険しい表情で椅子に座っており、テーブルには見つかった短剣がおかれていた。
「カシムさま、ご確認をお願いします」
侍女の言葉にうなずいてカシムが短剣を改める。それはシルベ王家の紋章が入ったシャイムの短剣に間違いなかった。
「アランさま、これをどこで?」
「わかりません。衣装箱の底から出てきましたが、僕の持ち物ではありません」
「今日の午後、お部屋を空けましたか?」
「鍛練をしようと午後は部屋を空けておりました」
アランの問いにカシムは眉間に皺を寄せた。アランが盗んだとは信じがたい。恐らくたまたま部屋を空けていたところを狙われたのだろう。だが、アランの部屋から見つかった以上、何もしないわけにはいかなかった。
「アランさま、本日昼頃シャイムさまのお部屋が荒らされました。そして母君の形見の短剣が盗まれた。その短剣がこれです」
「僕は盗んでなどいません。午前中はファティマさまのお茶会に出ておりました」
「それは聞いております。ですが、あなたの部屋付きの侍女はどうでしょう?」
カシムの言葉にアランの顔がますます険しくなる。お茶会の最中、アランの侍女たちはそばにいなかった。
「僕の侍女たちがシャイムの物の盗む理由がありません」
「それはわかっています。しかし、あなたの部屋にシャイムさまの短剣があったのは事実です。陛下のご報告します」
カシムはそう言うと、ファティマの部屋にいる王にシャイムの短剣がアランの部屋で見つかったことを報告するよう侍女のひとりを送り出した。
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