悪役令嬢は訳あり執事に溺愛される

さらさ

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㊶戸惑い

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わたくしはクロード様の立派な姿に、今までのミカは居なくなったのだと思い、寂しくなった。
でも、ミカは本来の場所にやっと戻れたのだから、祝福してあげないといけないわよね。

「クロード皇帝陛下、ご即位おめでとうございます。」

わたくしは立ち上がって淑女の礼をした。
すると、陛下が嘆息してわたくしを見る。

「レイラ嬢、俺の事が嫌いになりました?」

陛下は何を突然言い出すのかしら?

「そ、そんな事ありませんわ。」

「いや、明らかに避けてますよね?・・・別れ際、キスした事怒ってます?」

陛下が突然あの時のキスの事を話す。

「レイラ嬢の気持ちを無視した行動、申し訳ございませんでした。」

そう言って陛下が頭を下げる。

「陛下!頭をお上げください!そんな事なさらないで!」

わたくしは皇帝陛下に頭を下げさせてしまったことに、慌てて反応する。

その様子を見た陛下が寂しそうな顔をした。

「やっぱり、俺の事避けてるよな・・・嫌いになったんだろ?」

陛下が突然砕けた話し方に変わる。

「違いますわ。嫌いではりません。」

「じゃあ、なぜ避ける?」

「それは・・・陛下があまりにもご立派で、カッコよくて・・・わたくしなど遠く及ばない方なので・・・」

わたくしは恥ずかしくて、モゴモゴと小声になってしまう。
すると、陛下が突然立ち上がる。
え?なにか気に触ったのかしら・・・

わたくしが慌てていると、陛下はわたくしの隣まで来て、隣に腰を下ろした。
そして、わたくしを見つめる。

「レイラ嬢、俺の事はミカと呼んで下さい。」

「で、でも、陛下に対してそのような事出来ません。」

陛下、近いです。そんなに見つめないでください。

「レイラ嬢が付けてくれた名前は俺だけのものです。レイラ嬢には特別な名前で呼んで欲しいのですが・・・ダメですか?」

そんな・・・皇帝陛下をそんな呼び方するなんて出来ないわ。

「レイラ嬢、俺は何も変わらない。皇帝になった事でレイラ嬢が今までみたいに接してくれなくなるのが一番悲しい・・・。」

陛下の困った悲しげな表情に、どうすればいいのか分からなくなる・・・

「レイラ嬢・・・すみません・・・」

陛下がわたくしの頬に触れる。
混乱した頭でどうすればいいのか考えていたわたくしの頬を涙が伝っていた。

「困らせるつもりはなかったのです。」

陛下が優しく涙を拭ってくれる。
ミカの手だ・・・
その手の温もりに、また涙が溢れる。

「レイラ嬢・・・触れてもいいですか?」

そのおどおどとした声に、わたくしは思わず答える。

「ミカに触れられて嫌なんて思ったことないわ!」

目の前にいるミカを見上げる。
すると、わたくしはふわりとミカの腕の中に入っていた。

「やっとミカって呼んでくれましたね。」

「本当に、ミカでいいの?」

「今まで通り接してください。いや、今までよりも近い存在になりたいのです。」

「近い存在?」

ミカの言葉に疑問が浮かぶ。近い存在って・・・ミカは国へ帰るのよね、今までみたいに近くにいることは出来ないわ。

「レイラ嬢、俺はレイラ嬢を迎えに来たのです。」

「え?」

わたくしをそっと抱きしめたまま見つめるミカを見上げる。

「レイラ嬢を愛しています。ずっとずっと前から・・・ですが、ヘンリー王子の婚約者であるレイラ嬢にそんな事を言えず、ずっと心に閉まっていた気持ちです。」

わたくしはミカの言葉にびっくりしていた。
ええ?ミカがわたくしの事を好き?

「本当に?」

「そんな嘘つきません。以前俺がキスしたのはどう捉えられていたんですか?」

「血迷ったのかと・・・本当に?」

わたくしはもう一度確認する。
すると、ミカがくくっと笑う。

「血迷った・・・か・・・俺、そんなに信用ないんですかね、俺は本当に好きな人としかしません。」

ミカの困った顔、わたくしはいつもミカにこの顔をさせてしまう。わたくしの気持ち、言ってもいいのかしら・・・

「わたくしも・・・ミカの事が好きなの。ミカが居なくなって、本当に悲しかったわ・・・」

その言葉に、ミカが目を見開く。

「本当に?俺のことを?」

「嘘なんてつかないわ。」

さっきのわたくしと同じやり取りに、二人はふふっと笑ってしまう。
まさか、ミカもわたくしの事を思ってくれていたなんて・・・

ミカが背中に回した片方の手をわたくしの頭に回して、支えるように優しく抱く。
そして、ミカはわたくしに唇を重ねた・・・







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