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2章「冒険者になろう!」
18話 新ジョブ解放
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新ジョブ――魔剣士解放!
ジョブ・ナイトとソーサラーを極めた者の上位解放ジョブ!
鋭い剣撃と高火力の魔法で敵を惑わし狩りまくれ! 次回アップデートで追加!!
「新ジョブだあああああああっ!!!!」
……という、PVをみて歓喜していた前世の記憶が蘇った。
「魔剣士……」
動きを止めて私は両手を見つめる。
体の中に不思議な力を感じる。握る剣が手に馴染む。
「動ける……できる……!」
前世でやり込んだオンラインゲーム。
当然すべてのジョブをカンストしていたけれど、一番使っていたのは魔法職のソーサラーと剣職ナイトだった。だからこそ、魔剣士のアップデートを心待にしたのである。
「あははっ!!」
思わず笑みが零れた。
まさかこんなところで新ジョブを使えるようになるなんて!
《ぐるるるるる……がああああっ!!!》
吹き飛ばされていた魔獣が再び立ち上がる。
興奮しているようだ。口からは煙が上がり、目が血走っている。
毛が逆立ち、鉤爪の足は抉るように地面を蹴る――相手も必殺技を繰り出してくるのだろう。
「かかってきなさい!」
負ける気がしなかった。
剣を握り腰を落とす。
(ディーガの弱点属性は――炎)
剣の周りに炎が渦巻いていく。
魔獣は回転し、旋風をあげながら私に向かって突進してくる。巻き上がる風は――炎を強くする。
「――くらえっ! 火炎刃!」
何もない場所に切り込むと、それは炎の鎌鼬が表れたディーガを真っ二つに切り裂いた。
属性付与攻撃。魔剣士の初期スキル。
《…………ぐあ》
鳴き声ひとつあげると、ディーガは倒れた。
下級魔獣はその場で煙のように消え、ドロップアイテムだけを残していく。
「疾風虎の牙! やった! レア素材だ!!」
煌めく牙を手にとって掲げる。
観覧席にはリオンがいた。
「リオン! やった! これで私も冒険者だよ!!」
飛び跳ねながら全力で手を振った。
リオンはほっとした様子で手を振り替えしてくれた。
*
「――あれは一体なんだ」
おじいさん――ギルド長、ドラゴは驚き目を丸くした。
「ディーガはルーキーでも勝つのが難しい魔獣だぞ。それをたった五つの子供が倒すなんて……おい、リオン。お前なにかしたのか」
「まさか」
リラを見つめるリオンの眼差しも驚いていた。
「魔剣士だって最近認可された職種だ。あんな子がいきなり適正開花するなんてて……」
「とにかくこれでリラは試験に合格ですよね」
リオンはにこりと笑う。
「ああ……だが、本当にノエルのクランを取り戻すつもりでいるのか」
「リラは本気ですよ。そして、俺だって正直腸が煮えくり返ってるんですよ」
リオンから笑みが消えた。ドラゴはゾクリと背筋を凍らせる。
「ああ……リラ。やはり貴女は特別な子だ」
それでこそノエルの子だと、リオンは誇らしそうに大切な親友の忘れ形見に手を振るのであった。
ジョブ・ナイトとソーサラーを極めた者の上位解放ジョブ!
鋭い剣撃と高火力の魔法で敵を惑わし狩りまくれ! 次回アップデートで追加!!
「新ジョブだあああああああっ!!!!」
……という、PVをみて歓喜していた前世の記憶が蘇った。
「魔剣士……」
動きを止めて私は両手を見つめる。
体の中に不思議な力を感じる。握る剣が手に馴染む。
「動ける……できる……!」
前世でやり込んだオンラインゲーム。
当然すべてのジョブをカンストしていたけれど、一番使っていたのは魔法職のソーサラーと剣職ナイトだった。だからこそ、魔剣士のアップデートを心待にしたのである。
「あははっ!!」
思わず笑みが零れた。
まさかこんなところで新ジョブを使えるようになるなんて!
《ぐるるるるる……がああああっ!!!》
吹き飛ばされていた魔獣が再び立ち上がる。
興奮しているようだ。口からは煙が上がり、目が血走っている。
毛が逆立ち、鉤爪の足は抉るように地面を蹴る――相手も必殺技を繰り出してくるのだろう。
「かかってきなさい!」
負ける気がしなかった。
剣を握り腰を落とす。
(ディーガの弱点属性は――炎)
剣の周りに炎が渦巻いていく。
魔獣は回転し、旋風をあげながら私に向かって突進してくる。巻き上がる風は――炎を強くする。
「――くらえっ! 火炎刃!」
何もない場所に切り込むと、それは炎の鎌鼬が表れたディーガを真っ二つに切り裂いた。
属性付与攻撃。魔剣士の初期スキル。
《…………ぐあ》
鳴き声ひとつあげると、ディーガは倒れた。
下級魔獣はその場で煙のように消え、ドロップアイテムだけを残していく。
「疾風虎の牙! やった! レア素材だ!!」
煌めく牙を手にとって掲げる。
観覧席にはリオンがいた。
「リオン! やった! これで私も冒険者だよ!!」
飛び跳ねながら全力で手を振った。
リオンはほっとした様子で手を振り替えしてくれた。
*
「――あれは一体なんだ」
おじいさん――ギルド長、ドラゴは驚き目を丸くした。
「ディーガはルーキーでも勝つのが難しい魔獣だぞ。それをたった五つの子供が倒すなんて……おい、リオン。お前なにかしたのか」
「まさか」
リラを見つめるリオンの眼差しも驚いていた。
「魔剣士だって最近認可された職種だ。あんな子がいきなり適正開花するなんてて……」
「とにかくこれでリラは試験に合格ですよね」
リオンはにこりと笑う。
「ああ……だが、本当にノエルのクランを取り戻すつもりでいるのか」
「リラは本気ですよ。そして、俺だって正直腸が煮えくり返ってるんですよ」
リオンから笑みが消えた。ドラゴはゾクリと背筋を凍らせる。
「ああ……リラ。やはり貴女は特別な子だ」
それでこそノエルの子だと、リオンは誇らしそうに大切な親友の忘れ形見に手を振るのであった。
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